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「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       スーダンのバシャール君からの年賀状

2011-01-08 07:44:54 | Weblog
アフリカ最大の面積を持つスーダンの南部独立を問う住民投票が明日9日から行われる。南部はキリスト教徒が多く、回教徒の北部中央政府との間で1980年代から宗教対立などがからんで20余年内戦状態にあり、2005年国連の仲介で和平が成立するまでに200万人が死亡したといわれる。現地からの報道では、今回の住民投票の結果、南部が中央政府から分離して、アフリカ54番目の独立国になることは確実だといわれている。

日本から見れば、アフリカの遠い国の話だが、ここにも回教徒の中央政府を支持援助する中国と、キリスト教徒が多く石油資源がある南部の分離独立を支持する欧米諸国との間に対立があるという変な国際構図があるそうだ。

わが国の対スーダン政策が、今どうなっているのか、僕は勉強不足で知らないが、昨日偶然にもUAE(アラブ首長国連邦)のシャージャ首長国に住んでいるスーダン人のイブラ匕ム・バシャール君から分厚いエアーメールの封筒に入った年賀状が届いた。今から24年前の1987年(昭和62年)バシャール君はJICA(国際協力事業団)の自動車工学集団研修員の一人として来日、一年間滞在していた。その時、僕は彼の研修の面倒をみた関係である。

バシャール君は北部出身の敬虔な回教徒である。僕が他の研修員と一緒に自宅に招待したことがあったが夕方(マグレブ)の祈りを忘れなかった。帰国後、日本の大使館で一時臨時で仕事をしていたようだが、2000年頃からUAEに出稼ぎに行き、そのまま居ついてしまったようで、いつも年賀状はsシャージャーから送ってくる。

今年の年賀状の封筒の中には、昨年秋現地で出版された、1962年僕らがドバイを取材で訪れた際、同行のカメラマンの撮った写真集についての現地アラビア語新聞のきり抜きと、その英語訳が入っていた。2008年と09年、僕らはドバイ首長の招待で現地を訪れたが、連絡が悪く、僕はバシャール君に会えなかった。

バシャール君は当然のことだが、日本で学んだ技術を祖国で生かしたいだろう。わが国の技術援助の本来の目的もそうである。しかし、長年の南部独立分離をめぐる内紛で、彼の折角の技術を生かす職場がないのだろう。日本の海外援助の在り方についても考えさせられる問題だ。