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安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

エミリー・クレア・バーロウ THE VERY THOUGHT OF YOU

2012-08-05 11:41:26 | ヴォーカル(E~K)

昼神温泉(長野県下伊那郡阿智村)の旅館の社長さんから、ぜひ出かけてほしいとパンフレットをもらいました。「ヘブンスそのはら天空の楽園 日本一の星空ナイトツァー」というもので、夜にバスとロープウェーを使って1400メートルの高原(冬はスキー場)に上がり、星空を楽しむ、というツァーです。8月1日から9月17日まで行われますが、STAR LIGHT JAZZと名付けて、ジャズライブが行われる日が数日あるので、そこに予約を頼みました。「SO MANY STARS」が収録されたアルバム。

EMILIE-CLAIRE BARLOW (エミリー・クレア・バーロウ)
THE VERY THOUGHT OF YOU (Empress Music 2007年録音)

  Theverythoughtofyouemilieclairebarl

「So Many Stars」は、アラン・バーグマン、マリリン・バーグマン夫妻の作詞、セルジオ・メンデス作曲により、セルジオ・メンデス&ブラジル66により1967年に歌われた曲です。「星屑のボサノヴァ」という邦題名もあって、リズムはもちろんボサノヴァ。歌詞の大意は、「夜明けは夢に溢れていて、どれが私の夢かしら、私に似合うものがあるはず。全ての星に夢が宿る時、たくさんの星が輝く」というロマンチックなもの。旋律も夢みるような、美しいバラードで、多くの歌手によってカバーされています。

エミリー・クレア・バーロウは、1976年生まれのカナダの歌手で、彼女のホームページによると、8枚のCDを出していて、カナダ国内のツァーも盛んに行っているようです。音楽一家の生まれで、専門教育を受け、各種楽器の演奏や編曲も行います。この作品でも、編曲を担当しています。日本でも国内盤CDが出されているアルバム(本CDも国内盤です)もあり、彼女のファンの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

伴奏は、ギターを含むクインテットで、曲により、テナー・サックスやストリングスも加わります。曲は、「The Very Thought of You」(君を想いて)、「Almost Like Being in Love」、「O Pato(The Duke)」、「Les Yeux Ouverts(Dream A Little Dream Of Me)」、「Pennies From Heaven」(黄金の雨)」、「What A Little Moonlight Can Do」、「Surry With The Fringe On Top」(飾りのついた四輪馬車)」、「My Time Of Day / I've Never Been In Love Before」、「C'est Si Bon」(セシボン)、「De Concersa Em Conversa」、「The Boy Next Door」、「So Many Stars」、「You're Getting To Be A Habit With Me」の13曲。

スタンダード集ですが、新しい試みもあり、例えば、「Pennies From Heaven」はサンバで歌われます。ボサノヴァを3曲歌っていますが、「So Many Stars」では、歌詞のSo Many Starsの繰り返しのところなど感情がこもっていて、ロマンチックでちょっと切ない気分にしてくれます。バーロウはライナー・ノートも自分で書いていますが、この曲は難しかったと記しています。標題曲の「The Very Thought Of You」は、ヴァースから彼女のピュアな歌声に魅せられて、最も印象に残りました。伴奏もスインギーで、好感が持てるアルバム。

【星空の楽園パンフレット】
長野県下伊那郡阿智村は、平成18年度「全国星空継続観察〈星が最も輝いて観える場所〉」第1位に選ばれています。

  Tenkunorakuenhirugami2012


ウェス・モンゴメリー SMOKIN' AT THE HALF NOTE VOL.2

2012-08-01 21:31:22 | ギター

暑さが続いているので、気分転換に先週末ドライブに出かけました。目指すのは、「月瀬の大杉」(長野県下伊那郡根羽村)ですが、車にナビを取り付けていないので、愛知県境まで、国道153号線をひたすら辿って行きました。大杉は、国の天然記念物ですが、あまりの太さと高さにびっくりしました。このあたりは、杉の産地ですが、こんな巨木は根羽村月瀬にあるだけのようです。ギターの巨人の演奏。

WES MONTGOMERY (ウェス・モンゴメリー)
SMOKIN' AT THE HALF NOTE VOL.2 (Verve 1965年録音)

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昔、東京に単身赴任し、仕事の合間にレコード屋巡りをしていたのですが、その時、いくつかのお店で、同じレコードが売れ残っていることに気づきました。中でも目立ったのが、ウェス・モンゴメリーの「Willow Weep For Me」(Verve)で、どうしてか不思議でしたが、かなり経ってから、元の録音にウェスの死後、ストリングスを被せて発売されたので、人気がないというのが、その理由だとわかりました。

ストリングスを取り去り、他のハーフ・ノートにおけるライブ録音と併せて編集発売されたのが、「Smokin' At The Half Note Vol.2」です。日本語ライナーでは、1965年6月録音の表記しかありませんが、同年8月など他の月のライブも収録されるなど、データはややこしいものです。でも、内容は極上なので、Smokin' At The Half Note(スタジオ録音分も収録)を持っていても、入手する価値はあります。

メンバーは、ウェス・モンゴメリー(g)、ウィントン・ケリー(p)、ポール・チェンバース(b)、ジミー・コブ(ds)。曲は、「No Blues」、「If You Could See Me Now」、「Willow Weep For Me」(柳よ泣いておくれ)、「Impressions」、「Portrait of Jenny」、「The Surry With The Fringe on Top」(飾りのついた四輪馬車)、「Oh, You Crazy Moon」、「Four On Six」、「Misty」の9曲。

次から次へと弾きまくる、ウェスのギターに魅了されます。スピードと力強さ、スイング感に満ちたプレイを繰り広げています。ことに、「No Blues」、「Impressions」では、唖然とするようなソロの連続で、聴き入ってしまいました。「Willow Weep For Me」も、この曲のイメージとやや異なり、ライブならではの力のこもった明るめの演奏。バラードの「If You Could See Me Now」は、ウェスはもちろんのこと、ケリー(p)の両手を用いた演奏はファンタスティックで素晴らしい。

【月瀬の大杉】
長野県下伊那郡根羽村月瀬日蔭平地籍にあります。幹の回り14メートル、樹高40メートルの巨木。1800年以上の樹齢で、国の天然記念物に指定されています。高すぎて写真に収まりきれませんでした。2枚目の写真で、右端に写っている人と杉とを比べてみてください。大きさが想像いただけるのでは。訪れた時には、愛知県からのお客様が2組いて、訪れる方は多いようです。

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