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ポール・ロジャース・ネタで引っ張る!フリー、バッドカンパニーのアルバム・レビュー(2)

2005年11月11日 | CD・書籍紹介(FREE)
個人的に、フリーの魅力が最も詰った名ライヴ盤だと思うのが「FREE LIVE!」。

現在は、ボーナストラック7曲を加え、1470円の廉価盤“Super Live 1470”として発売中。
私は紙ジャケで買いましたが。とりあえず。

以下、収録曲。
【フリー・ライヴ(FREE LIVE!)+7】UICY-2399 \1748(税抜)
オリジナル:1971年作品)

1.オール・ライト・ナウ
2.アイム・ア・ムーヴァー
3.ビー・マイ・フレンド
4.ファイアー・アンド・ウォーター
5.ライド・オン・ポニー
6.ミスター・ビッグ
7.ザ・ハンター
8.ゲット・ホエア・アイ・ビロング
~ボーナス・トラック~
9.ウーマン(ライヴ)
10.ウォーク・イン・マイ・シャドウ(ライヴ)
11.ムーンシャイン(ライヴ)
12.トラブル・オン・ダブル・タイム(ライヴ)
13.ミスター・ビッグ(ライヴ)
14.オール・ライト・ナウ(ライヴ)
15.ゲット・ホエア・アイ・ビロング(オルタナティヴ・テイク)



――紹介文によっては「じっくりと熱くレイドバックした演奏を聴かせる」なんて書いてあるが。
73年のバドカンの来日公演の感想で「レイドバック!」なんて言ってる人も居たが。

「レイドバック」ってのは、アメリカ南部的なダラダラ感を言うのでは無いのですか?

バドカンのは勿論、テンポは落しているが、むしろフリーのライヴには凄い緊張感がありますぞ!!!

簡単なMCの後、メンバーが現れた時の歓声。
ベースやドラムの音出し、「ハロウ!」と声掛ける若きロジャースの甲高くツヤのあるダミ声。

おなじみの「オールライト・ナウ」リフでの盛りあがり、いきなり最高潮!
ここではテンポも上げて、ノリ良く演奏。
2曲目の「アイム・ア・ムーヴァー」は、グッとミディアム・テンポ。
3曲目の「ビー・マイ・フレンド」ではバラードの名唱が聴け(もちろんコゾフが爪弾くギターソロも絶品!)。
4曲目の「ファイアー・アンド・ウォーター」は、まさに“名演!”“名唱!”と呼べるヘヴィさ、ディープさで。

ワタシャ「全ての楽曲で何が最高に好きか?」と訪ねられたら、この曲を挙げるでしょうな・・・って位に凄い曲、凄い演奏だと思います。

いまでも出だしを飾るコゾフの「獅子の雄叫びのような」ギター・サウンドで鳥肌が立つんですよねぇ・・・。

5曲目も得意のミディアム・ナンバー「ライド・オン・ポニー」。
ベースのウネリが素晴らしい。

6曲目は、後半アンディ・フレイザー(ある意味天才!)のベース・ソロで盛りあがる「ミスター・ビッグ」。リフも最高です。

7曲目はブルース・カヴァーの「ザ・ハンター」。
ただし、初期はオープニングで演奏していた曲だから、シャッフル風のテンポで盛り上げる演奏陣。
歌い出しは、ツェッペリンも「ハウメニィ・モアタイムス」の終盤で使ってたが。
R・プラントとロジャースの歌唱を聞き較べるのも一興か?(ワタシャ文句なくロジャース先生に一票!!)

8曲目「ゲット・ホエア・アイ・ビロング」は、前曲の歓声(女の子の嬌声とかも聞えるのな!フレイザーとか男前でオシャレだったからモテてたろうな!)に被さるように始まるスタジオ曲。
当時は「ライヴ曲に唐突に表れる違和感ありの曲」と言われたが。
すでに同ライヴ盤が発表された時には、フリーは解散していたワケで(後に「アット・ラースト」「ハートブレイカー」で再編)。
そういった面では「無きバンドを偲ぶ」って雰囲気あって。
私は、このエンディングは嫌いでは無かった。

――で。当時は、そんな声と共に「2枚組にして欲しかった」とも言われたワケだが。
演奏の充実ぶりからすれば、他の代表曲「スティーラー」「ソング・オブ・イエスタディ(2ndアルバムのボーナストラックで最高な演奏あり)」「アイル・ビー・クリーピン」なども聴きたかったトコロ。

来日公演で「クロスロード演った」なんて聴いて、堪らん気持ちになった事が懐かしい。その後、コゾフのキャリアをまとめた編集盤「ブルーソウル」で、同曲をライヴ演奏するフリーを聴いて、感動・感動・また感動したのも懐かしい・・・。

――で。ボーナストラックです。
「ウーマン」はBBS(英国国営ラジオ)のライヴ音源から。
迫力はスタジオ盤の3倍増し?

そして、1stアルバムで“その後のフリーを暗示した”とも言える「ウォーク・イン・マイ・シャドウ」。
これはスタジオ・ヴァージョンよりグッとテンポを落としてウネリ・後ノリ面の“進化”を呈示しております。
この辺は、BOXセットや「ブルーソウル」に収録された物で、むしろ音質は「ライヴ!」より良かったりする。

11曲目「ムーンシャイン」これまた1stアルバムの曲をライヴ演奏。
ジックリ始まって、後半のシャウトで最高潮に達し。元曲の良さを再確認・・・。

12曲目が「トラブル・オン・ダブル・タイム」。
2ndの曲を荒々しくライヴ演奏。オープニングのバスドラから気合いが入ってます、サイモン・カーク先生!1音1音のアタックを決死の覚悟で叩くドラマー、サイモン!ドラムは手数だけではありませんぞ!(←オマエ、前に逆のコト言ってなかったか?)これまた最後はロジャースのシャウトでエンディング。

この頃の「後先かんがえない」ロジャース先生のヴォーカル、最高です・・・(涙)。

13曲目「ミスター・ビッグ」。これまた別のライヴ・ヴァージョン。
個人的にはワイト島の演奏か、「アット・ラースト」発表時の全米ツアーの演奏が白媚と考えてる同曲ですが、この演奏も素晴らしい!!
フレイザーの「ファズ・ベース全弦鳴らし」に感涙!!



14曲目が、これまた「オール・ライト・ナウ」。
本編「LIVE!」での「ギタ・シールド接触不良(?)での音途切れをフォローするロジャースの掛け声&フレイザーの唸るベース」もライヴの1発勝負感が出てて素晴らしいが。
原曲アレンジを、そう崩さずに迫力3割増しで演奏する、こっちのヴァージョンもグレイト!!
音もイイしね!

15曲目「ゲット・ホエア・アイ・ビロング(オルタナティヴ・テイク)」。
・・・・やられた。
これまた、前曲「オールライト・ナウ」のエンディング歓声に被って始まりましたよ、この曲が。
泣かせてくれます。
これによって、「ボーナス・トラック」の“とって付け感”が最後で かなり解消され、妙な統一感さえ感じさせてくれております。

さすが、トラフィックやスプーキー・トゥースを擁したアイランドレーベル。
やってくれます。
もうね、愛聴盤はなはだしいですよ。
個人的には、フリーってのは「The Whoと並んで“ライヴの迫力をスタジオ盤で再現できないバンド”(あと、ジェイムズ・ギャング等もか?)」と思うのですよね。

スタジオ盤、勢いで作った1st除けばダルダル感が漂い過ぎだし。音スカスカだし(“抜きの美学”あったとは言え)。

このアルバムなかったらフリーの評価は違っていたかも知れない(まぁ、D・パープルだって「メイド・イン・ジャパン」が無かったら評価違ったろうし)。

・・・そんなコトを考えてしまう充実したライヴ盤なのでありました。

音が篭ってる?そんなのロックのライヴ盤に何の関係があるってんだ!(The Whoのライヴなんて音悪い方が迫力あってイイぞ!)個人的にはイチ押しのアルバムです。

――以下、つづく


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