かつて別ブログに掲載していた記事を再掲載する「アンコール・私の好きな旭川」。
今回は、2011年に4回シリーズで掲載した「ワタシの好きな旭川・常盤公園スペシャル」の2回目、「動物がいっぱい」です(白黒の写真はすべて旭川市中央図書館蔵)。
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<ワタシの好きな旭川・常盤公園スペシャル② 動物がいっぱい>(2011年8月15日掲載)
まずは、いつもとはちょっと趣向を変えて、「なぞなぞ」です。
「チドリ」に「カメ」、「ハクチョウ」に「シカ」、そして「タコ」!
この動物たち全部が〝隠れている〟旭川市のスポットといえば、どこでしょう?
ブログのタイトルを見れば、もうバレバレですよね。
答えは・・・そう、常磐公園!
公園内の主なスポットには、いずれも動物の名前がつけられているんです。
まず「チドリ」は、公園の象徴、「千鳥ヶ池」ですよね。
さらに「チドリ」はもう一羽、屯宮のある島が「千鳥ヶ島」です。
千鳥ヶ池
千鳥ヶ島の屯宮
さらに「千鳥ヶ島」のとなりにあるもう一つの島が「亀ヶ島」、そして細長い水路のようなもう一つの池が「白鳥の池」です。
ここまでは、旭川市民ならおなじみかもしれません。
亀ヶ島
白鳥の池(後ろの建物は道立美術館)
では「シカ」は?
「白鳥の池」の一番、美術館寄りのところに、小さな中島があるのを御存知でしょうか。
これ「鹿ヶ島」という名前があるんです!
ワタクシも最近までまったく知りませんでした。
最後の「タコ」は、その「鹿ヶ島」の近く、美術館脇の遊具が置いてある子供のためのスペースです。
正式名称ではありませんが、タコの形をした滑り台が置かれていることから、昔から「タコ公園」と呼ばれています。
鹿ヶ島(中央の中島)
タコ公園
このように動物の名前があちこちにつけられている常磐公園ですが、本物の動物というと、いまは池で見かけるカモとコイ程度でしょうか。
でもかつての常磐公園には、10種類以上もの動物が飼われていたことが、「なつかしの常磐公園プロジェクト」で明らかになっているんです。
ということで、枕話が少し長くなりましたが、きょうは「ワタシの好きな旭川・常盤公園スペシャル・その②」、「動物がいっぱい編」です。
◆動物がいっぱいその①・・・公園の中に動物園!?
まずはこちらの写真を。
昭和38年撮影
拡大すると
少し見にくいのですが、わかりますでしょうか。
「動物園」と書かれた看板が見えます。
私が子供だった頃、今も池のほとりにある売店、「大中(だいなか)さん」の店のとなりに動物園があったんです。
動物園といってもごくごく小規模なもの。
飼われていたのは、キツネ、タヌキ、ウサギなど。獣特有の強烈なにおいがしていたのを今も記憶しています。
先日、大中さんで話を伺ったところ、動物は先代の御主人が客寄せも兼ねて飼育していたそうです。
ワタクシが記憶していた以外にもリスやガチョウ、チャボ、七面鳥、さらにはワシやタカなど猛禽類などが飼われていました。
現在の大中さん
図で表すと(証言をもとに作成)
◆動物がいっぱいその②・・・サルと子供と、管理人さんと
続いては、こちらの写真。
何やら中にいるようですが・・・(昭和33年)
ミニ動物園があった大中さんの近く、千鳥ヶ池と白鳥の池の交点あたりにあったのが、「サルの檻」です。
(というか、この写真にサルは写っていません。
下の方にいて人の陰になっているのかもしれませんが、檻の場所や形から、「これがサルの檻だと思う」という証言が複数寄せられたことから掲載しました)。
証言によると、サルの檻で飼われていたのは2匹のニホンザルだったようです
(実は、ワタクシにはサルがいたという記憶がまったくありません。
絶対に見ているはずなのですが、どうしても頭に浮かびません。
人の記憶は不思議なものです)
また檻を棒でたたくなどしてサルをいじめる子供があとを絶たず、近くに住んでいた公園の管理人さん(檻の近くに専用の住宅があった)によく叱られていた、という証言も多くの方から寄せられました。
(ある方によると、いじめられるストレスで、サルは毛が抜けてボロボロだったとか)
なぜ公園で飼育されていたのか、冬はどうしていたのかなど、サルに関しては、まだ分からないことがいっぱいです。
「サルの檻」があった2つの池の交点付近(現在)
◆動物がいっぱいその③・・・まだまだいます
続いてはこちらの写真。
昭和43年撮影
同じく昭和43年撮影
亀ヶ島にあった「鳩の家」と、千鳥ヶ池にあった「魚の池」の写真です。
「鳩の家」については、「若いころ、担当にさせられ、よく餌をやりに行った」という元市職員の方の話を聴くことができました。
またここには、家で飼えなくなった鳩を持ちこむ市民もいたそうです。
「魚の池」については、ワタクシも記憶があります。
池には定期的に魚が放流され、かつては毎年8月に釣り大会が開かれていたそうです。
また鳩とおなじく、家で飼えなくなったペットの魚やカメを池に放す市民もいたそうです。
昭和40年5月撮影の常磐公園(左上の亀ヶ島に鳩の家があるのが見える)
ヘラブナの放流(昭和47年)
◆動物がいっぱい番外編・・・クマの親子はいずこへ
最後はこちら。
昭和33年撮影
今の噴水と同じ位置にあった「クマの親子の噴水」です。
ボートに乗ってこの噴水の水がかかるぎりぎりまで近付いた経験のある方、いるのではないでしょうか?
この写真を見せると、皆さん「ああ、あった、あった!なつかしい!」と、必ず声を上げるほどポピュラーな存在でした。
もう1枚(昭和35年)
このクマの親子。設置されたのは昭和28年5月で、制作には旭川を代表する画家の高橋北修(たかはし・ほくしゅう=このブログで以前ご紹介した画家の高橋三加子さんのお父さま)氏や、同じく陶芸家の坂東陶光(ばんどう・とうこう)氏が関わったという由緒あるものであることが分かりました。
そして噴水が池から撤去されたのが昭和61年。
関係者に調べていただいたところ、その後、神楽岡公園などに保管されていましたが、5年ほど前に処分されたということです(前回紹介した獅子頭のように、実物を見ることができるかもと期待していただけに残念です)。
またこの熊の親子の噴水は写真によって白く見える時と、黒っぽい時と2つあります。
最初の色はどうだったのか、途中で色を塗り替えたのかなど、これも興味がわきます。
撤去間際の熊噴水(色が白い!・昭和61年)
熊の親子の噴水と同じ位置にある現在の噴水
証言から再現した昭和40年代の常磐公園(この稿で出てきた施設を中心に)
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さまざまな動物たちが〝暮らしていた〟かつての常磐公園。
小学生のころのワタクシは、本当にひんぱんに訪れていたのですが、こうしたバラエティ豊かな動物たちの存在も、お気に入りの要素になっていたのかもしれません。
「ワタシの好きな旭川・常盤公園スペシャル」、次回は、公園にあったスポーツや文化関係の施設やスポットについて紹介したいと思います。