安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

小泉武夫著「北海道を味わう」(中公新書)を読みました。美味しい本です。

2022-05-20 19:30:00 | 読書

書店の新書コーナーを観ていたら、小泉武夫著「北海道を味わう」(中公新書)が面白そうだったので、購入しました。

   

表紙

(帯裏にある本書の紹介

 

(著者紹介)

1943年(昭和18年)、福島県の酒造家に生まれる。東京農業大学農学部醸造学科卒業。農学博士。東京農業大学名誉教授。福島大学、石川県立大学、島根県立大学、別府大学、鹿児島大学の客員教授を務める。専門は醸造学、発酵学、食文化論。『発酵』『醤油・味噌・酢はすごい』『奇食珍食』『酒肴奇譚』ほか著書多数。

(目次の抜粋)

Ⅰ 春の味覚
第1章 海が魚を背負ってくる
    群来とニシン、張碓のシャコ、誘ってくる活ホタテ、妖しき緋色のホッキガイ
第2章 大地に萌える味
    石狩川土手のフキノトウ、男の涙とヤマワサビ

Ⅱ 夏の味覚
第4章 銀鱗飛び交う北の海
    「海のルビー」の北海シマエビ、ウニの紅白味合戦、恍惚のカニ、陶酔のカニ
第5章 太陽と土と水の申し子たち
    清らかなる「新ジャガ」、トウモロコシに味覚極楽を見る 

Ⅲ 秋の味覚
第7章 豊穣の海に銀鱗が踊る
    サケ騒がせの時、到来、ホッケの開きに悶絶、サンマは釧路に限る
第8章 豊穣なる大地からの贈り物
    新米に悟らされる、蕎麦のユートピア

Ⅳ 冬の味覚
第10章 凍れる海で魚介が肥える
     恍惚のキンキ、気品あるカレイ、君知るや、ハッカクの味

Ⅴ 通年の味覚
第13章 おらが道民の味自慢
     ジンギスカンへの憧憬、小麦王国と麺文化、太っ腹の豚丼、何と言っても炉端焼き

(感 想)

小泉武夫さんの著書は初めてでしたが、一気に読了しました。北海道の海、山からの多様な食材、それにまつわる料理、その料理に合わせるお酒の話が主なのに加え、交遊録にもなっていて、魅力あります。

季節ごとに道内各地の美味しい食材を紹介し、その料理レシピを記載し、さらに、食べれるお店の名前も出てくるので、実用的に使えます。「シャコ、活ホタテ、北海シマエビ、キンキ、ハッカク」など、海産物の話が、特に面白い。

著者の表現力が豊かなことも特筆ものです。例えば料理の描写で、『ホタテは歯に応えてムッチリとし、次第にホコホコとしてそこから貝特有の奧の深いうま味と耽美な甘みが湧き出してきた、そして、なんと鼻孔から微かに潮の香りが抜けてくるのであった。』

以下、僕が札幌などで食べてみたいと思っている食材です。本書の写真の抜粋です。