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A&K の NOTES

陽はまたのぼり、陽はまたしずむ。あちこち歩き回りながら、スケッチを楽しんでいます。

「世界の名画」謎解きガイド

2018-04-10 | 

★「世界の名画」謎解きガイド
著者:日本博学倶楽部
出版社: PHP研究所

名画と言われる作品には、何故か謎が多い。
謎が謎をよび、名画としての関心を喚起しつづける。

最新のかなり確信ある情報です。
中には、「えっ?」と、自分の脳内をひっくり返すものもあります。

「へぇ、そういうことだったんか」と
謎解きに妙に納得安心するものもあります。

寝る前の、やすらぎのひと時、
ページをめくるには最適です。

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京都とっておきの道を歩く

2018-03-08 | 

本を読んだ。

★京都とっておきの道を歩く
著者:井上明久
絵や地図:藪野健
出版社:メタモル出版

この本で紹介されている道はよく知っている。
時々、探索気分で歩く。
タイムスリップ感に目眩がする。

京都本の挿絵は、まったりとした絵が多いが、
この本の藪野さんの絵は、線が鋭く、色彩の鮮度が高く、観ていて気持ちがいい。
このスケッチを手元でゆっくりみたく本を購入。
画家のスケッチである。

文章はね、別にどうでもいいんです。
作者も言っているが、観光案内本ではない。
でも、
もう少し丁寧な説明があってもいいと思うのだが、、、。

作者にその気がないので、ただただ漠然とした内容ではあるが、
京都の街は歩くのが一番いい。



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京都を古地図で歩く本

2018-03-06 | 

本を読んだ。

★京都を古地図で歩く本(文庫本)
著者:ロム・インターナショナル(編)
出版社: 河出書房新社

ただいま京都の本屋さんで大人気本です。
小ネタがいっぱい詰まった京都散策本。
ちょっとハナタカうんちくを語るにはちょうどいい。

学術的センスが漂っていたらもっといいのですが。
ガイドブック的文章が惜しいと思いました。

 

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祈りの幕が下りる時

2018-03-05 | 

 

★祈りの幕が下りる時(講談社文庫)
著者:東野圭吾
出版社: 講談社


加賀は体格がよく、精悍な顔つきをした人物だった。
三十歳前後だろうか。彫りが深く目つきが鋭い。
いかにも正義感が強そうな印象を受けた。
差し出された名刺には、
警視庁捜査一課という職場名が記されていた。
(本文より)


映画《麒麟の翼》での阿部寛そのものである。
阿部寛の姿が頭から離れず、本を読んだ。


登場人物の視点がそれぞれに重なりあい、
《過去の記憶》が濃密に炙りだされる。
《人の想い》が重なることで
《物語の時間》が生まれることを改めて認識。
ねっちりした人情物を読んでいる感覚。
浪花節みたいな。
東野圭吾はやっぱり大阪人やなぁ。


とくに東野ファンというわけではないが
《東野圭吾恐るべし》と再び納得した一作。


ちなみに、
いままで読んだ東野作品の中では、
『容疑者Xの献身』が深く身震いする。 

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京都、オトナの修学旅行

2018-03-05 | 

 

 

 

本を読んだ。

★京都、オトナの修学旅行(ちくま文庫)
著者:山下裕二×赤瀬川原平
出版社: 筑摩書房

「日本美術応援団」の続編です。
学生服のコスプレで、《オトナの修学旅行》という企画は面白い。
ですが、表紙を観た時、学生服というより、昔の海軍軍服のようにみえました。

修学旅行ということで、京都の名所を漫談調で紹介してくれます。
オトナというより言葉に期待しましたが、
内容がちょっと中高校生級のところが残念。


京都を《火事の都》と評したところが、やるっ!

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舟を編む

2018-02-17 | 

本を読んだ。

★舟を編む
著者:三浦しおん
出版社:光文社

先日、行きつけの本屋さんでたまたまこの本が眼に留まり、
《辞書作りの話が、何で舟を編む?》と頭の中に?マーク。
というわけで、単行本ですが、軽そうでしたので、購入。

三浦しおんさんの本を読むのは初めてでした。
そもそもがただいま人気絶頂の女性作家であることさえも知らなかったのですから。
《まほろ駅前多田便利軒》で第135回直木賞受賞(2006年上半期)。
自分の視界はこんなにも狭いのか。

女性らしい細やかな描写での辞書作りの物語は
《なるほど、なるほど》と興味深いことばかり。
紙質にまで拘るウンチク話はとても新鮮でした。

《西行》についての項目は、痺れました。
《なるほど、なるほど》

DVDをレンタルしてきましょう。

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凡人として生きるということ

2018-02-10 | 

本を読んだ

★凡人として生きるということ
著者: 押井 守
出版社: 幻冬舎

「凡人として生きるということ」ー押井 守さんー幻冬社新書

押井さんという人は「とてもナイーブ」というイメージを持っていた。インタビューなどのメッセージを読んでいてもそんな印象を与えてくれる。ところが、この本を読むと、「なんだぁ、なかなか大変な老獪オジンだぁ」とイメージ変化が起きてしまった。嘘でもいいからもう少し繊細でくすぐるような内容の文章を期待していたのに。

「自由自在なオヤジたちの生き方」の文章の中で、宮崎駿さんとの違いについて面白いことを述べている。

オヤジは大人なので、本音と建前に準じて生きていこうとする人もいる。それはそれで本人の自由である。問題は、建前に準じた生き方をしていたとしても、自分のやっていることの正体がわかっているか、ということだ。 、、、、、。

これは映画製作者としての、宮崎駿監督と僕の違いでもある。宮さんは青春を賛歌する作品を作り、僕は青春の苦味を描こうとしている.宮さんの映画に出てくる少年少女はどれも健全で、まっすぐで、若者にこうあってほしいという彼の思想があらわれている。僕の映画には、彼の作品に出てくるような若者は登場しない。
 宮さんと僕の間に違いがあるとすれば、若者の姿に限って言えば、宮さんは建前に準じた映画を作り、僕は本質に準じて映画を作ろうとしているという、映画監督の姿勢の差異だけだ。宮さんだって、事の本質はみえているはずで、あえて本質を語っていないだけだ。オヤジというものはそういう生き方もできるのである。

「これって、やっぱり老獪オジンの論法だな」
どちらもオヤジだろう?
この本には映画の話はよく出てくる。
いろんなことが書かれているので、なるほどそういうことかと思う事はあるが、
問題は読後の爽快感を感じなかったことである。
むしろ微妙な屈折感にも似たものを感じてしまった。

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クレィドゥ・ザ・スカイ

2018-02-08 | 

本を読んだ。

★クレィドゥ・ザ・スカイ
著者:森 博嗣
出版社: 中央公論新社

一人称の「僕」で語られる物語だが、
この「クレィドゥ・ザ・スカイ」では
、誰が語り部なのか、はっきりしない。
「フラッタ・リンツ・ライフ」の結末からすれば、「クリタ」のようだが、
登場人物の関係からすれば「クサナギ」とも思える。
最後の部分で新聞記者に「カンナミ」と呼ばせる事により、
この物語の不思議な連続性を暗示し、
想いは1冊目の「スカイ・クロラ」に戻る。
降りる事の出来ない心地よい回転木馬。

ここまで読み続けて、ようやくスッキリ感が出てきた。
抽象的な言葉で端的にいうと、
「日本的叙情感溢れる詩的な物語」である。
「無常をテーマに生と死を描いた物語」である。

空にいるような浮遊感と澄み切った空気に浸ろう。
哀しいくらい美しい物語のリズムに酔いしれよう。
ただそれだけ。

 

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フラッタ・リンツ・ライフ

2018-02-08 | 

本を読んだ。

★フラッタ・リンツ・ライフ
著者:森 博嗣
出版社: 中央公論新社

「スカイ・クロラ」シリーズ4冊目。
一人称で語られる「僕の視点」は、「スカイ・クロラ」ではカンナミ。
「ナ・バ・テア」、「ダウン・ツ・ヘヴン」はクサナギ。
そして、この「フラッタ・リンツ・ライフ」ではクリタ。

この物語の主人公たちは、薬害によって生じた、十代の子どものまま成長することがない「キルドレ」である。老いることなく時間を過ごすことになる彼らの視点は、余計なものが刻々とそぎ落とされ、澄んだ青空のごとくよりピュアーな世界に注がれる。生きることにとても誠実であり、時に詩的で、時に祈りにも似た視点である。

我々が「それこそ人生」というべき「この世のしがらみ」は、彼らにとっては未来への展望をまったく開くことのできないくだらない世界。より高く、より遠く、そしてより長く空を飛びながら、敵と戦うことによってのみ刹那的な生のビートを刻む。そして空を飛ぶ度により軽くより純度を増してゆく。個体として死に近づいていくようだ。

作者である森さんは、生きることを描きたいのか、それとも死を描きたいのか。

 

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ダウン・ツ・ヘヴン

2018-02-06 | 

本を読んだ。

★ダウン・ツ・ヘヴン
著者:森博嗣
出版社: 中央公論新社

子どもはみんな、空を飛ぶ夢を見るのだ。

コクピットでは、思考が影を潜め、感性と肉体的反射により瞬間的に動作が繰り返される。
性の官能の程近いような状態となる。
パイロットと飛行機はまさに、一体化していく。
命を掲げて自由を堪能する、究極の世界がそこにはある。
(解説:エアーショーパイロット室谷義秀)

この浮遊感がたまらなく魅力である。
より軽く軽やかに飛ぶ。
たばこの煙のように。
(僕はタバコは吸わないが)

 

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ナ・バ・テア

2018-02-05 | 

本を読んだ

★ナ・バ・テア
著者:森 博嗣
出版社: 中央公論新社

前作のイメージを引きずりながら本を読み始める。
「スカイ・クロラ」はバージン作らしいぎこちない固さが物語のテーマ「生きること」と絶妙なバランスを保ち、「抽象的な崇高性」を表現していた。そういう意味ではすばらしい作品だと思う。想像も出来なかったキャラクターを登場させ、読んだこともないようなストーリィで、とても魅力的だった。

2作目にあたる「ナ・バ・テア」は主人公をそのまま登場させ、「生き続けること」へのさらなる問いかけをしている。作家は状況説明をすることに集中し、さらに物語性を強めた。そしてストレートにメッセージを伝えるようにした。が、あのすばらしい詩的な抽象性が薄れたようにも感じる。

草薙水素は「女」だったのだ。物語は意外な方向に進んだ。作者である森さんは初めから物語が出来ていたのだろうか。それが不思議。ありえない未来SFなのに、ひとつひとつの具体物は現実的、というより、むしろノスタルジーさえ感じる。その絶妙なアンバランスがいい。

本を読みながら、「あっ、これは騙されている」と感じるが、読み続けなければ辿り着けない何かがあるとも思わせる。興味が尽きない。そこでWikipediaで調べてみると、この連作は時系列が発行順とは違うらしい。やれやれ。手の込んだ仕掛けである。騙され上手に読んでいこう。

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スカイ・クロラ

2018-02-04 | 

本を読んだ。

★スカイ・クロラ
著者:森 博嗣
出版社:中央公論新社

森 博嗣さんの「スカイ・クロラ」を読む。

僕は戦闘機のパイロット。
飛行機に乗るのが日常、人を殺すのが仕事。
二人の人間を殺した手でボウリングもすれば、ハンバーガも食べる。
戦争がショーとして成立する世界に生み出された
大人にならない子供—戦争を仕事に永遠を生きる子供たちの寓話。
(「Book」データベースより)

一気に読んだ。
一人称で語られ、彼の視点で物語が展開するので、最後まで読まないと、状況設定が解らない。
最後になってはじめて「キルドレ」が語られ、自分自身の正体を明かす。
たばこの煙、青い澄んだ空、白い雲、墜落する煙。
激しい戦闘シーンなのにとても静か。
死と隣り合わせの生。

文章の隅々まで神経が行き届き、
散文詩を呼んでいるような感覚だった。

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京都の平熱――哲学者の都市案内

2018-01-15 | 

本を読んだ。

★京都の平熱――哲学者の都市案内(講談社学術文庫)
著者:鷲田清一
出版社:講談社

鷲田さんは京都生まれの、京大卒業の、そして哲学者。
これだけで、彼はどういう人か、大体は想像できるでしょう。
初めて、鷲田さんの文章を読みましたが、予想通りでした。
京都人らしく、ちょっと斜め視線も取り入れ、
青春の想い出を語りながら、リアルな京都案内です。

ほとんど全てにおいてオカシイくらい納得でした。
京都人はほとんど同じ空間に生きているんですね。
そこが一番オカシイところです。
京都は息苦いくらいほんとに狭い。

時々ですが、

その狭さが程よく心地よく感じることもあります。

 

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台湾とは何か

2018-01-14 | 

本を読んだ。

★台湾とは何か
著者:野嶋 剛
出版社: 筑摩書房

僕が台湾について知っていたことは、
下関条約によって日本統治が始まった。
戦後、国民党が台湾に逃げ込み、
台湾=中華民国となった。
というくらいだけだった。
情けないことだがずっとそんな認識しかなかった。

僕が台湾への関心を強くしたのは、
映画《悲情城市》を観たことからはじまる。
以後、数本台湾映画を観た。
実際に台湾へ行ってみたく、普通の2泊3日の観光旅行に出かけた。
そして、念願の、映画の舞台となった九份へ行った。
基隆山を眺め、遠くに海を眺めた時、
もっともっと台湾のことを知りたいと思った。

以後、数本台湾映画を観た。
そして、2度めの台湾旅行をした。
少し勝手がわかっているので、あちこちぶらぶらした。
夜の台北もぶらぶらした。

すっかり台湾好きになってしまった。
また数本台湾映画を観た。

あの迷作バス旅の台湾編も見た。

またあの《麗しの島》へ行きたくなった。
できれば、南の方へ行ってみたい。



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人はなぜ〈上京〉するのか

2018-01-09 | 

本を読んだ。

★人はなぜ〈上京〉するのか
著者:難波 功士
出版社: 日本経済新聞出版社


赤い帯の言葉は、
「東京は本当に幸せな選択肢?」
かってはヒエラルキーを上がるには、東京へ行くしかなかった。
では、いまは?

《姿三四郎》の上京青雲編から、現在の上京定住の頓挫編へと、近代現代の《上京史》から日本文化の足跡を辿るもの。小説家、画家、ミュジシャン、果ては自称文化人、ギョウカイんジンなど、地方から《花の東京》への進出もんの夢が、それぞれ時代背景を説明しながら語られています。サブカルチャー的要素溢れる読み物。

東京については殆ど知らなので、面白い指摘があって、なるほどね、と思う所もちらほら。僕の大好きな国木田独歩の書いた《武蔵野》は今でいうなら新宿辺りらしい。その後、この東京西地域は西日本上京組の定住地域として開発が進み、爆発的な人口増地域となる。そして《新宿や渋谷辺り》は《西日本出身者の東京憧れ組もしくは一旗上げたい組》の拠点となるという。それに対して、東日本出身者が上京したらまず足を踏み出す《上野》、そして人々が集う《浅草》が語られている。そのくだり興味深く《なるほど》である。

今後も《東京の肥大化》は進むんだろうが、それとともに《地方の散々たる姿》を心配する。地方に分散されたものは、ショッピングモールと原子力発電所の悪夢。そして地方には公務員しか仕事が無い、コンビニしか店がない、パチンコかスロットしかレジャーがない、、、という悪夢。これは将来の暗い話である。最後は少々嘆き節で終わっている。

せめて《東京のバックアプ都市計画を》と首都機能の関西移転を訴えるところは、関西知識人特有のちょっと斜めの余裕ある目線を感じ、京都を選択し此処に住み《上京者》ではなかった者としては、妙に共感しうるところでした。

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