有田芳生の『酔醒漫録』

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松井秀喜の胸板の厚さに驚く

2007-01-25 08:34:57 | 人物

 1月24日(水)都内某所で松井秀喜さんと会った。アメリカに戻る松井さんを草野仁さんが招いて食事をする場にお誘いいただいたのだった。カウンターだけの上海料理店で参加者は総勢10人。第一印象は大きい人。話をしていて噂どおり人格者だなと思った。松井さんのことを意識したのは作家の森まゆみさんの経験を聞いたときのことだった。まだジャイアンツで活躍していたときのこと。神楽坂にある店の二階で森さんたちは飲んでいた。そこへ試合を終えた松井さんがひとりでやってきた。隣の座敷との間には仕切りがある。そこで松井さんが「テレビをつけてもよろしいでしょうか」と聞いてきたというのだ。その態度に接したことで森さんたちは松井ファンになったという。その店にはいまでも松井選手のユニフォームなどが展示されている。それが都はるみさんたちと昨年飲みに行った「モー吉」だった。銀座の路地にある小さな割烹も松井さんとの接点だ。店主夫妻は毎年一回ニューヨークに出向き、松井さんのために料理を作っている。多くの人たちが松井さんのためならと思うことには理由があることを実感した。威圧感などをまったく感じさせない柔和な大人(たいじん)なのだ。5時間ほどご一緒しても「あれっ」と思わせるような言動が微塵もない。子供のファンにもマスコミにも分け隔てなく丁寧に対応することができる人格がすごい。健康管理のことなどを聞いて印象的だったことは、やはり睡眠を7時間は取るということ。手の甲を見ればツヤツヤとしている。新陳代謝がいいのだろう。そう伝えると「身体を動かしていますから、そうだと思います」と言っていた。

070124_23480001  そこでニューヨーク・ヤンキース広報担当の広岡勲さんがこう言った。「女性的な手でしょ。プロ野球選手では珍しいですよ」。松井さんはテレビでも語ったことだが、どんなに素晴らしいプレイをしても、決してパフォーマンスはしないという。「どうしてですか」と聞くと、意外な答えがあった。「相手チームの人たちのことを考えればできないですね」と言うのだ。ホームランを打ったり、ファインプレイをすれば、自然に派手な行動をしたくなることがあるだろう。そんな瞬間にも相手の存在が抑制となる。すごいことだなと思う。パフォーマンスはしないという松井哲学は自然に身に付いている。身体だけではなく精神にまで達する徹底した自己管理の結果なのだろう。2月20日には新潮新書が出るという。いまから楽しみだ。松井さんからは都知事選挙のことなどを聞かれた。美味しい料理を堪能して最後にサインをしてもらう。ヨーコ?ゼッターランドさんに携帯電話を渡して記念写真をお願いする。ヨーコさんが困っているのでどうしたのかと思えば、松井さんと並んで立つと身長の違いで画面に入らないことがわかった。そこで松井さんがしゃがんでくれた。胸板の厚さを見て、これがまさに「巨人」の身体なのだなと感激。超一流の人物には年齢に関係なく滲み出る人格と風格があることを知った一夜であった。