あるBOX(改)

ボクシング、70年代ロック、ヲタ系、日々の出来事などをウダウダと・・・

書籍「浪速のロッキーを<捨てた>男」(4)

2015年06月05日 | ボクシング
津田会長が赤井に次ぐ看板選手に育てようとしたのは
世界のチャンスが赤いの階級より現実的な軽量級選手・
杉本光一だったが

早い時期で世界ランカー仙台モンティエルと対戦するも
KO負け、日本タイトルを獲得するも東京での防衛戦で
陥落・・・。

特にJバンタム王座を失った試合では相手をKO寸前まで
追い込みながらの判定負け。

※伊良皆も谷津弘之との試合でも
 勝敗は、ともかく採点は伊良皆に気の毒なモノだった記憶が。

 序盤ダウンを奪われまくったものの終盤は脅威的に追い上げ、
 私などは谷津を応援する為に生観戦したのにかかわらず、
 「終盤は10-8で伊良皆のラウンドもあったか?谷津の勝ちと
 しても判定は接戦だろうな」と思う程だったが、採点は
 一方的。
 あの粘りとアッパーカットは何だったんだろうと虚しい
 思いにかられた・・・。

津田会長が「自らの帝国を設立する事」を決意した動機も
分からなくもない。



そして、同年代で成功したファイティング原田などへの
コンプレックス。

これは本書で触れられてはいるが、
井岡に最年少王者の記録を塗り替えさせたり、三階級制覇の
挑戦試合を執拗に組んだり・・・の行動には、もっとドス黒い
執念がこもっているように感じたものだ。

※もちろん、私の個人的印象ですけどね・・・。



可能であれば続編を期待したいし。
その時は
「ファンに嫌われた部分」「その闇」を描いて欲しい。

そう思った労作でありました。