大雨続きで遠くへ出かける気にならず、「アンティークの祝祭」という映画を観てきました。カトリーヌ・ドヌーヴが主演なので興味を惹かれたものです。
パンフレットの表紙
(あらすじ)
夏のある朝、クレール(カトリーヌ・ドヌーヴ)の決意は突然だった――。 70年以上におよぶ長い人生。ここのところ意識や記憶がおぼろげになることが増えてきた。「今日が私の最期の日」と確信した彼女は、長年かけて 集めてきたからくり人形、仕掛け時計、肖像画など数々のコレクションをヤードセールで処分することにする。見事な品々の大安売りに、庭先はす ぐにお客と見物人で賑わいはじめた。大きな家財から小さな雑貨まで家中を彩り続けたアンティークたちは、いつもクレールの人生と共にあった。 それは、彼女の劇的な生きざまの断片であり、切なく悲劇的な記憶を鮮明に蘇らせるものでもあった。 一方、疎遠になっていた娘マリー(キアラ・マストロヤンニ)は、母のこの奇妙な行動を友人のマルティーヌ(ロル・カラミー)から聞きつけ、20年ぶり に帰ってくるが――。
(感想)
進んだ認知症と思われる主人公の一日を描いた映画ですが、会話が成り立っているのかいないのか、危ういのに加え、過去の場面の想い出が脈絡なく次々と出てきて、これはたいへんだと考え込んでしまいました。
カトリーヌ・ドヌーヴの貫禄が感じられる演技がなんといっても印象的です。実の娘のキアラ・マストロヤン二が共演しているのも話題だと思いますが、主人公の若い頃を演じたアリス・タグリオー二の上品な美しさはドヌーヴの若い頃に似ている気がしました。
自分が大事にしたアンティークや趣味の品物と人生の関係も考えさせられました。最後は処分するしかないとも思えてきて、思わず、自宅に着いたら本、レコードやオーディオ機器を眺め回してしまいました。
母と娘が20年ぶりに会う場面。
アリス・タグリオー二
アンティークの数々。
監督のインタビュー。映画に出てくる大邸宅は、この監督の実家のようです。
映像美は、なかなかのものだと思いました。
【映画 アンティークの祝祭】