室内の湿度計は90パーセントを振り切っています
おとといはイライラも最高潮で、昨日はさすが我慢していたエアコンをつけることにしました。
我慢しすぎはいけませんね。
エアコンをつけて快適になったと思ったら、すぐに足先が冷えて来て・・・
高めの温度設定にしているのに・・・快適って難しい・・・
夏は苦手、エアコンも苦手、これからが夏本番ですが・・・
Harry Potter and the Goblet of Fireもようやく半分くらい読みましたが、内容はまだこれからという感じ。まあまあの理解度かな~。
他の本も読みたいのですが、どれも進まなそうなので、
とりあえずthe Goblet of Fireを片づけてからにしようと思います。
更新が滞りがちになり申し訳ないのですが、
今しばらくお待ちを・・・・・・
Mates, Dates and Inflatable Bras: Bk. 1 (Mates Dates) 情報 作者:Cathy Hopkins ジャンル:恋愛 友情 種類:ペーパーバック、児童書 YL:4.5 ページ数:143ページ 語数:27361語 お気に入り度:☆☆☆☆ |
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Piccadilly Press Ltd |
ストーリー
Lucy 14際にはIzzieという親友がいる。ところがIzzieは最近転校してきたNestaと仲良しに。今ではIzzieとの関係もなんだか不確か。IzzieとNestaは大人っぽくて16歳くらいに見えるのに、Lucyは背も低くてせいぜい12歳くらいにしか見えないとうのもコンプレックス。
そんな折、担任の先生から課題が出された。
What makes me 'me'?・・・
これには困ったLucy。将来の目標さえはっきりしていない。Izzieは歌手、Nestaはモデルになりたいというはっきりとした希望があるのに・・・。
Izzieとの関係もいよいよぎくしゃくしてきたある日、Lucyは通りでかっこいい男の子を見かけ、一目ぼれ。St Michael'schoolの生徒らしいのだが・・・。
感想
恋と友情に悩む14歳の女の子の話。IzzieとNestaが仲良くなり、なんだか疎外感を感じてしまうLucy。友人たちと比べて自分は・・・という悩み。確かにそうだよねぇ、とLucyに共感できるところも結構ありました。気心が知れているならともかく、私も3人は苦手なので、Two's company,three's crowd.には確かにそうかも、と思いました。でも果たして本当にそうなのか?
街で見かけたかっこいい男の子の正体がわかって、これで終わりか・・・と思いきやというところも面白かったです。その後どうなるのかな。
今回の抜粋
Help.I'm usually good at essays and stuff.But this time I haven't a clue. I don't know who I am.Or what makes me 'me'.
Or what I'm going to do when I grow up.
Or where I fit.
What makes me 'me'?普段から自分の事をよく考えてないと、急に言われても言葉に詰まります。私も14歳ぐらいのころは将来のことなど何も考えてなかったような・・・。目標も低かったし。今は目標だけは高い。毎日のろのろだけど・・・。
Mister Dog (Little Golden Book) 情報 作者: Wise Brown 絵:Garth Williams ジャンル:ほのぼの 動物 種類:ハードカバー、絵本 YL:1.2 ページ数:22ページ 語数:670語 お気に入り度:☆☆☆ |
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Golden Books |
ストーリー
犬のCrispin's Crispianは誰に飼われているわけでもなく、一匹で暮らしている。ある朝、散歩に出かけた彼は犬や猫などと遊びまわっているうちに一人の少年に出会った。
感想
ちょっとしゃれた家に住んでいて自由気ままに暮らしているCrispin's Crispian。ちょっとクマっぽい。人間のようにパイプをふかしながら立って歩くのですが、動物たちと遊ぶ時は、ごく普通の犬。なんだかギャップがあります。出会った少年は一体何者なんでしょう?
どうでもいい単語を覚えてもしょうがないなと思って、アルクのサイト『SPACEALC』のレベル別語彙リストSVL12000(「ボキャブラリー」のところにSVL12000のコンテンツがあります。英辞郎で調べるとその単語のレベルが表示されます。)を参考にLevel 8~10までの上級単語とLevel 11~12の最上級単語を難しい単語に指定して、英単語増強を図ります。ブログに書けば忘れにくいだろうという魂胆ですが、これがしばらくすると忘れるんだな・・・。
気になる表現 1
It was beyond anger:it was loathing.(L11)←アルクの上記リストのレベル
Lupin先生をにらむSnape先生の表情がangerを通り越してloathingっていうんだから、何となく意味の見当は付きそう。結構強い感情でしょうね。たぶんSnape先生のそういう表情を思い浮かべられれば、正解でしょうか。イメージ、イメージ。
どちらかというと、Sanpe先生のほうがみんなから嫌われているみたいですけど・・・こちらは動詞形、loathe。
It was a mark of how much the class loathed Snape that they were all glaring at him,~
Hermioneに対するSnape先生の理不尽な仕打ちがクラスのみんなの反感を買ったようです。
『Twilight』でも見たよ。
He absolutely loathes me.(『Twilight』より)
The look he gave Edward confirmed what Edward had said about loathing.(『Twilight』より)
二つの例文ともheはMike。meはEdward。Mikeはこの時点でEdwardを恋敵と思っている?それともただEdwardキモしと思っているだけ?
辞書的な意味はこちら、loathing=a very strong feeling of hatred(『Longman English Dictionary Online 』より)
気になる表現 2
Harry felt nasty pang of guilt.(L9)
Harryがnastyなguiltを感じたっていうんだからそれで意味が十分わかるけど、じゃあ、pangって何?pang of ~の形が多いよう。
Suddenly Derek felt an unfamiliar pang of remorse.(『Dreaming of You』より)
急展開によってSaraを自分の家へ連れて帰ってきてしまったDerek(一刻も早くベッドインしたい一心で)。今までになかったpang of remorseを感じたと言っています。ところでremorseって何?説明は下。
~I felt a sharp pang of jealousy.(『Twilight』より)
Aliceの優雅な歩きを見てBella=Iが感じたpang of jealousy.
辞書的な意味はpang=a sudden feeling of pain, sadness etc(『Longman English Dictionary Online 』より)
辞書を見るとpang of jealous/guilt/remorse/regretとなっていて、そういう感情や精神的な痛みに使うのかな。
今読んでいる『Harry Potter and the Goblet of Fire』にもremorse(L11)が出てきたよ。
He was talking about it without any kind of remorse~
ある人物が誰かを殺したという話をしています。remorseの感情が全くない様子で・・・。
~I fought back a surge of remorse.(『Twilight』より)
ビーチでJacobを誘ってしまったことを思い出して、surge of remorse を何とか抑え込もうとしているBella=I。またまたsurge(L9)も難しい。トホホ、あきらめ・・・。芋づる式に出てくる難単語め・・・。surgeは、(感情などの)高まり。
~,Amanda thought with a flicker of remorse.(『Suddenly You』より)
まばたきもせず、Jackを見つめてしまい、居心地の悪い思いをしさせてしまったと思ってremorseしています。flicker(L10)もよく見かけるけど、揺らめき、ちらつき、という意味みたいです。remorseの感情がちらついたということ?
辞書的な意味はremorse=a strong feeling of being sorry that you have done something very bad (『Longman English Dictionary Online 』より)
気になる表現 3
Harry didn't have time to fathom the mystery of Hermione's impossible schedule at the moment;~(L11)
同じ時間帯の授業を2つも受けるというありえないことをやってのけているガリ勉Hermioneの謎よりもSnape先生の課題を片づけけることで忙しいHarry。
I couldn't fathom his interest,~(『Twilight』より)
Bella=Iの事をあれやこれや知りたがるEdward、Bellaはそんな彼の興味をfathomできないみたい。
I can't fathom why.(『Suddenly You』より)
fathomってある簡単な英単語に置き換えられるような気がしてきましたけど・・・。fathomに含まれるなんらかの意味合いを重要視して使っているのかな。上の3つの例文とも否定文です。通常否定文の中で使われるようです。
辞書的な意味はfathom=to understand something complicated or mysterious(『Longman English Dictionary Online 』より)
)
fathomの派生語もたまに見るよ。どちらもfathomを打ち消している形。
Black's face looked more skull-like than ever as he stared at Pettigrew with his fathomless.(『Harry Potter and the Prisoner of Azkaban』より)
He was staring at me with an unfathomable expression.(『Twilight』より)
fathomlessもunfathomableも似たような意味?二つの文とも、にらんでる人の表情を表してるんですね。
Harry Potter and the Prisoner of Azkaban (US) (Paper) (3) 情報 作者:J.K Rowling ジャンル:ファンタジー 種類:ペーパーバック、児童書 YL:6.5 ページ数:435ページ 語数:107253語 お気に入り度:☆☆☆☆☆ |
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Arthur a Levine |
ストーリー
新学期前のDursley家、怒りにまかせて意地悪なAunt Margeを魔法で風船のように膨らませてしまったHarry。家を飛び出したものの、行くあてもない。しかし、うまい具合にKnight BusにひろわれてLeaky Cauldronへ。そこで待ち構えていたのが魔法省のCornelius Fudge。今度こそはHogwarts退学かと思ったHarryだが、不思議なことにおとがめなし。
ひと足早くDursley家から離れ、Leaky CauldronやDiagon Alleyなどでしばらく自由に過ごすHarry。人間界の間でもそうだったが、魔法界でも大きなニュースになっているのが、魔法界の刑務所から脱走した囚人Sirius Blackのこと。Voldemortとのつながりがうわさされている凶悪犯だ。そしてその脱獄犯がHarryを狙っているらしいということを偶然聞く。
退学にならなかったのも、魔法使いが多くいる場所で生活させられていたのも、Harryを守るためだったと気付く。本当にSirius Black はHarryを殺しに来るのか?じき新学期、Hogwartsにいれば安心?
感想
今回の新しい先生はRemus Lupin。いつもHarryの敵か味方かわからないような強烈な先生が登場するのですが、Lupin先生はとりあえず良さげな印象。Voldemortの名前をはっきり口にするところもよいではないですか。いろいろといいことを教えてくれそうだし。でも登場するからには ただのいい先生では終わらなそう、というのは感じます。何か意味ありです。
それと、かわいそうなHagrid。しょっぱなから大役だったのに、事件発生、出鼻をくじかれ自信喪失。彼が悪いんじゃないけど。この事件が後々まで尾を引くとは・・・。
終盤は見事です。それまでのあれやこれや、理由が明らかでなかったちょっとした描写や謎が一気に解決されて行くところ。なるほど、あれはそういうことだったのかーという感じ。再読だったので、このあたりの細かな伏線に気がつくことができてよかったかも。以前読んだ時よりは理解できたのではと思う、特に後半。以前は動物たちの描写なんて気にもしなかったけど、じつは逐一意味があった?小道具(魔法の道具)の使われ方も、一度ならず、二度おいしい、というところがいいです。
今回Harryの両親の事とか、その周辺の人間関係なども明らかになって、徐々に踏み込んできています。それにしてもHarryの
成長ぶりが頼もしいです。
これまで難しい単語は極力無視してきたけど、徐々にそうもいかなくなって、最近突然のお勉強モード(気まぐれ)で単語の学習に励んでいます。アンテナを張り巡らして頑張ってますが、いつまで続く?
「気になる表現」 以下は長くなりそうなので、明日にします。つづく・・・
Mr. Putter & Tabby Fly the Plane (Mr. Putter and Tabby) 情報 作者: Cynthia Rylant 絵:Arthur Howard ジャンル:ほのぼの 種類:ペーパーバック、絵本 YL:1.0 ページ数:38ページ 語数:908語 お気に入り度:☆☆☆☆☆ |
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Sandpiper |
ストーリー
Mr.Putterはおもちゃが大好きだった。街へ出かけるといつもおもちゃ屋に立ち寄るくらい。
ある日、おもちゃ屋で素敵なラジコン飛行機を見つけたMr.Putter。子供のころから飛行機が大好きだったMr.Putterはその飛行機を購入し、早速飛ばしてみることにしたのだが・・・。
感想
これまたいい話。Mr.Putter童心に帰ってます。Tabbyはおもちゃが好きじゃないみたい。老猫だから?おもちゃに驚いてなぜか出ちゃうしゃっくり。おもちゃに対する態度や表情がすごくおかしいです。ラジコン飛行機が気に入らなそうなTabbyですが、うまく飛ばせなくて悲しそうなMr.Putterをなぐさめる姿がいいですね。
Mr. Putter & Tabby Bake the Cake (Mr. Putter and Tabby) 情報 作者: Cynthia Rylant 絵:Arthur Howard ジャンル:ほのぼの 種類:ペーパーバック、絵本 YL:1.3 ページ数:38ページ 語数:866語 お気に入り度:☆☆☆☆☆ |
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Sandpiper |
ストーリー
クリスマス前、Mr. Putterはクリスマスプレゼントの事を考えていた。
ちょっと変わったものが好きなお隣さんMrs.Teaberryは毎年、クリスマスに固いフルーツケーキを食べていた。そこでMr.Putterは彼女に軽いふんわりしたクリスマスケーキをプレゼントしようと、ケーキ作りを始めるのだが・・・。
感想
ガッチガチのずっしりとしたフルーツケーキなんでしょうね、Mrs.Teaberryの好きなケーキって。落としたらつま先を骨折しそうなくらい、というんだから。何か想像できます。ふわふわのケーキを食べさせてあげたいと思ったMr.Putterはケーキ作りの経験もないのに一生懸命がんばります。かなり四苦八苦してます。Tabbyはというと、テーブルの上で見学。なんとボウルの中に入っています!おいおい。
私が持っているのは上記の表紙ではなく、説明を見ながら、必死にボウルの中身をかきまぜるMr.Putterとボウルに入ったTabbyの表紙。猫ってジャストフィットな入れ物好きねぇ~。
Mrs.TeaberryもMr.Putterの頑張りに答えてくれるところが温かくていいです。
気になる表現
The cake was not a cinch.
cinchって何でしょうか?と思って。
=something that is very easy to do
例)This cake is delicious,and a cinch to make.
(『Macmillan Dictionary』より)
Mr. Putter & Tabby Pour the Tea (Mr. Putter and Tabby) 情報 作者: Cynthia Rylant 絵:Arthur Howard ジャンル:ほのぼの 種類:ペーパーバック、絵本 YL:1.0 ページ数:38ページ 語数:550語 お気に入り度:☆☆☆☆☆ |
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Sandpiper |
ストーリー
一人暮らしのMr.Putter。一緒にマフィンを食べる相手も、お茶を飲む相手も、素晴らしい話を聞かせる相手もいなかった。
ある日、Mr.Putterは思った。・・・猫がほしい。
そこで猫を探しにペットショップへ行ってみたものの、お目当ての猫はいなかった。子猫ばかりなのだ。そこで、シェルターへ行くと、そこにはMr.Putterと同じように年老いた猫がいた。
Mr.Putterは彼女をTabbyと名付けた。
感想
前から読みたいと思っていたMr.Putter and Tabbyシリーズ。う~ん、最高!おじいさんと老猫の話。ペットというよりよき伴侶といった感じ?ペットショップの子猫じゃなく、シェルターの老猫を選ぶあたりがいいですね。日常の何気ないひとコマといった感じのイラストに思わず微笑んじゃいます。しょぼくれた感じのTabbyも目一杯幸せそう。猫独特のしぐさも表現されてて、おじいさんもなんだかキュート。短い話ですが、ちゃんと3つのチャプターに分かれています。
The Picture of Dorian Gray: Elementary Level (Macmillan Readers) 情報 作者:Oscar Wilde ジャンル:古典 ヒューマン 種類:ペーパーバック GR YL:3.0 ページ数:60ページ 語数:12953語 お気に入り度:☆☆☆☆☆ |
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Macmillan Education | |
ストーリー
ブロンドの髪、青い瞳をもった美しい青年Dorian Gray。パーティーでDorianに出会った芸術家のBasil Hallwardは彼の肖像画を描いていた。その肖像画は人には見せたくないほど素晴らしい出来に仕上がり、Basiは作品をDorianに譲ることにした。
しかし、問題はBasilの友人Lord Henry Watton(Harry)にDorianを会わせてしまったことだ。Harryの存在は、若く純粋なDorianに悪い影響を与えることは分かっていた。
案の定、Harryは若く美しいうちに、悪いこともいいことも、やりたいことはなんでもやって、人生を楽しむべきだ、などと会うたびにDorianに説いた。若いDorianはHarryの考えに影響され、Londonの街中を遊びまわるようになり、いつしか冷徹な心を持つようになってしまった。
そんなある夜、自分の肖像画が変化していることに気が付き、Dorianは驚いた。若く美しいDorianの肖像画ではなくなっていたのだ。
Basilから肖像画を譲り受けたとき、肖像画が自分の代わりに年をとってくれたら、と願ったことが現実となったのだ。
感想
オスカー・ワイルドの「ドリアン・グレイの肖像」の簡約版。Dorianの行く末が気になって、思わず一気読みするくらい面白かったです。肖像画がこういう役割で使われているのは意外で面白かったです。
とにかく同性から見ても魅力的でかなりの美貌を持ったDorian Gray。Harryの話に影響されて、その美貌と若さに執着し、恋愛で思い通りにならないとなると、冷酷で、自分勝手で、醜い心を持った人間になっていきます。どこまで堕ちていくのかDorian Gray・・・ああ、奈落の底まで・・・というくらいひどい。
Harryは何がしたかったのでしょうか?Dorianの美貌や境遇に惹かれるのはわかりますが・・・。この本ではthe evil thingという言葉以外に特に悪いことを言っている風には思えず。若いうちにやりたいことは何でもやれ、というのは、良いほうにも悪いほうにも聞こえますし。悪意があったのかなかったのか、単に面白がっているだけなのか、いまいち掴めませんでした。実際、どんな言葉でDorianをそそのかしたのか、何を教えたのか、原作を読んでみないことには分かりませんね。Dorianにとっては悪魔のささやきだった?
肖像画については自分の代わりに年をとっているというより、彼の内面の醜さを表しているのは明らか。彼もそのことはおそらく分かっていたはずですが・・・救いようがないですね。状況もDorianに都合のいいほうに転がり、誰も彼を止める人がいなかったのはDorianにとっては不幸だったかも。問題作って感じです。
同じように主人公が悪事を働く話、Crime and Punishment(PGR6)(09/10/23)よりは面白かったかな。Crime and Punishmentは、じめっとした雰囲気で悲壮感漂うのですが、Dorianは裕福な貴族でいまいち同情の余地がないし、肖像画の不思議さも手伝って、とことん堕ちて痛い目にあえばいいのさ、というスパッとした気分で読めました。
情報 |
ストーリー
1836年、London。
男性経験の全くない人気作家Amanda Briars。そんな彼女が30歳の誕生日に自分にプレゼントしたのはなんと、男・・・。男娼を買ったのだ。
そして誕生日の夜、約束通りやってきたのは、とりわけハンサムで魅力的なJackという男。どこか知的で、巧みにその気にさせるJackにAmandaは意を決して一夜限りの甘い夢を見ようとする。ところが、どういうわけかJackは途中でそそくさと帰ってしまったのだ。思いを遂げられずじまいのAmanda、呆然・・・。
それからしばらくして、Amandaは弁護士のパーティーに招かれた。その会場で会ったのは、なんとあのJack。
Jack Devlinは大手有名出版社の社長だった。
感想
これまたつかみはOKな始まりです。良くも悪くも。人気作家で、富も名声もそこそこあり、実際、男が入り込む余地などない生活を送っているAmanda。自立していてしっかりした女性。そんな彼女がなぜ、男を買う方向に走ったのかは(結局未遂)、読んでいく中で何となくわかるのですが、論理的にあれやこれや考えた結果?・・・案外カラッとした考えです。プライドはあるのよ。若いころは両親の介護で恋愛どころではなかったらしい(なぜか弁護・・・)。小柄でぽっちゃり、Jackに弱みを握られた状況でもかなり強気なところがかわいらしいAmandaです。
Jackは私の中では結構ポイント高いです。出版物に対する深い造詣、率直な物言い。仕事面でAmandaの才能を見抜くと、男性と対等に扱うあたりも好感。Amandaを尊重してくれます。本がまだ高級品だったこの時代、貧しい人こそ本が必要だから、という仕事上の志もすばらしい。
この話に限らないと思いますけど、登場人物がすごく魅力的です。Lisa Kleypasは男性にどんな言動をさせたら素敵に見えるか、女性が喜ぶかをよくわかっていらっしゃる。それが恋愛面だけじゃなく、というところがいいです。
終盤、JackがAmandaに、ある雑誌の仕事を任せようとします。でも世間の批判を受けると思って躊躇するAmandaにJackはこう言います。
"Set the world afire. Just let me hand you the matches."
(afireってa要るの?って思ったけど、要るみたいです。set~afireで「~に火をつける」という意味でのようです。文語的。)恐ろしくかっこいい事を言うなぁと思いました。自分がマッチを手渡すから、世界に火をつけろということですよね(多分世間に議論を巻き起こせとか、騒がせろ、というようなことかな?放火とかじゃなくって)もし仕事上で上司からこれだけ絶大な信頼を寄せられたら、俄然やる気になって徳用マッチ、擦りまくりの燃やしまくりでしょうね。
ある意味ベタで、意外性のある展開ではないのですが、山あり谷ありの結果、幸せ気分になれてすごく好き、この話。会話もすごくいい。
ただ、これまた引き合いに出しますが、Lady Sophia's Lover('09/11/2) よりもさらに濃厚で激しいラブシーンがあります。過激?・・・その判断は各自で。
気になる表現
More likely he'll push himself into an early grave.
early grave、単語から早死にするということだろう、とだいたい予想が付きますが、気になった理由は、以前読んだthe curious incident of the dog in the night-time('10/4/5)でも同じような表現を見たから。
→You are going to drive me into an early grave.
母親が自閉症の息子Christopherに言った恨み節。
『Cambridge Dictionaries Online』では
drive/send sb to an early grave
=to cause someone to die young
例)Sometimes I think these children are going to drive me to an early grave!
とあります。やっぱり子供がらみで苦労したら、こりゃ早死にするわ、って思うのね(笑)
ここではdrive~to an early graveですが、他の辞書を見るとtoのところがintoだったりするので、intoとも相性がいいのかな。
先日、『アンカーコズミカ英和辞典』をパラパラめくっていたら上記のSet the world afireに似たような表現を見つけたのでちょっとチェックしてみました。
その似たような表現とは、set the world on fire意味は「世間をあっと言わせるような(すばらしい)ことをする」。通常否定分で使われるようです。インフォーマルな表現。
Longman English Dictionary Online を見たら、
set the world on fire/alight
=to have a big effect or be very successful
例)としてHer last film didn't exactly set the world on fire.とありました。
Longmanでは特に何も書かれてないけど、Oxford Advanced Learner's Dictionaryではset the world alightはBritish Englishと書かれてありました。
『アンカーコズミカ英和辞典』にはset the Thames on fire(英)というのも載っていて、この表現の由来となったラテン語のテベレ川をイギリス風に置き換えたもの、とありました。ただちょっと古風な表現みたいです。
(2011/1/7加筆)
The School Story 情報 作者:Andrew Clements ジャンル:ヒューマン 種類:ペーパーバック 児童書 YL:4.5 ページ数:196ページ 語数:31095語 お気に入り度:☆☆☆☆☆ |
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Atheneum |
ストーリー
出版社に勤める母親の影響で小説を書こうと思い立ったNatalie、12歳。書いた小説を親友のZoeに読んでもらったところ、素晴らしい出来だから絶対に出版すべきだという。
でもどうやって?
Natalieの母親の出版社では毎日送られてくる原稿が出版されないまま山のように積み重なっているのだ。無名の作家で、ましてや子供が書いたものなど取り合ってくれるはずもない。しかし、読んでもらえれば絶対に出版できると確信しているZoeは考えた。・・・ペンネームを使うのだ。ZoeがNatalieのエージェントになり、正体を隠して、出版社に原稿を送って読んでもらうのだ。果たして・・・。
感想
知恵と情熱と友情の話です。
The School Storyというタイトルから、学校内で本を作るような規模かと思いきや、本気で本を出版しようというもの。どうせ出版するなら母親が働いているShipley Junior Booksでと考えるのですが、書いたのはNatalieだということは絶対に秘密です。やはり私情が入ったら公平で正しい判断ができないから。
それはそれはいろいろな困難がありますが、Zoeがすごいんです。かなりのやり手。ずば抜けた行動力とアイディア、自分の役割をちゃんと理解している様子。たとえ相手が大人でも関係なし、堂々たるものです。度々弱気になるNatalieを叱咤激励。自分の信じる道を突き進みます。将来が楽しみな小学生。
Natalieも天才。Natalieが書いたというストーリーが途中、少しだけ載っているのですが、確かに、ほほーっという感じです。読んだ人、誰もが絶賛するだけのことはあります。1、2ページだけなのに話に引き込まれる!それはこのストーリーにNatalieのある思いが込められているからなんですね。
親と子供、先生と生徒という関係にも注目です。
The Graveyard Book 情報 作者:Neil Gaiman ジャンル:ファンタジー 種類:ペーパーバック 児童書 YL:6.8 ページ数:289ページ 語数:67408語 お気に入り度:☆☆☆☆☆ |
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Bloomsbury Publishing PLC |
ストーリー
Jackという男がある家族を惨殺した。しかし、どういうわけか、1歳半の男の子だけが運良くその場から逃げだすことができた。家を出て、たどりついたところは墓地・・・。
そんな男の子を発見し、養子として育てることにしたのは死者Owen夫妻。Nobody Owen(Bod)と名付けられた男の子は安全のため、墓地の中だけで生活することが許された。個性的な墓地の住民、謎の男Silasらによってさまざまな教育を受け、そこで起こる危険で不思議な出来事を通じて、Bodは徐々に成長していく。
感想
墓地での冒険ファンタジー。赤ちゃんだった少年が章を追うごとに何歳かずつ年をとって、成長していく物語。冒頭の惨劇(残忍な描写はないです)、墓地での生活、おどろおどろしいのかと思いきや、意外とそうでもないです。怖そうな部分もあるけど、みんな(死者)、面白くて、やさしい。ところどころにあるイラストはちょっと不気味ですが、理解やイメージの助けになってくれます。
作者本人による朗読が聴けるということでNeil Gaimanのホームページへ。朗読会のビデオです。最初から最後まで無料で聴けます。The Graveyard Book Video Tourはこちら→(http://www.mousecircus.com/videotour.aspx)
ほぼ聴き読みで読みましたが、自分で読むより状況が思い浮かべられて分かりやすかったです。読むのが上手なんですねぇ。(米版での朗読です。上の表紙は英版)聴いてて気になったのが、客席から結構な頻度で笑いが起こること。そんなに面白い話なのか・・・。だいたいは何で笑ってるのか分からないけど、たまに面白さがわかると、なんだかひどく嬉しい。
やたらと単語が難しいところがあって、そういうところは理解度は今一つ。死者の会話とか、墓地用語?ファンタジー的な部分も読みにくいのかなと思いました。Bodが絡んでくる会話は比較的読みやすかったです。ユーモアも理解しなければとなると難易度は結構上がりそう。児童書の中でも難しいほうだと思う。(日本語訳も読んでみようと思って調べたのですが、未翻訳?)
Bodはとても素直に成長します。しかしやがて自分の家族がなぜ殺されたのかという疑問、犯人がいまだ自分の命を狙っている
という事実に向き合うことになります。でもBodは普通に生きている人間とはちょっと違う。特別な能力を身につけて、宿敵とどう対峙するのでしょうか?
それにしても成長するってことは、めでたさ半分、さみしさ半分だな・・・と思いました。
加筆(2011/6/12)
翻訳版が出版されたようです。読まねば。
墓場の少年 ノーボディ・オーエンズの奇妙な生活 | |
金原 瑞人 | |
角川書店(角川グループパブリッシング) |
情報
作者: Michael Bond
絵:Fred Banbery
ジャンル:動物、ほのぼの
種類:ハードカバー、絵本
YL:1.5
ページ数:29ページ
語数:700語
お気に入り度:☆☆☆☆
ストーリー
ある日、買い物帰りのPaddingtonはいつものように大好きなMr Gruberの店に立ち寄った。するとMr Gruberは店のシャッターを閉めるところ。聞くとEaster Mondayということで、Paddington、Jonathan、Judyをある場所へ連れて行ってくれるという。
早速、マーマレードサンドイッチを作ったPaddington。サンドイッチをスーツケースに詰め込んで、みんなでバスで向かった先はthe Tower of London!
感想
今回は観光気分。スーツケースは食べ物入れなんでしょうか?詰めすぎ?Towerの守衛さんにあいさつ代わりに一枚あげたりして(笑)もしかして名刺代わりとか?もらったほうの彼の表情も面白い。そのサンドイッチのおかげで、Paddington何かに狙われてますよ。
The Invention of Hugo Cabret: A Novel in Words and Pictures 情報 作者:Brain Selznick ジャンル:その他 ミステリー 種類:ハードカバー 絵本 YL:4.0 ページ数:525ページ 語数:24820語 お気に入り度:☆☆☆☆ |
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Scholastic |
ストーリー
1931年パリのとある駅。
父親を亡くしたHugo Cabret、12歳。おじに引き取られて駅の時計の点検、管理をする仕事を手伝いながら生活することになった。しかし、ある日突然おじが失踪。ほとんどのところは盗みで生活していたが、不審がられるのを嫌い時計の点検の仕事は続けていた。
そんなHugoの宝物は彼の父親が書いた一冊のノート。時計技師だった父親が、働いていた博物館で見つけたペンを持ったからくり人形。その人形の仕組みなどが詳細に書かれてあるノートだ。すでに動かなくなったからくり人形を父親の遺志をついでなんとしても修理をして人形の謎を解きたい。それに父親のメッセージが込められているかもしれないのだ。
修理するためには、ノートのほかに部品が必要だ。駅のおもちゃ屋で部品を失敬したいHugo。店の主人のすきを見て近づくものの、捕まってしまい、大事なノートを取られてしまう。
感想
Caldecott Medal Book。Brain SelznickはAndrew Clementsの本のイラストを描いている人です。たまたまThe School Story(まだ記事は書いてません)というClementsの本を同時に読んでいたので気がついたのですが、じゃなかったら気がつかなかったかも。他に読んだClementsの本はFrindle(10/3/29) 。
この本どういうジャンルにしたらいいのかちょっと迷いました。推理物やなぞ解きではないと思うのですが、謎が多いです。徐々に謎が明らかになっていきますが、新しい謎もどんどん出てくる感じです。Hugoはおもちゃなどすぐ修理しちゃうくらい器用なんですが、いかんせん手くせが悪くて・・・。ほしいものはとりあえず盗んじゃう。そっちのほうで器用さを発揮するしかないのはかわいそうだけど・・・。このままだとスリのプロにでもなってしまいそうです。からくり人形の謎もさることながら、ほったらかしのHugoのことも何とかなればと気にしながら読んでいました。更生の道は・・・どうでしょう。
読み出だしたときは全く知りませんでしたが、事実に基づいている所もあるんですねぇ。
全ページのうち284ページほどがBrain Selznickが描いたイラストです。いったい全部描くのにどれくらい時間がかかったのだろうか、という分量です。鉛筆描き?すごいです。
絵のみで語るシーンが数ページ、文章で語るシーンが数ページ、を繰り返します。一見イラストが多いように感じますが、語数も2万語以上あるので、結構読み応えあります。イラストだけのページをめくっていくのは楽しかったです。こういう形式の本を書こうと思ったら、これだけの枚数のイラストはやはり絶対に必要だなと感じました。めくるたびに、徐々に手元のアップになっていくようなところとか、同じように人の顔や瞳に近づいていくようなところは、映画のワンシーンを切り取ったようです。って映画化されるようです。映画もこのイラストに忠実だったらいいなって思いました。
心に残る表現
If you lose your purpose...it's like your broken.
表紙はカラフルですが、背表紙と裏表紙はこんな感じのHugoの顔のイラストです。中身もほとんどこういう白黒のイラストです。裏返して置いておくとドキッとしますよ。500ページ以上あるからぶ厚い。