『パパ、だ~いスキ』と言われたパパの映画日記

こどもが二人とも小学生になったけど、「パパだ~いスキ!」と言われてる間は、タイトルを変えませんが。

「イースタン・プロミス」 t.A.T.u.

2008年07月02日 | 映画
変態SFX映画でハードコアでバイオレントなデビッド・クローネンバーグの映画やのに、妙齢の女性一人客が多いなぁ~と思ったけど納得!
しかも隣席をなるべく等間隔に空けて座ってた理由にも納得!
生ツバを飲み込む音を聞かれたくないのね!(←そこまで考えてないよ!)
ヴィゴ・モーテンセンの全裸ファイトは、『オースティン・パワーズ』の見えそで見えないギャグとは対極にあるシ-ンやけど、「今見えた?」と必死になって探そうとするんは同じ。
アクションより別のとこに目がいってしまうわ~。
しかも、このシーン、結構重要やん。
基本的な話は、今までのクローネンバーグ同様、秘密結社的なコミューンと繋がりを持ってしまい、ハードコアな世界を披露するというやつやけど、そのきっかけが、関西地区にお住まいの方は「探偵ナイトスクープ」に依頼するような内容の“ちょっとした親切心”というもんで、ちょっとコーエン兄弟っぽい。
決して“お笑い”方向に行くことはないけどね~。
で、さっきの“全裸ファイト”後の展開は、近年ハリウッド流行のストーリーラインで、そんなんに無関心独自の道を歩んでたクローネンバーグからは想像つかなかっただけに、かなり驚いたわ。
この転換は大賛成!
『ヒストリー・オブ・バイオレンス』から、いやヴィゴ・モーテンセンと出会ってからスタイルが若干変わってきたんかなぁ~。
コーエン兄弟がアカデミー賞を取った今、近い将来クローネンバーグにもその栄冠が輝くんでは?
そう思わせるに十分な内容やった。
他にも、アーミン・ミューラー=スタールは、初めて見たんが『ミュージックボックス』やったから、この爺さん一筋縄ではいかん爺さんやで~と思いつつ、その懐に入ってくる術は絶品。
ゲイも匂わすバカ息子、ヴァンサン・カッセルも厭味たっぷりで良い。
ナオミ・ワッツ(脱がない!)は、モロにクローネンバーグ好みの顔。
クローネンバーグと組んだ時のハワード・ショアの音楽は相変わらず冴えまくっとった。
好きなタイプの映画です。


★★★1/2