理想国家日本の条件 さんより転載です。
恐るべき独裁者・習近平主席の2つの顔 ①国内統治の秦の始皇帝の顔
2017/11/27http://888ichigo.blog.fc2.com/blog-entry-103.html
安田一悟の異次元歴史ミステリーさんより
1974年、中国の西安から北東30キロにある驪山(りざん)の北側から地元の農夫が井戸を掘ろうとして、偶然に発見されたのが「秦の始皇帝陵」である。約2200年ぶりに姿を現した、その「始皇帝陵」の地下宮殿から、何と6000体に及ぶ等身大の兵馬俑が発掘されたのである。
この世紀の大発見は「さすがは歴史の国・中国である」として、大ニュースとなって世界中に衝撃を与えた。現代に姿を現した6000体の兵馬俑は「秦の始皇帝」が死してもなお2200年間、地下において闇の帝王として中国を支配していることを象徴するかのようであった。
そして今から5年前の2012年11月に、その「秦の始皇帝」が現代によみがえったような「習近平総書記」が「中華民族の偉大な復興の夢」というスローガンを掲げて華々しく登場してきたのである。
もともと中国は、秦の始皇帝の時代より「世界は、中国の皇帝を頂点として天下を支配しているであって、中国を中心として世界が成り立っているものである」という「中華思想」を持っていて、習近平総書記は、これを体現しているかのようであった。
新たな現代の皇帝となった習近平主席は、鄧小平が遺した「市場主義経済」と毛沢東が遺した「先軍政治」の両輪を継承しながら、さらに覇権戦略を推し進めようとしている。
その新皇帝・習近平が、まず取り組んだのが、国内の乱れを質すことと軍を完全掌握することである。そのために帝国内の人民の不満をテコにして「トラもハエも叩く」というキャンペーンで、鄧小平の「改革・開放」以来、中国全土にはびこる汚職・腐敗の一掃に乗り出した。片腕であった政治局常務委員の王岐山を取り締まりの責任者として、非情にも、かつての同士だった党や軍の多数の幹部を次々と摘発し、逮捕して政治的に抹殺していったのである。
習近平主席は、江沢民元主席の後ろ盾を得て党のトップに立てたにもかかわらず、権力基盤を固めると、今度は恩義を受けた江沢民派の勢力を一掃し始めたのである。
その江沢民派の人民解放軍幹部の腐敗摘発は厳しく、多くの軍幹部が立件・調査されていて、取り調べ中に自殺する者もいることが確認されている。すでに周永康元党中央常務委員や徐才厚中央軍事委副主席や、さらには郭伯雄中央軍事委副主席や令計画元胡錦涛秘書などの大物の身柄が拘束された。
このように「改革」と称して人民や軍を掌握していくのは、いかにも謀略好きな習近平主席らしいやり方でもある。
2015年の全人代では、すでに「約55000人が逮捕された」と発表された。この中にはすでに処刑されている者も多くいるという。
また2017年11月の中国共産党大会では、さらに「逮捕された者は150万人以上」という膨大な数が発表された。かつて毛沢東元主席が主導した「文化大革命」によって約2000万人が命を落としたと言われているが、それに次ぐ呵責のない「神なき社会主義国家」の恐るべき粛清の実態である。
このように共産主義国家の権力闘争の、さ中では、どんなことでも起き得るのである。権力をにぎれば、それを維持していく為には、あらゆる陰謀を巡らして、どんな汚いやり方を駆使してでも競争相手を陥れていくのである。
この毛沢東主席以来の大粛清に「明日は我が身」と怯える幹部たちが、次々と恭順を示しているのだから、まさに習近平主席は「法家思想」を体現した「恐れられる皇帝」である。
「法家思想」とは、「人間の本質は、性悪である。この性悪な人民たちを、どのようにして権力や法律でもって支配できるか、あるいは弾圧や謀略によって国家に隷属させることができるか?」という冷徹な論理があるが、一方では「人民を愛する」という論理には全く欠けている思想である。
2017年10月18日に開催された中国共産党大会において、習近平主席の「四つの全面」(小康社会・改革の深化・法による国家統治・厳しい党内統治)と「五位一体」(政治・経済・文化・社会・生態)からなる「習近平思想」が党の規約に入ることが承認された。これは、ある意味では「毛沢東思想」と並び「毛沢東思想」を越えることである。
習近平主席は「マルクス思想」という名を借りた、中国伝統の「法家思想」を「習近平思想」に名を変えて現代に再興しようとしているのであり、これまでの「核心」と合わせて、さらに独裁権力を固めたと言えるのである。
また習近平主席は、
①現代化建設
②世界平和の維持と共同発展の促進
③祖国統一の完成(台湾)
という3つの歴史的任務の達成するとした。
また世界一流の軍隊を造るために、20年までに機械化・情報化の実現による戦略能力の大幅な向上させるとした。
改めて発掘された2200年前の兵馬俑の写真と今回の中国共産党大会の代表者たちが勢ぞろいした写真を見比べて見てほしい。 黒のスーツに赤のネクタイ(習近平主席だけが皇帝だけが許される紫のネクタイ)赤のネームプレート。バックには大きな鎌と槌の紋章と赤いカーテンがいくつか垂れ下がっている。その下に約2300人の赤と黒の軍団の将校たちが勢ぞろいした、今後、他の国々が共産党の支配する中国に十分に脅かされることを予想させるような威容である。
何か「2200年前の『秦の始皇帝』の軍団が、現代に習近平主席を中心に、よみがえったような感さえ印象ずけたのは、はたして著者だけの妄想であろうか?」
しかし中国の長い歴史において「覇道」を旨とした「法家思想」などは、秦の始皇帝の時代のように、ほんの一時代の悪なる産物でしかなかったのである。
中国の正統な思想は、「王道」を旨とする「儒教思想」であり、中国の人民は、道教や仏教に親和性を感じているのである。本来「儒教思想」の国である中国が覇道を旨とする「法家思想」を採用し、「悪○的なもの」を崇拝するようになったら、この国は終わりである。
したがって中国の人民は、心の中では悪なる「法家思想」を嫌っていて、やがて人間性のある善なる「儒教思想」や「道教思想」に戻っていくことを願っているのである。
香港を「50年間は、一国二制度を守る」と約束していたのを反故にしようとしたので、学生たちが「雨傘革命」を起こしたのであるが排除されてしまったことは記憶に新しい。またウィグル自治区でも政府に反対した者を容赦なく弾圧し公開処刑をしている。このように宗教や民族や言論集会の排除や禁止など、国内を統制する方向で、ますます独裁者として「恐怖政治」を行っているのである。
しかし「皇帝・習近平が、いかに『法家思想』の覇道の政治で国内を地方官僚や警察などによって統制させても金銭的欲望がはびこって貧富の格差が極度に広がった人民の内部の不満まで抑えきることができるであろうか?」おそらくできないであろう。
皇帝・習近平が、どのような強大な権力や軍事力を行使したところで、これまでの中国の歴史から学ぶべきことは、「どんな独裁者でも長く続いた試しがなく、『苛政は虎より怖し』で、『恐れられる政治は、また人民に恨まれる政治』でもあり、必ず反乱が起きて倒される」ことである。
にもかかわらず現代の皇帝・習近平主席は、帝国内の統治はもちろんのこと、もっとはっきり言えば「中華帝国による世界制覇を目論んでいる」のである。この「習近平主席の恐るべき野望」に、世界は対応しなくてはならないのである。
「はたして世界は、全体主義国家の恐怖と、その力によって支配されるのか?あるいは民主主義国家の自由なる精神と、その力が打ち勝つことができるか?なかんずく日本に、この中国の覇権戦略を迎え撃つ覚悟と気概があるであろうか?」ということが今、問われているのである。 完
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