Big Fat Cat AND THE GHOST AVENUE (BFC BOOKS) 情報 作者: Takahiko Mukoyama ジャンル:その他 種類:和書 YL:3.0 ページ数:本文47/94ページ 語数:3929語 お気に入り度:☆☆☆☆☆ |
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たかしま てつを | |
幻冬舎 |
ストーリー
またしても不運に見舞われたEd。もう望みはなくなってしまった・・・。
いなくなったcatを探しに出かけたEdだったが、疲れと寒さで倒れこんでしまう。そこはGhost Avenueといわれるところ。ホームレスの老人Willyに助けられたEdはかつて映画館だった建物で他のホームレスたちと一夜を過ごすことになった。
感想
図書館本です。前の2作よりちょっとレベルが上がっている感じです。この先また何か起こりそうな気配。一度すべてを失っているEdなのにまたしても・・・かわいそうなEd。前回にもまして相当まいっている様子。でも大切な出会いがあったようです。希望の光だといいのですが。そんなEdに対し、何も考えてなさそうな、デブネコのキャラクターがかなり効いてます。
後半の解説は前回まで読む時間がないまま返却していたのですが、今回は読んでみました。結構面白い。多読の基本でもある「飛ばして読む」ということを中心に書かれてありました。
前回までと文章の印象が違うなと思ったのは、本格的な小説になっているからということのようです。本格的な小説になると文に飾りが多くなるので、そういう本筋に関係のない飾りは飛ばして読んでも十分に話を楽しめる。物語の「動力源」になっている文章は意外と少ないのだよ、ということでした。
なるほど、飾りがあるなしでは、こんなに違うものかと思いました。雰囲気や味わいが全然違います。物語の味わいというのは、こういう飾り部分の言葉の使い方や表現方法にあるのかもと思いました。確かに飾りがなくても話は十分に分かります。でも最近「話を理解できればよし」から「表現や物語を味わいたい」(←今のレベルじゃおこがましい。目標ね。)という欲が出て来てるので、そうなるには飾り部分の感覚に訴えてくるような表現を理解できるようになることが必要なのだなと思いました。もちろん楽しむために適度に「飛ばして読む」ことも忘れてはいませんけどね。
Nate the Great and the Sticky Case
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Marjorie Weinman Sharmat | |||
Yearling |
ストーリー
ClaudeがNateを訪ねて来て、ステゴザウルスの描かれた切手をなくしてしまったので、探してほしいと依頼してきた。Annie、Pip、Rosamondの3人に恐竜の切手を見せた後、なくなっているのに気がついたという。早速捜査開始!
感想
図書館本です。またしても物をなくしたClaude・・・。なぜなくなったのか早々に見当がついちゃうんだけど、悩みに悩んで、ヒントを求めに博物館にまで恐竜を見に行っちゃうところがいいね。分からなかったら、まず行動だ!
stickyってやっかいな、困った、という意味もあるんですね。知らなかった・・・。やっぱりべたべた、ねばねばのイメージからそういう意味が出てきたのかな?
昨日(11/2/21)のThe Shadow of the Windの続きです。
気になる表現
Never look a gift horse in the mouth...
去年読んだDevil in Winterにも出てきた表現。この表現は単に変わった表現だなと思ったので調べたのですが、調べた表現がさっそく出てきたら、やっぱりうれしい。意味はこちらの過去記事、気になる表現2を参照。
心に残る表現
この本が本が好きな人におススメと思うのはDanielが少年時代に出会った本をずっと愛し続けるということ以外に、本をこよなく愛する人たちが本に対する考えを述べるところが印象的だからです。Danielの父親がthe Cemetery of Forgotten Booksで言った「本には魂がある」という話もその一つですが、ハッとさせられたのはJulian Caraxの以下の言葉。なんだか深いような気がして。本について述べているようですが、実は本を読む人間の中身が問われているのではと思いました。これとほぼ同じような言葉をラストでも違う人物が言っています。
"Books are mirrors: you only see in them what you already have inside you," answered Julian.
ということは、本を読めば自分自身が見えてくるし、自分という人間以上のものはその本からは得られないし、中身が空っぽな人間はいくら素晴らしい本を読んでもそこからは何も見出せないということにもなります。本を読んで、こんな話ありえな~い、というおマヌケな感想しか出てこなかったなら、それは本に問題があるというより、自分自身のほうにありえない問題があると考えたほうがいいのかもしれません。本という鏡を見る前に自分自身をピッカピカに磨かないとね。
日本語版は文庫本で上下巻。
風の影 (上) (集英社文庫) | |
木村 裕美 | |
集英社 |
The Shadow of the Wind
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Lucia Graves | |||
Penguin (Non-Classics) |
ストーリー
1945年 バルセロナ。
夏の初めの早朝、もうすぐ11歳になるDanielは、古本屋を営む父親に誰にも言わないと約束させられて、ある場所へと連れて行かれた。そこはthe Cemetery of Forgotten Booksと呼ばれる限られた人しか知らない秘密の場所。大量の忘れられた本が眠る場所だ。
この場所に初めて来た人間はここから一冊だけ本を選べるという。その本がこの世からなくならないように一生守るのだ。
そしてDanielは一冊の本を選んだ。なぜかDanielが生まれる前から彼を待っていたと感じられたその本は、Julian Caraxという作家が書いたThe Shadow of the Windという小説。
その本を夢中で読みふけるDaniel。すっかりThe Shadow of the Windの虜になったDanielは、Julian Caraxのほかの作品も読んでみたいと思うのだが、古本に詳しい父も聞いたことがないという。そこで、父の友人でやはり書店を営む博識のGustavo Barceloに聞いてみた。Danielは彼から、The Shadow of the WindがJulian Caraxの最後の小説であるということ、そして彼の本は、ある理由から市場には一冊も出回っていないということを知らされる。Danielが持っている本以外一冊も・・・。
一体、Julian Caraxは何者なのか?彼に何があったのか?
その後、Danielは長い年月をかけてJulian Caraxという若い作家の謎の人生を解き明かしていくことになる。
感想
ずっと日本語で読もうと思っていた本なのですが、頑張って英語で読みました。駄目だったら、日本語一本に絞ればいいやという考え。相当難解だろうと思って取りかかったので、想像していたほど読めなくはありませんでしたが、比喩を駆使した高度な文学的表現は私にはお手挙げ。日本語だと感動的な表現も英語だとちんぷんかんぷん。原書がスペイン語なのでスペイン語の固有名詞の読みにはちょっとてこずりました。でも会話部分は比較的読みやすいような気がしました(話す人によりますが)。一つの章が短めなのも助かりました。
複雑で見事な筋立て。時代のせいもあり、暗めで重めの雰囲気で話は進んでいきます。Daniel少年が運命の本、The Shadow of the Windを手にしてから謎が完全に解き明かされるまでおよそ10年、テンポがよいわけではありませんが、とにかく見事というほかありません。ストーリーから、表現から、人物像の掘り下げようから、何から何まで。
主人公Danielの恋愛を軸にした彼の成長物語なのですが、一方ではJulian Caraxを中心とした愛と憎しみの物語でもあります。この二つの物語が話が進むにつれ絶妙な交錯を見せるのです。でもあまり詳しくは言えません。
父親が前面に出ていることもこの話の特徴かなと思います。温かく優しく息子を見守るDanielの父親はともかく、誰も彼も到底手本にはならない父親たちですが、父と子という関係は作者が描きたかったことの一つかなという気がします。ちなみにDanielを虜にしたJulian CaraxのThe Shadow of the Windも主人公が実の父親を追い求める話です。
読んでいくと現在のDanielと過去のJulian Caraxの人生がどんどん近付いて、奇妙に符合してくるのに気が付きます。そしてJulian Caraxの過去に何があったのか、知りたくて仕方がなくなってくるのです。終盤はさらに重苦しく、なんだか居たたまれなくて耐えがたいシーンもあるのも事実です。Julian Caraxの謎が解き明かされるところでは、なんだか胸が張り裂けそうで、思わず目を閉じて頭を抱えてしまいましたけど、最後まで読めばまず後悔することはないと思います。この本をlabyrinthと形容している文章がいくつかあったと思うのですが、本当にそんな感じです。もう一度読んだら今度は違う道を通って、違う景色を見れるかもしれないという気にさせてくれます。
☆10個あげても惜しくはないですね。限界超えです。ネタばれせずにこの物語のすごさを説明できる言葉を持ち合わせておらず、こちらも限界超え。もちろん難易度も限界を超えていましたけど。魂にまで響いてくるような一冊です。
気になる表現・・・長くなったので、続きはまた明日!(11/2/22)
心に残る表現
Mercy Watson Goes for a Ride
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Chris Van Dusen | |||
Candlewick |
ストーリー
毎週土曜日、ランチの後にMr.Watsonは車で外出する。それにMercyは必ず付いていく。しかも運転する気満々で毎回運転席に乗り込むのだ。でもブタは運転できない。なんとかMercyを助手席に座らせ、出発!
しかし、驚いたことに、後部座席に誰かが乗っている・・・。そして、Mr.Watsonがちょっと目を離したすきに、これはチャンスとMercyは運転席のMr.Watsonの膝の上に飛び移ったのだ!
感想
超幸せブタMercy。どうしてもハンドルを握ってみたいようです。ちゃっかり運転席に乗り込んでいるMercyのイラストがかなりウケます。それぞれの性格が絵によく表れていて面白いです。子供に車に乗るとき守るべきことを教えるのにもいいかもしれませんね。こんなことをしたら、こんな目にあっちゃうよっ、という。
ちなみに右上のメダルはTheodor Seuss Geisel Honor Book。
Dog Loves Books
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Red Fox |
ストーリー
Dogは本が大好き。本がとても好きなので、本屋さんを始めることにした。
準備万端、オープン当日・・・お客さんが一人も来ない・・・。
待っても待ってもお客さんが来ないので、Dogは・・・。
感想
本が大好きなイヌくんの素敵なおはなし。本が好きだったら、あるいは本屋さんをやるんだったらそうこなくっちゃ、という展開。うん、うん、そうだねって思いました。お客さんが来なくて、イヌくんがしたことはなんでしょう?
Mercy Watson to the Rescue
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Chris Van Dusen | |||
Candlewick |
ストーリー
Mr.WatsonとMrs.Watsonと一緒に暮らしているブタのMercy。毎晩寝る前にふたりに歌を歌ってもらう。でもそれが終わったら、二人はMercyにおやすみのキスをして、電気を消してしまうのだ。なんだか暗いし怖い。
ある晩、Mercyは自分のベッドを抜け出して、Mr.WatsonとMrs.Watsonのベッドにもぐりこむことにした。みんなで幸せな夢を見てすやすや寝ていると、なんとベッドの下の床が壊れだしたからさあ大変!
感想
とても紙質の良い、ずっしりしっかりしたペーパーバックです。でも安いの。イラストも絵本並みにたくさんあってすごくカラフルで綺麗。全6シリーズあります。
MercyはWatson夫妻に飼われているというより一緒に住んでいるという感じの超幸せブタ。ブタ扱いではないのです。ベッドに寝て、歌を歌ってもらって、好きな食べ物はバタートースト。Watson夫妻にとっては娘同然みたいです。そんな夫婦のピンチにMercyは全くのノーテンキ。お~い、どこへ行くの~~という感じ。食べ物のことしか頭にないの。お隣さんの老姉妹との関係も面白いね。愛すべきノーテンキなキャラMercy。今後も騒動を起こしそう。
Nate the Great and the Phony Clue
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Marc Simont | |||
Yearling |
ストーリー
朝のランニングから帰ってきたNate。すると玄関先にVITAと書かれた紙切れを発見。一体どういう意味が?・・・気になったNateは調べてみることにした。
感想
今回も鋭い観察眼と記憶力が冴えわたります。そんなものが気になっちゃうの?というNate。これは事件なのか?という感じですが、確かに事件なのです。どんな小さなことでも気にとめて、とことん調べてみる、ということは子供にとっては大切ですよ。今回も個性的なキャラクターが結構出て来て面白いです。
The Voyage of the Dawn Treader (rack) (Narnia)
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Pauline Baynes | |||
HarperCollins |
ストーリー
PeterとSusanが両親とともにアメリカに行っている間、EdmundとLucyは不運にもいとこのEustace Clarenceの家にあずけられることになった。Eustaceは意地悪で変わり者。ふたりは彼の家で過ごさなければならない事がいやでたまらなかった。
ある時、EdmundとLucyは部屋である絵を見ていた。その絵は海にうかぶ船の絵で、船首がドラゴンの頭の形になっている。まるでNarniaの船のようなので、二人はこの船の絵が大好きだった。そんな2人をからかって馬鹿にするEustace。
しかし、絵に描いてある波が急に動いたかと思ったら、風が吹き、絵から波があふれ出て来て3人ともNarniaの海へ投げ出されてしまった!
3人を助けてくれたのはKing Caspianだった。Pevensie兄弟姉妹の4人が前回Narniaを離れてから3年がたっているとのことだった。王としてうまくNarniaを治めているCaspianだったが、おじのMiraz時代に行方知れずになったCaspianの父の友人7人の安否と居所をつきとめるべく、航海をしているという。そしてさらに東の果てのAslan’s countryを目指すというのだが・・・。
感想
前回Prince Cspianに別れを告げてNarniaを離れてからさらに1年後の話ですが、Narniaでは3年が経過しているようです。2度目のNarnia訪問のときは最初の時から千年以上たっていたから、今回はまだまし。知り合いも多いし、話が通じやすいってもんです。行方不明の7人はCaspian派だったのでしょうか?おじのMirazにはめられて東の海へ行かされ、半ば追放されたという感じです。そんな7人を追って不思議な冒険を繰り広げます。
たまたま付いてきちゃったという感じのNarnia素人のEustaceは初めはかなり問題児ですが、重要な経験をして成長。今後も重要な役割を担うのかな?
今回は不思議度がアップしていて読んでいてNarniaの世界にどんどんのめり込んでいくのが自分でも分かりました。世界の果てって本当にこんな感じかもって・・・。
ちょっと読みにくいです。Prince Caspianの時も最初は余裕と思ったのですが、途中から急に読みにくく感じるようになりました。今回も難しい単語が出てくるわけでもないのですが、なかなかサラッとは読めませんでした。でも面白し!
『第3章アスラン王と魔法の島』の試写会に当たっちゃいました。やったぁ~行ってきま~す!
Nate the Great and the Lost List
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Marc Simont | |||
Yearling |
ストーリー
ある朝、休暇をとっているNateのところに友達のClaudeがやってきた。買い物リストをなくしてしまったので、お昼までに探してほしいというのだ。そこで、地図を描いてClaudeが通ってきそうな道をたどってみた。
感想
図書館本です。なんでもなくしてしまうというClaude。自分がどの道を通ってきたかもわからないみたい。この調子だと彼は人生にも迷いそうですね・・・。短い会話のやり取りがとても面白いシリーズです。このくらいだったら文章を見なくても、オーディオブックだけでもいけるかも。音源をゲットしよう。