題名につられて借りてきた米映画「Angel Eyes」を見ました。あらすじは、交通事故で妻子を亡くした男性が、記憶を封じ込めて記憶喪失気味で生活をしていました。ある日、その交通事故の処理をした婦人警官(ジェファニー・ロペス)をみかけて、犯罪者から彼女の命を救うことになり交際が始まります。男の身元が明らかになり立ち直っていくというものです。たんたんと進みますが、見終わるとほっとしたいい映画だったと思えました。
実はその男性は、元ジャズ・トランペッターで、デート途中でジャズクラブの音色に誘われて入店します。そのとき演奏されていたのが「Someone to Watch Over Me」で、彼が演奏に加わり吹いたのが「Nature Boy」です。この2曲はスタンダードですが、主題歌は新たに作られたものでした。アール・ブレント詞、マット・デニス曲の「Angel Eyes」の方を聴きたくなりました。
IRENE KRAL (アイリーン・クラール)
ANGEL EYES (TRIO 1977年録音)
ライブ・イン・東京とあるように、1977年7月の日本公演の際録音されたライブ盤です。アイリーン・クラールは、1940年代から活躍している有名歌手ですが、64年から10年ほどは引退状態でした。74年にカムバックしてからは、アラン・ブロードべンド(ピアノ)と組んで活動をし、アルバム「恋の行方」を出した後の日本公演だったので注目度が高かったことと思います。
東京公演を2回録音していますが、ドラムだけが公演により異なっています。アラン・ブロードベント(p)、稲葉国光(b)、ドナルド・ベイリー(ds)、石松 元(ds)です。ピアノ・トリオの伴奏がうれしいです。アイリーン・クラールは、くせのないすっきりとした声、フレージングで歌っています。
「Angel Eyes」では、やるせない気分を醸し出しながら美しく歌います。「Everytime We Say Goodbye」、「Star Eyes」もバラードで、特に前者はアルバム中最も印象深いもの。「On a Clear Day You Can See Forever」、「Misty Roses」はボッサで、スティーヴィー・ワンダーの「You are The Sunshine of My Life」も収録されており、レパートリーが豊富です。
持っているのは日本盤LPです。ジャケットはK.ABEのデザインで、写真は東京のホテルで日没時に撮影されたものだそうです。