「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

浜松中毒事件と戦時下の「特定秘密」

2014-01-19 06:05:18 | Weblog
浜松市内の小学校と幼稚園の給食でノロウィルスによる食中毒が発生、千人をこす子供たちが嘔吐や下痢を訴え市内で17校が学校閉鎖となった。原因は給食用のパンを製造した工場の従業員のトイレからノロウィルスが検出され、これによるものらしい。この中毒を知り、僕は戦時中浜名湖畔で起きたアサリが原因とみられる中毒事件を思い起こした。この事件では百数十人が中毒死しているが、戦時下の事、今もって原因さえ突き止められておらず全容も完全に判っていない。

特定秘密保護法が今、有識者の会合で審議されているが、戦時中にはこの浜松湖事件のように、政府が国民へ影響を考えて事件を秘密にしたケースが多い。昭和18年から20年にかけて北海道壮瞥の麦畑で溶岩ドームが突然隆起して「昭和新山」が出来たことも当時一般には公表されず、観測さえ十分には行われていなかった。戦争末期の20年1月13日に起きた三河地震もM.6.7の直下型地震で死者2300人も出しているが、その報道は現地と近隣だけで全国的には大きく報道されなかった。

昭和20年、東京では3月10日をはじめ何回か大空襲にあっているが、いまだに、その全容は判らない。新聞が2ページ建てでスペースがなかったことあるが、自分が体験した空襲さえ、被害の規模がどの程度なのかさえ解からなかった。高射砲が襲来したB-29を撃ち落としたという大本営の発表があったが、その場所がどこなのかさえ、はっきりしなかった。浜松の食中毒から変な連想で「特定秘密」を思い起こした。僅か70年ほど前にはこんなこともあった。