安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ベニー・ベイリー SERNADE TO A PLANET

2017-07-26 20:21:19 | トランペット・トロンボーン

今年もセイジ・オザワ松本フェスティバル(旧サイトウ・キネン)が8月13日から開催されますが、ファビオ・ルイージ指揮のマーラー「交響曲第9番」と、ふれあいコンサートⅢ(シェーンベルク「月に憑かれたピエロ」等)のチケットを購入しました。先日、昨年の模様をレポートした「2016OMF Report」を送っていただきましたが、昨年のルイージ、小澤征爾の演奏はよかったので、今年のフェスも期待できそうです。世界中から演奏者が集まるので、ジャズもヨーロッパからのものを。

BENNY BAILEY (ベニー・ベイリー)
SERENADE TO A PLANET (EGO 1976年録音)

   

ベニー・ベイリー(tp)は、アメリカでもキャンディドレーベルに「Big Brass」というアルバムを残していますが。渡欧してヨーロッパにずっと住み続け、録音もマイナーレーベルが多かったためか、日本ではほとんど注目されることがなかったように思います。このアルバムなどはもっと知られてよいものではないでしょうか。

メンバーは、ベニー・ベイリー(tp)、フェルディナンド・ポヴェル(ts)、ジョー・ハイダー(p)、イズラ・エッキンガ―(b)、ケニー・クラーク(ds)。ベイリーとクラークは、渡欧したアメリカのミュージシャンですが、あとの3人はヨーロッパのトップミュージシャンたちです。ジョー・ハイダーは、このEGOレーベル(ドイツのミュンヘンが本拠)を当時主宰していて、本作品のプロデュースにも当たっています。

曲はジャズオリジナルです。フェルディナンド・ポヴェル作「Aquarian Moods」と「The Kicker」、シダー・ウォルトン作「You Tell Me」、イズラ・エッキンガ―作「Little "B"」、ベニー・ベイリー作「Serenade to A Planet」と「Neptunis」の全6曲。いずれもハードバップベースの佳曲です。

ベニー・ベイリー(tp)は、高域も屈指してフレーズを作り、よく歌っています。ポヴェル(ts)は、コルトレーンからの影響がみられますが、特殊な奏法を使わないので好感がもてます。ハイダー(p)の明晰で硬質なサウンドはいかにもヨーロッパという感じです。ゆったりとしたテンポの「Aquarian Moods」は、2菅とリズム陣が掛け合うようなテーマが面白く、ポヴェル、ベイリー、ハイダーと続くソロも聴きごたえがあります。バラードの「Serenade to A Planet」は、ベイリーのソフトな語り口が美しく、リズミカルな「Neptunis」では、エッキンガ―(b)もソロをとっています。

【2017セイジ・オザワ松本フェスティバル チラシ】

   

   

(2016OMF Report)

2016年のフェスティバルの模様を記録した冊子です。抜粋ですが、公演の模様を収録したCD付きです。