The Percy Jackson and the Olympians, Book One: Lightning Thief | |
情報 作者:Rick Riordan ジャンル:冒険ファンタジー 種類:ペーパーバック、児童書 YL:5.7 ページ数:375ページ 語数:87133語 お気に入り度:☆☆☆☆ |
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Disney-Hyperion |
ストーリー
度々トラブルをおこすため学校を転々としていたPercy Jackson12歳。今の学校も今後問題をおこしたら追い出されそうな雰囲気。
ある日、学校でメトロポリタン美術館に見学に。意地悪な女子を突き飛ばしたと引率のMrs.Doddsから大目玉を食らうかと思いきや、突然先生は翼をもった怪物に変身。Percyに襲いかかって来たのだ。もう一人の引率の先生Mr.Brunnerの助けで撃退、Mrs.Doddsは姿を消した。ところが助けてくれたはずのMr.Brunnerも他の生徒もMrs. Doddsなんていう先生はもともと存在しないという。何が起こったのか?しかし、親友のGroverは嘘が下手、何か知っているとPercyは感じていた。
こんな感じでその後もトラブルを起こし続けとうとう退学。
家に帰り、やさしい母親と久々に二人で海岸にあるコテージへ。が、深夜にあわてた様子でやってきた親友のGroverは下半身がヤギ!ただならぬ様子の母親とGroverがPercyを連れてどこかへ向かう。ここでも途中Minotaurと思われる怪物にに襲われる。Percyに危険が迫っているのは間違いなかった。命からがらたどりついた所はCamp Half Blood。実はギリシャ神話の神々は実在していて、Percyは人間と神のハーフだというのだ。Camp Half BloodはPercyのようなハーフの子供たちが集まる訓練所だった。
感想
久々に自分用の本です。
最初のほうは何が待ち受けているのだろうという好奇心で結構さくさく読めたのですが、ギリシャ神話の登場人物など何の知識もないので後半はいまいち。ギリシャ神話について知っていたら、ああ、あれのことね、とピーンとくるかと思うのですが、誰?何?という感じでおそらく面白さ半減したと思います。イメージがわかず混乱。
Percyがトラブルばかり起こすのはギリシャ神話の神とのハーフだからで、神とのハーフであるということは何やら死ぬほど恐ろしい目にあう運命にあるらしい。
ギリシャ神話の神々は今やニューヨーカー。すこぶるラフな格好をしていたり、巨大なハーレーに乗ってやってくるギリシャ神話の神って想像できる?エンパイアステートビルの600階(実際にはないけど)に住んでいるというし、冥界の入り口もアメリカの某所に。私は現実からかけ離れた話のほうが好きだけど、これはこれで分かりやすく親しみやすい設定。後半の冒険もアメリカ横断の旅。期限付きで目的を達成させなければならず、さんざん怪物に襲われます。ドキドキ!
その期限というのがthe summer solstice。度々出てくるこの言葉、確かどこかで聞いたことがあるのだけど、どうしても思い出せない。しょっちゅうお目にかかる単語じゃないけど、どこかで見たような・・・何だったかな~と悩んで悩んで3分の1くらい読んだところで急に思い出した!これだ!→Summer of the Sea Serpent(MTH#31)
Number the Stars (A Yearling book) 情報 作者:Lois Lowry ジャンル:歴史 種類:ペーパーバック、児童書 YL:5.0 ページ数:132ページ 語数:26108語 お気に入り度:☆☆☆☆☆ |
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Yearling |
ストーリー
1943年 ナチス占領下のデンマーク、コペンハーゲン。
10歳のAnnemarie Johansenは妹のKirstiと親友のEllen Rosenと学校帰り、思いっきり通りを走っていた。走る練習だ。しかし、通りの角に立っているドイツ軍の兵士に急に呼び止められた。コペンハーゲンではもう何年も通りの角々に兵士が立っていた。子供でも目立った行動をとれば呼び止められ、質問される。最近ではコーヒーやバター、砂糖などの食料品も不足するようになってきた。
9月のある日、Annemarieはあるユダヤ人の一家がいなくなっているのに気がついた。ドアにはドイツ語で何か書いてある。他の国で行われていることが、いよいよデンマークでも始まろうとしていた。ドイツ軍はユダヤ人をどこかへ連れて行こうとしているのだ。
親友のEllenもユダヤ人だった。Annemarieの両親はEllenをかくまうことにした。しかしドイツ軍はAnnemarieの家にもやってきた。いなくなったRosen一家を探しているのだ。
翌日、母親に連れられKirsti、Ellenとともに漁師をしているおじのHenrikの家へ行くことになったAnnemarie。おじさんの家は海辺にあり、海の向こうに自由の国スウェーデンが見える。そこで何か計画があることに気がついたAnnemarie。
Ellenたちを助けられるのだろうか?
感想
絶えず緊張感が漂っています。Annemarieは子供だからあまり多くを知らされないんです。それが余計に何かがあるのだ、起こるのだ、ということをざわざわと予感させます。後半はスリリングで手に汗握ります。
ラスト、戦争は終わります。でも児童書だからといって安易なハッピーエンドにつなげているわけではありません。この話には、もう一つのストーリーが描かれています。最後に涙なくして読めないのはその話が明らかになるからです。Annemarieの両親らも友人を助けてあげたいという思いもあったと思いますが、尊い意志を引き継ぎたいという気持ちもかなりあったのではと思いました。単に戦争ってひどいわね、ということではなく、隣人や友人を助けるために命をかけたデンマークの人々の勇気と温かい心が描かれている感動的な話です。
一番最後の作者のあとがきはぜひ読んでいただきたいです。ここを読めばこの話が単なる作り話ではないということが分かります。多くの事が歴史や事実に基づいて書かれています。作者がなぜこの話を書こうと思ったのかという話もあります。これは作者が考え出したことだろうと思っていたものが、意外と事実なのです。
ニューベリー賞受賞納得の、老若男女に幅広く読んでもらいたい本ですね。
心に残る表現
"Well" Annemarie said slowly, "now I think that all of Denmark must be bodyguard for the Jews, as well."
as wellと言っているのは、Annemarieが父親から聞いたあるエピソードを受けているからです。
ナチス支配下でも護衛をつけずに毎朝一人で馬に乗って街に出、市民にあいさつして回ったというデンマークの王Christian Xについて、ドイツ兵と少年が交わしたという会話がAnnemarieの心に強く印象付けられたようです。(詳しくは本を読んでね。)なすすべもなく降伏し、大国に支配されるしかなかった小国デンマークですが、そんな不安の中でも理想や人間性を失わない人々の強さや結束があらわれている話です。このエピソードについても作者あとがきに説明があります。
A Wonderful Welcome to Oz: The Marvelous Land of Oz, Ozma of Oz, & The Emerald City of Oz (Modern Library Classics) 情報 作者:L Frank Baum ジャンル:ファンタジー 冒険 種類:ペーパーバック、児童書 YL:5.0 ページ数:7~190ページ 語数:38000語 お気に入り度:☆☆☆☆ |
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Gregory Maguire,John R. Neill | |
Modern Library |
The Marvelous Land of Oz、Ozma of Oz、The Emerald City of Oz3作の合本です。
ストーリー
Land of Ozの北にあるGillikinの国に住んでいる少年Tip。両親の事は何も覚えておらず、魔女のMombiに育てられたが、何かとこき使われてTipはMonbiが大嫌いだった。
ある時、大きなカボチャをくり抜いて顔を作ったTipは、これを人間の形に仕上げてMombiを驚かせてやろうと考えた。木の枝で体を作り、服を着せてJuck Pumpkinheadと名付けた。
そして、道にJackを立たせて待ち伏せ。しかし、Tipのいたずらと気がついたMombiはJackに何やら"Power of life"という粉をふりかけ呪文を唱え出したのだ。すると、Jack Pumpkinheadはいきなりしゃべりだし、動き出したのだ。
Jackを家に連れて帰ったMombiは今度は妙な薬でTipをmarble statueに変えると言い出したのだ。そんなものになるのはまっぴら御免だと考えたTipはこっそりJack Pumpkinheadを連れ出し、"Powder of Life"を持ち出すとMombiから逃走。Ozの中心地であるEmerald Cityへ向かうことにしたのだった。
感想
The Wonderful Wizard of Ozの続編。The Wonderful Wizard of Oz(過去記事08/5/17)を読んだ後に大人っぽい表紙に惹かれて購入。でも読みにくいような気がして途中でやめたのでした。今読んでみれば、読みにくいと思っていた前半は全く読みにくくなかったです。
何ともお間抜けな会話、不思議でほのぼの、予測不可能なストーリー。前作ほどではないけれど、ラストは結構楽しめました。
はじめはTipとJack Pumpkinheadだけだったのが、徐々に奇妙な仲間が増え出します。Powder of Lifeでそんなものに?というものに命を吹き込んで、あーでもない、こーでもないの珍道中を繰り広げます。前作のScarecrowとTin Woodmanも登場。この二人がとても頼もしく思えます。途中、軍隊が出てくるのですが、これが皆スカートをはいた女子。武器として編み棒を持っています(笑)。後半出てくるGlindaの軍もやはりスカートをはいたガールズ軍。女子しかいないの?でもこれが怖い印象を和らげてほのぼの感を演出しています。中盤なんだかとりとめもないなぁ、と思いましたが、最後はなるほどそういう結末だったのかーと思いました。
Pride and Prejudice: 2500 Headwords (Oxford Bookworms Library) 情報 作者:Jane Austen ジャンル:古典 種類:ペーパーバック、GR YL:5.0 ページ数:104ページ 語数:29455語 お気に入り度:☆☆☆☆ |
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Clare West | |
Oxford University Press |
感想にネタばれあり。
ストーリー
Bennet家の隣家に資産家の独身男性、Mr.Bingleyが引っ越してくると聞いたMrs.Bennetは、5人の娘の誰かと結婚するかもしれないと大喜び。Bennet一家は舞踏会で彼らに会うことになった。
Mr.Bingleyと一緒に来ていたのは彼の2人の姉妹と、友人でこれまた資産家のMr.Darcy。Mr.Bingleyはとても感じのいい礼儀正しい青年であるのに対し、友人のMr.Darcyは誰ともダンスを踊っていない次女Elizabeth Bennetを誘いもしないどころか、失礼な態度に終始。最悪の印象だった。
一方、Mr.Darcyは初めはそうでもなかったが、徐々にElizabethの聡明さと美しさに惹かれるようになっていた。
やがて、ハンサムな将校Mr.Wickhamと知り合いになったElizabethはMrWickhamからMr.Darcyから受けたひどい仕打ちを聞くことになる。その後、姉のJaneといい関係を築いていたMr.Bingleyとの仲を裂いたのもMr.Darcyだと聞いたElizabethは彼への反発をますます高めていった。
感想
Mr.Collinsといい、Mr.Darcyといい、なぜ相手の気持ちを確かめもせずいきなりプロポーズするんでしょうかねぇ。この時代はそういう方式?2人とも断られるとは思ってなかった様子。他でもないこの自分の申し出を断ることなどあり得ない、と思っているからでしょう。なんておめでたい・・・。
自分の言動を厳しく非難され、けちょんけちょんのこてんぱんに断られたMr.Darcy。プライドの高い人間だから、普通だったらあんなひどい断られ方をしたら、二度と会いたくないだろうけど、ここからMr.Darcyの本当の人となりがあらわれます。目が覚めたのでしょうか?
一方、Elizabethも事実ではないことでMr.Darcyを非難してしまったことに気づき深く反省。誤解が解けていきます。
いきなりプロポーズするなんて、なんて浅はか、と思ったけど、これは最初にプロポーズしたことが結果的に良かったのかもと思いました。あそこで感情をぶつけあえたからこそ、いろいろ理解し合えたわけだし。それに好意を持たれていたということは悪い気はしないだろうし、その後も意識せざるを得ないから。やはり自分の気持ちをストレートに伝えることは大切なんでしょうね。
読みやすかったです。制限のあるGRで原作の持ち味を出すのはちょっと難しそうですけど、原作にあるおもなエピソードをもれなくきちんと拾ってると思います。
翻訳版『高慢と偏見』は堅苦しくてつまらない、という古典のイメージを覆してくれた作品。笑えるの。Mrs.Bennetの言動とか。個性的な登場人物たちが魅力的だし、翻訳の仕方にもよるでしょうけど、文章も好き。描写が絶妙。さすがに英語の原作はまだちょと・・・という感じ。ドラマも映画もいいけど、原作もね。
情報
作者:Emily Bronte
ジャンル:古典 ヒューマン
種類:ペーパーバック、GR
YL:5.5
ページ数:140ページ
語数:34980語
お気に入り度:☆☆☆☆☆
ストーリー
Yorkshireの荒野に家を借りることになったMr LockwoodはWuthering Heightsという屋敷に住む家主、Heathcliffのもとを訪れた。そこにはHeathcliffのほかにHareton Earnshawという若い男と、Heathcliffの義理の娘だという若い女性が一緒に住んでいた。終始不機嫌そうで幸せそうには見えない奇妙な3人だった。
Mr Lookwoodが借りたThrushcrossという屋敷にはMrs Deenという家政婦がいた。彼女の話では、今でこそ、どちらもHeathcliffの所有ではあるが、もともとWuthering Heightsの屋敷はEarnshaw家の、Thrushcrossの屋敷はLinton家の所有であったという。前日Wuthering HeightsでCatherine Lintonという少女の亡霊とHeathcliffの奇妙な言動を見ていたMr Lockwoodはこれらの過去に興味を持ち、彼女から両家にまつわる話を聞くことにした。
HeathcliffはEarnshaw家の故主人が息子同然に育てようと連れてきた孤児だったという。彼につらく当たる息子のHindleyとは仲が悪かったが、娘のCatherineとは大変仲良くなり、2人は絶えず一緒に行動して育った。お互い愛し合っているようだったが、二人が年頃になったある日、裕福なEdger Lintonという青年と出会ったCatherineはEdgerと結婚してしまったのだ。ショックを受けたHeathcliffは突然姿をくらました。
3年後、財を成して突然帰ってきたHeathcliffはどういうわけか、宿敵HindleyがいるWuthering Heightsに再び住むというのだ。Heathcliffの生涯をかけた復讐の始まりだった・・・。
感想
愛と憎しみと復讐の物語。読み終わった後、何とも言えない気持ちになりました。虚しいような切ないような・・・。とりあえずハッピーエンド?
自分の一生をかけて、Harnshaw家(自分を虐げたHindley)とLinton家(Cathrineを奪ったEdger)に復讐をしていくHeathcliff。二つの家族を丸ごと巻き込み、さらには世代を越えて繰り広げられた復讐劇はまんまと成功。でもなんとも悲劇的で、皮肉な結果に終わりました。人こそ殺さないものの、長い年月をかけてここまでするHeathcliffの激しい情念が一体どこから来るのかわかりません。子供達まで復讐の道具に使うんですから。Catherineに対する一途な愛に狂ってしまった哀れな男なのか、単に粘着質でおろかな男なのか・・・両方かな。壮絶~っ。
CatherineはHeathcliffのためにEdgerと結婚したようなところがあるみたいです。兄のHindleyから解放してあげようという・・・。でも子供のころから気が強くてわがまま、大きくなってからも身勝手で、気性の激しさは変わらず、お世辞にもやさしい子とはいえないようです。美人のようですが、HeathcliffとEdgerが恋焦がれるような女性には思えませんでした・・・。語り手のMrs DeenもあまりCatherineをよく言わないので、小さいころから見てきたMrs Deenは彼女の正体を知っているのでしょう。それでもHeathcliffを狂わせ、Edgerを夢中にさせるくらいですから、何かしらの小悪魔的な魅力(?)があるのかも・・・。
ずっとWuthring HeightsのWuthring(ワザリング)って何だろう思ってました。邦題が『嵐が丘』なんだから、そういう意味なんだろうとは思っていましたが・・・。方言でwindyとかstormyという意味らしいです。
CDつきのGRです。これまた朗読が迫真の演技というか・・・。私にはちょっと早い朗読なんですが、このシリーズ癖になりそう。
ただ、CDは全編が録音されていません。Chapter1,2,3,6,8,11,12のみの朗読です。初めは何かの間違いかと思ったのですが、長いからか、ちょっと省かれているみたいです。
作者のEmily Bronteのお姉さんCharlotte BronteもJane Eyre(過去記事09/9/25)で有名です。妹も作品を出しているようです。文才のある姉妹だったのですね。
Nanny Mcphee: The Collected Tales Of Nurse Matilda 情報 作者:Christiana Brand ジャンル:コメディ 種類:ペーパーバック、児童書 YL:5.8 ページ数:133ページ(シリーズ第1話のNurse Matildaのみ。全体では382ページ) 語数:20000語(シリーズ第1話のNurse Matildaのみ。全体では59878語) お気に入り度:☆☆☆☆ |
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Edward Ardizzone | |
Bloomsbury USA |
ストーリー
Brown家にはたくさんの子供がいた。その子供たちが、ものすごくいたずら好きで、やりたい放題・・・。とにかくとんでもない子供たちだ。nurse-maid、nurse、governessなどの子供たちの面倒をみる人たちは雇っても次々とやめていく始末。困り果てるBrown夫妻。紹介所へ行って新しくnurseを派遣してもらおうとするのだが、もう一人もいないという。こうなったらNurse Matildaに頼むしかないというのだが・・・。どうやって頼めば・・・、と思っていたところ、突然やってきたNurse Matilda・・・!黒い服に顔はしわだらけ、ジャガイモのような鼻に、一本だけ飛び出た大きな前歯・・・。そして大きな杖を持っていた。
Nurse Matildaは子供たちに対し、7つのレッスンをするという。しかし、彼女はただのNurseではなかったのだ・・・。
感想
Nurse Matildaシリーズ第1作目。毎日いたずらばかりしている子供たち。たくさんいるようだけど、何人いるのかわかりません。相当います。原作には自分で数えてね、って書いてあるけど、いちいち名前をチェックしてまで数える気がしなくって・・・。実際、誰が誰であろうと特に関係はないのです。とにかくドタバタとみんなでいたずら放題。両親がかなり子供たちに甘いからのようです。誰か締める役の人がいないと、この家庭は収拾がつかなくなるでしょうね。でもただの人では手に負えなそう。やはりNurse Matildaのような人、いえ、魔法使いでないと・・・。杖を床にドンとやると魔法がかかるんです。さすがの子供たちも魔法にかかってはお手上げ。徐々にお行儀良くなっていきますが、Nurse Matildaにも少しずづある変化が・・・。
上の本は『Nanny Mcphee』(『ナニー・マクフィーの魔法のステッキ』)という映画の表紙です。Nurse Matildaをもとに作られています。一部設定は違いますが、子供たちがやっているいたずらはちゃんと原作を元にしています。映画は"子供たちが赤ちゃんを食べてるーっ!!"というシーンから始まりますが、原作でもNurse Matildaにグリーン(野菜)のものを食べなさいと言われたのに対し、子供たちはPodge Greenという少年を食べたふりをして周囲を恐怖に陥れるエピソードがあります。映画もなかなか面白いです。単なるドタバタでは終わってないところがいいですね。ちょっと感動的に仕上げてあります。
原作は内容の割にはなんだかちょっと読みにくい文章です。でもひねってあって読みにくい文章ほど日本語で読むと結構面白いんですよね。
今回の抜粋
"The more they don't want me,"said Nurse Matilda, "the more they must need me. That is the way I work. When my children don't want me, but do need me: then I must stay .When they no longer need me, but they do want me: then I have to go."
何だかややこしい言い方ですが、自分の役割を終えるまではここにいますが、自分の役割を終えたら、ここにはいられません。ということを初めに言うんです。映画でもNanny Mcpheeがこんなようなことを言っている印象的なシーンがありますが、Nurse Matildaはいったいどこから来て、そして次はどこへ?Nurse Matilda Goes to Town、Nurse Matilda Goes to HospitalをパラパラみるとまだBrownの名前が出てきますが・・・。
More About Paddington 情報 作者:Michael Bond ジャンル:ほのぼの 種類:ペーパーバック、児童書 YL:5.5 ページ数:144ページ 語数:24000語 お気に入り度:☆☆☆☆ |
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Peggy Fortnum,R. W. Alley | |
HarperCollins Children's Books |
ストーリー
PaddingtonはBrown家にやって来てからずっとゲストルームに住んでいた。そこでMr Brownは空き部屋をPaddington用に改装してあげようと考えていた。
しかし、なかなか進まない改装に待ちきれなくなったPaddingtonはみんなが留守の間に一人で部屋の改装に取り掛かることにしたのだが・・・。
感想
季節は夏から秋、そして冬を迎えます。みんなで家族写真をとったり、Paddingtonの部屋の改装をしたり、すっかりBrown家の一員といった感じ。
他にも探偵のまねをしたり、花火をしたり、またしてもデパートでの買い物とあっては騒動が起こらない筈はありません!なんだかんだでいつも丸く収まるんですけどね・・・。でもPaddingtonを最も窮地に追いやった事件はsnowbear(snowmanじゃなく)になったことでしょう。シャレにならない事態ですよ。初めて雪を体験したPaddingtonの悲劇です。
気になる表現
お金持ちのおじさんに感謝されたPaddington。下のような言葉を言われ、大きな高級車に乗せてもらえることになりました。
"my car is at your disposal."
disposalって棄てるようなイメージしかなかったんですけど・・・ディスポーザーのイメージ?
でもat a person's disposalで「人が自由にできるように」という意味になるようです。自分の車を自由に使っていいよ、ということなんでしょう。
『プログレッシブ英和中辞典』を見たら、disposalには、(物事の)処分[使用]権、自由裁量権という意味もあることがわかりました。I'm at your disposal.(おっしゃるとおりにいたします。)という例文もありました。
また、 『Oxford Advanced Learner's Dictionary』ではこんな説明が、
Well,I'm at your disposal.(=I am ready to help you can in any way I can.)
同じ文章をSuddenly You(10/6/10)でも見ました。かなりきわどいシーン。今まで男の人の裸を見たことがないから、あなたの服を脱がせたい、みたいな事をAmandaに言われた時のJackの返答もI’'m at your disposal.でした。
情報 作者:Charles Dickens ジャンル:古典 ヒューマン 種類:ペーパバック、GR YL:5.5 ページ数:102ページ 語数:26560語 お気に入り度:☆☆☆☆☆ Oxford University Press このアイテムの詳細を見る |
ストーリー
Oliver Twistは身元の分からない母親から生まれた。母親は彼を産んですぐになくなり、Oliverはたくさんの孤児たちと恵まれない環境で育った。
9歳になったある日、空腹に耐えかねてお代わりをねだったOliver。しかしこのことが原因で叩かれたり部屋に閉じ込められたりと、ひどい虐待を受けてしまう。
結局、葬儀屋で働かされることになったOliverだが、ここでもひどい仕打ちを受け、とうとう逃亡。ロンドンへ向かう途中、道であったThe Artful Dodgerと呼ばれる少年に連れられ着いた所はFaginという男の所。彼らはOliverに食べ物と寝場所を提供してくれたが、実はFaginは窃盗団の元締めだったのだ。
感想
すごく面白い。久々にGRを意識しないでのめりこんで読めました。以前読んだ同じDickensのGreat Expectations(OBW5)よりも逆に読みやすいような気がするくらいです。
ハラハラドキドキ、かわいそうなOliverの運命はどうなるのか、先が知りたくなります。犯罪に手を染めてしまうのか、無実の罪を着せられてしまうのか、命は?親切な人もいるけど、結局また犯罪者につかまってしまう・・・。後半は意外性もあったし、謎に満ちた展開に。
孤児、貧困、犯罪というつながりが悲しい。子供のOliverには選択肢がほとんどない。犯罪に加担しなかったら殺されるかも、そうじゃなくても飢え死にしてしまうかも・・・。そんな少年たちを利用する悪い大人がFaginやBill Sikes。腹黒く、なんだか尋常じゃない感じが・・・。Billの女であるNancyがBillを裏切れない、裏社会からは逃れられないと思って苦しんでいる様子は印象的でした。悪の根は深い。それでもOliverのために情報を流してくれる良心があるのは救いです。
情報 作者:Rick Riordan ジャンル:冒険 種類:ハードカバー、児童書 YL:5.0 ページ数:220ページ 語数:45894語 お気に入り度:☆☆☆☆ Scholastic Trade このアイテムの詳細を見る |
大富豪で世界的に影響力のあるCahill一族の当主、Grace Cahillが亡くなった。
彼女の孫のAmyとDan姉弟はじめ、葬儀当日、お屋敷の一室に集められたCahill一族。一番かわいがられていたAmyとDan。ひそかに期待はしていたものの、Graceの弁護士William McIntyreから伝えられた彼女の遺言は、とんでもないものだった。
100万ドルを持ってこの場を立ち去るか、唯一の勝者に与えられる強大な力を得るため、世界に隠された39の手掛かりを探しだすか、どちらかを選択せよというものだった。
迷いつつ、このレースに参加することに決めたAmyとDan。しかしひと癖ありそうな他の参加者たちとの競い合い、さらには命を狙われたりと前途多難。
感想
最初のほうで次々出てくる人物の描写を適当に読み流していたら、後になって誰がどんな人なのか分からなくなってしまうという事態になって、何度もページを戻るはめに・・・。登場人物を最初に整理しておくべきでした。
世界中を飛び回って39もの手掛かりを見つけるというのと、誰もが知っているような歴史上の偉人の相当数が実はCahill一族であるという壮大さに惹かれました。ダビンチ・コードならぬフランクリン・コード?謎を解きながらの冒険です。手掛かりを求めてAmyとDanはフランスへ飛びます。大人の参加者もいればAmyとDanのように子供の参加者もいるのですが、みんな人を陥れようとしてばかりでフェアーじゃないの。AmyとDan以外はみんな悪って感じです。誰も信じられない・・・。
正直、まだまだ先が見えなくて、モヤモヤしてます。何が手掛かりなのか分からないところが・・・。発見したものにこれが二つ目の手掛かりですよ、って書いてあればいいのだけど・・・。こんなんで39も集められるのかな~。唯一の勝者はthe most important treasure in the world を
ゲットでき、the most powerful human beings on earthになれるらしいよ。
それっていったいなんだろう?どんなお宝なの?単なる金銀財宝じゃなさそうだけど・・・。
全10巻。結構長丁場。面白いことに毎回作者が違うみたいです。
情報 作者:Anthony Horowitz ジャンル:ミステリー 種類:ペーパーバック 児童書 YL:5.5 ページ数:190ページ 語数:45953語 お気に入り度:☆☆☆☆ Puffin このアイテムの詳細を見る |
ストーリー
私立探偵事務所を営む大ボケTim Diamond と13歳の天才的な弟Nick Diamondの事件簿。
ある日、知り合いの刑事、Snape とBoyleがNickに会いにやってきた。二人はNickにあるお願い事をしにやってきたのだ。それは刑務所に入ること・・・。
希代のワルで現在、少年刑務所にいる15歳のJohnny Powersから情報を引き出すためだ。ロンドンはもとよりヨーロッパのほとんどの犯罪ビジネスにかかわっているというFenceという謎の人物の尻尾をつかむための情報がほしいのだという。
しかし、Johnny Powersは警察に協力するような少年ではない。そこでNickに白羽の矢が・・・というわけなのだが、当然Nickは断った。
しかし数日後、無実の罪で逮捕されたNickは例の少年刑務所に送られ、案の定、Johnny Powersと同じ部屋に・・・。はめられたのだ!
感想
こともあろうに刑事はめられて、刑務所送りになってしまうNick。信じられなーい!そしてひどい・・・。それも凶悪犯ばかりが集まる少年刑務所。情報を引き出さないとそこから出られそうにない。
相変わらず、カーチェイスやら銃撃戦やら爆弾やら・・・があって命が危うくなることもしばしば。九死に一生です。
口を開けば笑いを誘う兄Timに対して、Nickは13歳とは思えない、大人顔負けのカッコよさ。Nickを大人に置き換えてもさほど問題ないと思う。
とある場所を火の海にして、警察に匿名の電話をしたシーンは鳥肌。
そして、はぁ~事件は終わったなーと思って気を抜いていると不意を突かれます。
このシリーズ、面白いんだけど、私にとってはちょっと読みにくいんだよね~。
使えそうな表現
We'd met before the trial and I'd asked him how he was going to get me off the hook.
この表現どこかで見たな~、でも忘れちゃったよ~と思ってあれやこれや探したら・・・
You're off the hook.とか、
I'm going to let Jacob off the hook.
などという表現が何度かEclipse(The Twilight Saga#3)に出てきて、ちゃんとチェックしていたのでした。ブログでは特に何も書いてませんが。つい最近なのに、忘れるの早!
get/let somebody off the hookで、人を窮地から逃れさせる、という意味みたいです。
英英辞典『Longman English Dictionary Online』ではto allow someone or help someone to get out of a difficult situationとなっています。
Diamond Brothers Mysteriesシリーズの過去記事はこちらよ。
The Falcon's Malteser('08/8/30)
Public Enemy Number Two 本書
South by South East 未読
The Blurred Man('08/12/11)
The French Confection('08/12/13)
I Know What You Did Last Wednesday('08/12/15)
The Greek Who Stole Christmas 未読
情報 作者:Mark Haddon ジャンル:ヤングアダルト ヒューマン 種類:ペーパーバック、児童書 YL:5.0 ページ数:221ページ 語数:60877語 お気に入り度:☆☆☆☆ Vintage このアイテムの詳細を見る |
15歳の自閉症の少年、Christopher John Francis Booneは深夜、近所のMrs.Shearsの家の庭で彼女の飼い犬のWellingtonが殺されているのを発見する。警察がやってきて、矢継ぎ早に質問を受けるものの、混乱して満足に答えられない。そして警察官に腕を掴まれた瞬間、思わず彼を殴ってしまう。体に触れられるのが嫌いなのだ。疑われて警察に連行されてしまうChristopher。父親の説明でなんとか家には戻れたものの、ChristopherはWellingtonを殺した犯人を見つけ出そうと決心する。
感想
Christopherの脳の展開図を見ているような気がしました。どこまでも広がる展開図。いろんな面が見えてきます。人とコミュニケーションをとることは上手ではなくても、心の中は独特で実にさまざまな思考で満たされています。そして多少遠回りでも自分で考えて、やろうと思ったことは実行に移しているんです。
犬を殺した犯人を見つけようというChristopherですが、特になぞ解きではないです。日常の出来事と、自分の考えが交互に語られる感じです。理数系の能力は天才的なのですが、そういう話は、読みにくくて分からず。
徐々にChristopherの家庭の事情などが明らかになっていきます。犬を殺した犯人が急に明るみになったところはショッキングでした。殺し方も残忍だったし・・・。Christopherでなくてもパニックになります。そして彼にとってはかなり思い切った行動に出ます。私たちにはなんでもないことでも、Christopherにとってはものすごい冒険なんですね。
気になる表現
He said ,“Where have you been?”
And I said,“I have been out.”
This is called a white lie. A white lie is not a lie at all. It is where you tell the truth but you do not tell all of the truth.~
こういうのをa white lieって言うのか~と思って。辞書的な意味は以下。
a white lie =a lie that is not serious, told to avoid upsetting someone(『Longman English Dictionary Online 』より)
情報 |
Malloryを救出したのち、Jared、Mallory、Simonが家へ帰ってみると。家に中がめちゃめちゃに荒らされていた。Thimbletackによれば母親がさらわれたらしいのだ。
何かが屋根の上で騒いでいる気配に、様子を見に行ってみると、Hogsquealだった。彼を問いただすと、Jaredたちの母親はMulgarathの隠れ家だという。助けに行くにもgoblinやdaragon、ogreなどにどう対処したらいいのだろうか?
JaredはField Guideを思い出して、ある方法を思い出した。Arthurおじさんに直接話を聞けばいいのだ。
感想
完結編です。ずっと読みにくいな~と思いながら少しずつ読んできましたが、ここにきて最後のほうは一気読みでした。
いつも派手な戦いがあるわけではなく、今回も大げさな立ち回りはありませんでしたが、頭を使って切りぬけるところがいいですね。力はなくても頭脳を使えばなんとかなる。結局一番おいしい思いをしたのはお前か!という結末が好きです。
情報 作者:Tony DiTerlizzi Holly Black ジャンル:ファンタジー 種類:ハードカバー 児童書 YL:5.5 ページ数:108ページ 語数:9183語 おすすめ度: Simon & Schuster Children's Publishing このアイテムの詳細を見る |
姉のMalloryのフェンシングの試合の応援に行ったJaredとSimon。その試合中、ブロンドの女の子がMalloryのカバンの中を探っているのを目撃したJared。不審にも思って調べに行くと女の子はすでに消えていた。
仕方なく戻ろうとすると、今度はロッカールームでSimonがMalloryのカバンを・・・しかし彼はよく似てはいるが、Simonではなかったのだ。
彼を追いかけて問い詰めるものの、彼の体はみるみる小さくなり、逃げられてしまった。Field Guideを探しているに違いない!・・・
そうこうしているうちに、Malloryが行方不明になっていた・・・。
感想
今回はMalloryを救出するための冒険。何者かが、Field Guide欲しさにMalloryをさらっていった様子。このあたりは映画には全くなかったエピソードです。最終話どうなるのでしょう?このシリーズは空想上の生き物が多数出てきます。そういうのを挿絵とともに楽しめるのもいいです。
以前にもこの本、結構凝っています、という話をしましたが、他にも本の裁断面がそろってないという特徴があります。バラバラ。初めは、何?これ、と思いましたが5冊とも同じなのでそういう装丁みたいです。ややめくりにくいのですが・・・雰囲気を出すための演出なんでしょうか、凝ってます。
情報 作者:Michael Bond ジャンル:動物 ほのぼの 種類:ペーパーバック、児童書 YL:5.5 ページ数:153ページ 語数:23122語 おすすめ度: HarperCollins Children's Books このアイテムの詳細を見る |
ストーリー
娘を迎えにPaddington駅に来たBrown夫妻。しかしそこで出会ったのはなんとクマ!スーツケース一つでペルーからやってきたという彼。夫妻は駅にちなんで彼をPaddingtonと名付けて家へ連れて帰ることにしたのですが、Paddingtonの行くところ行くところ、さまざまな騒動が巻き起こります。
感想
ヒツジ読み&聴き読みです。
Paddington、とてもいいキャラクター。すごく真面目な言動、なのになぜかおかしくて笑ってしまいます。特にChapter3のInspectorとPaddingtonの会話がいい!朗読があることで面白さも3割増しかも。自分の想像力だけじゃこうはいかない感じです。Chapter6では正義感の強い一面も見せます。このラストが心温まって素敵。話の最後にちょっとしたオチがあるのもいいです。難しいところもありますが、このシリーズは今後も少しずつ読んでいきたいと思います。
情報 作者:Tony DiTerlizzi Holly Black ジャンル:ファンタジー 種類:ハードカバー 児童書 YL:5.2 ページ数:108ページ 語数:9088語 おすすめ度: Simon & Schuster Children's Publishing このアイテムの詳細を見る |
注:5冊で一つのお話なので、そろそろネタばれになる可能性があります。
ストーリー
悪いことが起こるのはArthurおじさんが書いたField GuideのせいだというMallory。goblinたちが本をほしがっているのは明らかだし、いっそのこと渡してしまうか、始末してしまうほうがいいというのだ。Simonもかなり警戒している様子。しかし、JaredはField Guideは絶対に必要だと思っている。本がなくなったところで、どうにもならない。
本の秘密を聞こうにもArthurおじさんはとうに亡くなっている。しかし、Lucindaおばさんはまだ生きていることを思い出したJaredは・・・。
感想
今回はLucindaおばさんの話。Lucindaおばさんのイラストは魔女のようで怖い。映画だとかわいらしいおばあちゃんでしたけど。話を聞くと、結構苦労したようです。後半は映画にはなかったエピソードで興味深いです。Jaredが機転を利かします。
それにしてもgoblinたちがField Guideを手に入れたがっている理由がいまひとつはっきりしてきません。どこか見逃した?
Thimbletack(屋敷に住み着いている小さなおじさん?妖精?)も相当おかんむりのようで、姿を現しませんでした。彼の話し方ってうまいこと韻を踏んでいてリズムがあって面白いんですが・・・。“Must make haste. No time to waste.”とか“A human boy is like a snake.His promises are easy to break.”(2巻より)のように必ず韻をふんだ話し方をします。いずこへ?