安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ズート・シムズ YOU 'N ME

2016-01-24 08:53:56 | テナー・サックス

先日、長野市のジャズバー「MUSICIAN」(ミュージシャン)に寄ったら、ズート・シムズの「Al And Zoot」(Coral原盤)がかかり、この中でズートがクラリネットを吹いていました。それが気に入っているマスターが、「他にズートのクラリネット演奏が聴けるアルバムを教えて」と僕に訊ねたので、すぐにわからなかったので、ディスコグラフィーで調べてみました。

ZOOT SIMS (ズート・シムズ)
YOU 'N ME (Mercury 1960年録音)

   

ズート・シムズの楽器の記載にcl(クラリネット)と出てくるセッションは結構あるのですが、基本的には持ち替えのアンサンブル用として若いころに吹いているものが多く、上記のCoral盤以外に目立つものはないように思われました。今回取り上げた「You 'n Me」中の「Angel Eyes」ではズートはクラリネットを吹いていますが、伴奏の域を出ないものでソロはとっていません。

メンバーは、アル・コーン(ts,cl)、ズート・シムズ(ts,cl)、モーズ・アリソン(p)、メジャー・ホリー(b)、オシー・ジョンソン(ds)。アル・コーン&ズート・シムズのチームの作品ですが、聴いていると、この二人は一応区別はつきますが、白熱してくるとわからなくなることもあります。このアルバムのライナーノート(英文)では、テーマがどちらが吹いているか、ソロの先発がどちらかといった親切な解説があって、アルとズートの区別がつくようになっています。

曲は、アル・コーンの自作が「The Note」と「You 'N Me」、ビル・ポッツ作「The Opener」、ジョージ・ハンディ作「Awful Lonely」、スタンダードの「You'de Be So Nice To Come Home To」、「On The Alamo」、「Angel Eyes」、「Love For Sale」、そして、アルとズートの即興「Inprovisation For Unaccompanied Saxophones」。アル・コーンの自作は、このチーム向きの軽快な作品です。「You'd Be So~」や「Love For Sale」という有名曲も選曲されているので、親しみやすい。

ズートとアルがクラリネットを吹いている「Angel Eyes」は、メジャー・ホリー(b)のフューチャーナンバーとなっていて、ベースとスキャットのユニゾンで旋律が奏でられます。マット・デニスやフランク・シナトラの歌で親しんできた僕には、違和感のあるバージョンです。他はスイングしている曲が多く、ズート、アルともに好調で、「A Night at The Half Note」(United Artists)と並ぶこのチームの代表に挙げたい作品。中でもテンポの速い「The Note」や「Love For Sale」は、自然と体が揺れて、思わず立ち上がりたくなるプレイです。地味な印象のモーズ・アリソン(p)ですが、「Love For Sale」ではメリハリの効いたソロをとっています。

【聴いてみたAl and Zootの他のアルバム】

   

A Night at The Half Note (United Artists)

   

At Birdland (Marshmallow)


珈琲の道具を揃えました

2016-01-22 20:56:57 | お出かけ・その他

たいそうな題なのですが、ただ単に豆を挽いて珈琲を淹れるというお話です。長い間、長野市の自宅近くの珈琲豆販売店で、豆を挽いてもらい粉にして買ってきていたのですが、そのお店が神戸市に移転してしまい、ここ1年以上、遠くの専門店や、ドトールコーヒーなど喫茶店のチェーン店で買ってきた粉を使っていました。

中には美味しいものもありましたが、時間が経つと新鮮さや香りといった点で、物足りなくなりました。そこで、豆に切り替えることにして、初めて小さなミルを買いました。カリタ社のミニミルで、一人用としてよく使われていると思います。

   

それに加えて、今までは、薬缶から直接お湯を注いだり、丁寧に淹れようとするときは、お茶用の急須を使っていたのですが、これも改めることにして、タリーズコーヒーでコーヒーケトルを買ってきました。注ぎ口が小さいので、今までよりはよいかもしれません。

   

豆の方ですが、神奈川県相模原市に住んでいる親戚が、贔屓にしている近くの専門店のものを送ってくれたので、その豆をとりあえず使っています。自分で豆を挽いて抽出してみた結果は、手間をかけただけあって、心なしか美味しく感じます。豆のせいもあってか、すっきりとした味でしたが、少なくとも香りという点では今まで以上です。

      

ジャズ喫茶のコーヒーは、昔に比べてずいぶんと美味しいところが増えました。そこに近づけるように、豆の選択や挽き方、淹れ方をあれこれ工夫していきたいと考えています。ただ単に、珈琲を飲む前段階も楽しもうということですが、儀式的なところもあって、悪くないなと思っています。

   

あまり美味しそうに見えないのは、初めてなので仕方がないかと。


イアン・ヘンドリクソン・スミス STILL SMOKIN'

2016-01-20 19:25:02 | アルト・サックス

スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス主演の映画「ブリッジ・オブ・スパイ」を観てきました。米ソ冷戦下での史実に基づく物語で、ソ連のスパイの弁護を引き受けた弁護士が、国からの依頼により、ソ連に捕らえられた米国人パイロットと弁護を行ったソ連人スパイのスパイ同士の交換交渉を行うという粗筋ですが、重厚で面白い映画でした。ポートレートが怖そうなジャケットのアルバム。

IAN HENDRICKSON-SMITH (イアン・ヘンドリクソン・スミス)
STILL SMOKIN' (Sharp Nine 2004年録音)

   

イアン・ヘンドリクソン・スミス(as,fl)の第2作目のアルバムです。彼は1974年ニューオリンズ生まれで、現時点で10作品を録音しています。キャノンボール・アダレイを端正にしたようなスタイルで、僕は、結構気に入っているミュージシャンです。ニューヨークのジャズ・クラブ「Smoke」への出演が多く、これはそこで録音されたライブアルバムです。

メンバーは、イアン・ヘンドリクソン・スミス(as,fl)、デヴィッド・ヘイゼルタイン(p)、ピーター・ワシントン(b)、Joe Strasser(ds)。曲によって、ピーター・バーンスタイン(g)とライアン・カイザー(tp)が参加しています。豪華な共演陣ですが、実際、ヘイゼルタイン(p)の演奏は素晴らしくて、もう一つの聴きものとなっています。

曲は、スタンダードが「I Wish You Love」、「Love For Sale」、「Memories of You」、「I Can't Get Started」、「Smile」、スミスの自作が「Jacob's Crib」、「Sparrow's Flight」、ヘイゼルタインの自作が「Ian's Bossa」、ケニー・ドーハム作「San Francisco Beat」で全9曲。「I Can't Get Started」は、フルートによる演奏。

素直なメインストリーム系の快演アルバム。1曲目の「I Wish You Love」から、ヘンドリクソン・スミス(as)が中庸なテンポときれいな音色でメロディを奏でていて、いいムードです。「Love For Sale」は、ライアン・カイザー(tp)が加わっていて、スミス、カイザー、ヘイゼルタインと、途中からエキサイティングなソロが続きます。「Ian's Bossa」では、ヘイゼルタイン(p)の乗っているロングソロにやんやの拍手が集まります。

【映画「ブリッジ・オブ・スパイ」】

ブリッジ・オブ・スパイ予告編(youtub)

(チラシ)

    


夫神岳登山 (長野県小県郡青木村)

2016-01-18 20:39:02 | 登山・ハイキング

先日、夫神岳(おかみだけ)(標高:1250m)に登ってきました。長野県小県郡青木村にある里山なので、登山というよりトレッキングなのですが、途中から登り甲斐のある山でした。夫神岳は、その山容から古代から信仰の対象となり雨乞いの山として有名だそうです。青木村には、他にも十観山(じゅっかんさん)、子檀嶺岳(こまゆみだけ)があって青木三山と呼ばれています。あと二つの山にも登る予定です。

登山口には駐車場(10台以上停めれそうでした。)があり、トイレ(冬期間は閉鎖です。)もあります。山頂まであと600m地点からは、ずっと登り坂になります。僕は、体が重くて途中休みながら登りましたが、全体を通して危険なところは全くなく楽しく登れる山です。ただ、体重の減量の必要性を痛感させられました(笑)。歩行時間は、上り1時間9分(月波の泉見学を含む。)、下り44分でした。帰りに沓掛温泉の小倉の湯に立ち寄りましたが、心地よくて癒されました。

【行 程】

長野市自宅発 9:30(上信越道経由、坂城インターで下りて青木村中心地から登山口へ。途中コンビニで買い物)
登山口(長野県小県郡青木村夫神 信州まるべりーオートキャンプ場のすぐ上)到着 10:40

登山開始 10:50
大明神様(山頂まであと1.5km地点、月波の泉見学) 11:16~11:19
山頂まであと600m地点(ここから急な坂道) 11:29
夫神岳山頂到着 11:59

山頂昼食休憩 12:00~12:19

山頂出発下山開始 12:20
山頂まであと600m地点 12:36
大明神様 12:46
登山口着 13:04

登山口駐車場出発 13:16
沓掛温泉小倉の湯入浴 13:30~14:00
長野市自宅着 15:00

【往 路】

   

整備された駐車場があります。

   

登り口。

   

林道を歩いていきましたが、間伐がしっかりと行われていて気持ちのよい山です。林内が明るく、頂上までそれが続きました。

   

このような標識(看板)が立っていて、道に迷うこともありません。

   

大明神様までは、車も通れそうな林道をいきます。

   

大明神様。

   

大明神様のすぐ近くにある月波の泉。

   

大明神様の前方にある山頂まで1.5km、あと40分の標識。僕は、結局40分近くかかりました。

   

大明神様から上は、足元はいいですが、若干狭い登山道になります。

   

あと600mの標識。ここから登り坂が続きます。

   

道はよく整備されていて、上りやすくなっています。

   

尾根へ出ました。出た途端にほぼ頂上です。

   

山頂。

   

三角点。

   

山頂にある祠。九頭龍とイザナギノミコト。

   

山頂から青木村方面。

【復 路】

   

山頂からほんの少し下ったところから、青木村~上田市方面。

   

山頂まであと600m地点。上りは30分かかりましたが、下りは16分でした。

   

大明神様の後方にある標識。ここから山頂まで上りは40分かかりましたが、下りは26分でした。

   

無事登山口に到着しました。

【沓掛温泉 小倉の湯】

住所:長野県小県郡青木村沓掛419-1
電話:0268-49-1126
ホームページ:青木村ホームページ hotspring

     

【夫神岳(沓掛温泉から戻る途中、夫神地区から】

   


ジョージ・ベンソン THE NEW BOSS GUITAR OF GEORGE BENSON

2016-01-17 08:00:50 | ギター

先週の三連休は、安曇野市にいたので、買い物に出かけたついでに明科御宝田の白鳥飛来池によってみました。地球規模の気候変動がいわれ、今年は暖冬でもあるのですが、たくさんの白鳥が飛来してきていて、安心しました。例年の光景で、長野県内ではよく報道もされますが、季節を感じさせてくれます。黒っぽいジャズを感じさせてくれる一枚。

GEORGE BENSON (ジョージ・ベンソン)
THE NEW BOSS GUITAR OF GEORGE BENSON (Prestige 1964年録音)

   

ギターと歌で、後年スターとなったジョージ・ベンソンは、21歳のときに初録音を行いますが、それがこのアルバムです。1962年から、オルガンのジャック・マクダフ・グループに参加しており、この初リーダー作も、マクダフが全面的にバックアップしています。オルガンとテナー、ギターという楽器編成で、しかも役者が揃っているので、ソウルフルな演奏が楽しめます。

メンバーは、ジョージ・ベンソン(g)、レッド・ホロウェイ(ts)、ジャック・マクダフ(org,p)、ロニー・ボイキンス(b)、モンテゴ・ジョー(ds)、ジョー・デュークス(ds、ボーナス・トラックの一曲のみ)。レッド・ホロウェイだけは、ミルト・ジャクソン=レイ・ブラウン・グループで来日した際に観たことがあります。

ベンソンのオリジナルが5曲あり、意気込みが伝わります。彼の自作が「Shadow Dancers」、「The Sweet Alice Blues」、「I Don't Know」、「Just Another Sunday」、「Rock-A-Bye」、スタンダードが2曲で「Will You Still Be Mine」と「Easy Living」、ボーナストラックの1曲は別の日に録音されたものですが、マクダフ作の「My Three Sons」で、全8曲。マット・デニス作の「Will You Still Be Mine」は大好きな曲なので、それがベンソンのプレイで聴けるのは嬉しい。

期待通り、ソウルフルで生き生きとしたハードバップが楽しめるアルバム。ジョージ・ベンソンのオリジナルも、このグループにあっていて、つまらないものはありません。「Shadow Dancers」では、リフ的なテーマのあとにホロウェイ(ts)が合いの手を入れ、続くホロウェイ、ベンソン(g)のソロとともにかっこよく、この曲が最もよかった。「Will You Still Be Mine」では、ベンソンのシングルノートによるストレートなプレイが初々しくて気持ちがよく、調子の良い「Rock-A-Bye」ではソロの受け渡しなどレギュラーグループならではの緊密なプレイが聴かれます。

【2016年1月 安曇野市明科中川手 御宝田の白鳥飛来池】