Alice's Adventures in Wonderland & Through the Looking-Glass (Bantam Classics) | |
情報 作者:Lewis Carroll ジャンル:ファンタジー 種類:ペーパバック 児童書 YL:6.5 ページ数:118(Alice’s Adventures in Wonderlandのみ) 語数:約25000語(Alice’s Adventures in Wonderlandのみ) お気に入り度:☆☆☆☆☆ |
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Bantam Classics |
ストーリー
ある日、Aliceは土手で本を読んでいる姉の隣で退屈していた。すると突然白いウサギがしゃべりながらAliceのそばを走りすぎていった。後を追いかけて行ったAliceはウサギの穴に落ちてしまう。食器棚や本棚で埋め尽くされた穴の壁を見ながら深い穴をゆっくりと落ちて行ったAlice。ようやく底に降り立ったAliceは奇妙な世界を彷徨う。
感想
私が持っているのは上記表紙のものではなく、下記の本(なので上記本の中身はどうなっているのか分かりません)。文字の詰まり具合や印刷の具合(イラストもなんか黒い・・・)などから開いたとたんにすぐさま閉じたくなってしまうという代物で、長年ほったらかしにしていました。開いては閉じを何回繰り返したか分かりませんが、Audibleで音源を入手したのでこれを機会に一緒に聞き読み。そんなに長い話ではないんですよね。英語もそれほど難しくはないと思うのですが、言葉遊びなど理解に困るところが結構あるので読みにくい部類の本だと思います。
自分ではちゃっかり分かったつもりでいますが、たぶん気付かずに素通りしている部分がかなりあるかもしれません。意味を理解するというより、世界観を味わう本ですね。以前GRや日本語の絵本で読んだことはあった話ですが、短すぎて良く分からなかった記憶があります。中途半端に読むくらいだったら、日本語ででも英語ででもちゃんと読んだほうが面白いと思います。くれぐれも大人の目は閉じて読んでね。
Alice's Adventures in Wonderland and Through the Looking Glass | |
Martin Gardner | |
Signet Classics |
Outlander | ||
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Delta |
ストーリー
1945年、第二次世界大戦終了後。従軍看護師として4年間働いてきたClaire Randall(27歳)は新婚旅行の思い出の地、スコットランドはHighlandに夫Frankとともに旅行にやって来ていた。
滞在地の近くにあるストーンサークルを一人で訪れたClaireは石が叫んでいるような奇妙な音を聞き、突然気分が悪くなり意識もうろう・・・。
気がつくと目の前には映画の撮影か何かと思わせるような時代がかった衣装を着た男たち・・・。帰ろうとすると一人の男に捕まってしまう。男は夫Frankに瓜二つ・・・。実は彼は夫Frankの先祖で、18世紀にこの地方で悪名をとどろかせていた英国陸軍の大尉Jonathan Randallだった。Claireは1743年にタイムスリップしていたのだ。
不愉快な悪人Randallから運よくスコットランド人一行に救われたClaire。一行の中に肩に重傷を負ったJamie(23歳)というの青年がいてClaireは彼の手当てをすることに。Jamieはクビに賞金がかかったおたずね者だった。
Claireは一行と共に彼らの本拠地Leoch城へ。そこにいたのは領主であるColum Mackenzieとその弟DougalははじめとするMackenzie一族。Claireは医学の知識があるからと城で病人やけが人の手当てなどをして過ごすことになった。再びストーンサークルへ行く隙をうかがいながら・・・。
しかし城を抜け出すのは容易ではなかった。しかもRandall大尉がClaireを引き渡せと言ってきた。スコットランド側がイングランド人であるClaireの引き渡しを拒否するわけにはいかない。そこで領主の弟Dougullがある提案をしてきた。結婚してスコットランド人になれというのだ。相手はあのおたずね者Jamie・・・。
ちょっぴりネタばれあるかも。
感想
究極の選択(?)。
やさしくて理解のある大学教授のうんちく夫(30代後半)と穏やかに安定した生活を送るか、それとも君を命をかけて守ると誓う若くて威勢のいいイケメンおたずね者童貞男と野山を走り回るか。
う~ん、悩む?
自分がClaireの立場だったら?と考えながら読んでましたが、実際その場にいたらどっちを選ぶか考える間もなくソッコー現代に逃げかえってくるかも。この時代特有の野蛮な所業の数々にはちょっと辟易。数々の快適で便利な最先端機器の恩恵にあずかりすぎている現代人にはこのシンプルさとワイルドさには耐えられそうにありません。1945年に生きるClaireですらやはり200年近くのギャップはキツそう。でもClaireは強い・・・。戦争の惨禍をくぐりぬけてきているし、やわじゃないわ。ちょっと突飛な行動に出たりしますけど、思い切りがよくはっきりした物言いなどは現代でも通用しそうです。(でもオオカミと戦う強さは現代には不要よ)
彼女を看護師の設定にしたというものうなずけます。ストーリー上ちょっと進んだ医学的知識を持った人間が必要なのです。なぜならJamieってばいつも心身ともにズタボロ・・・。目の前で人が傷つくのを見るくらいなら自分が犠牲になったほうがまし、という人間なんです。他人やClaireを守るためにズタボロ、そうでなくてもズタボロ。あぁ~、ひどい仕打ち。Jonathan Randallの、と言いたいところですが、実際は作者のドSぶりがうかがわれるような気が・・・。
Jamieは最初はちょとクールで繊細な印象がありますが、そこは血気盛んな若い戦士。成長著しく、男としてのイニシアチブをとりたがって気の強いClaireと激しくぶつかり合います。生きる時代が違ううえに秘密の多いClaire、そんな2人がお互い理解し合うっていうのは大変なことですね。Jamieに関しては、あの時は何でもない風を装っていたけど、内心はこう思っていたと後になって語るパターンが結構あります。こういうの私的にはツボでしたね~。
二人を苦しめるJonathan Randallもこの話の重要人物でしょう。顔はClaireのやさしい夫Frankにそっくりなのに、内面は似ても似つかない男色の本格的サディスト。Randallの狙いはJamieなのです。Jamieは女性にもモテるんですが、男色の殿方にもモテモテです。でもなんだかんだのワケありで23歳まで童貞のまま、Claireにそちらの手ほどきを受けるという・・・なんともしっくりこない設定と思っちゃいましたが・・・。
タイムスリップするまでがちょっと退屈なので進み具合も良くなかったのですが、タイムスリップしちゃえばこっちのものです。二人の行く末が気になってページをめくる手が止まらなくなることうけあい。☆4つの理由は面白いけど私の好みからはちょっとズレているから。
30万語弱と、ちょっと長い話です。いちいち細かいのです。さては18世紀のスコットランドに取材に行ってきたな、と思うほど。読みにくくはないのですが単語がちょっと難しい。スコットランドなまりとかは最初は戸惑いますが慣れれば何となく・・・。スコットランドの文化、風俗、歴史など知っていればよいのでしょうけど、とくに知らず読み進めてしまいました。うっすらとした知識だけでも何とかイメージできました。
このボリュームの本、この先何巻待ち構えているのやら・・・。知らずに読み始めたのは軽率?便利な最先端機器(Kindleなど)があれば楽チンだろうなぁ、とチラッと思うのはこんな時・・・。でもまだまだ印刷物のずっしりとした重みを両手に感じながら読むことになりそうです。。。
Harry Potter and the Deathly Hallows (Harry Potter 7)(UK) Adult
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Bloomsbury Publishing PLC |
ストーリー
Dursley家を出ることになったHarry。念のため不死鳥の騎士団の仲間が護衛をする形で隠密に移動をすることに。6人がHarryに変身し、影武者になってそれぞれ出発。ところが直後にDeath Eaterに襲われてしまう。情報が漏れていたのだ。死者を出しながらもなんとかRonの家までたどりついたHarryら。
そこへ意外な人物がやってきた。魔法省の長官Rufus Scrimgeour。Dumbledoreの遺言に従い、Harry、Ron、Hermione の3人に遺産を渡しに来たのだ。理由も分からぬまま、それぞれ品物を譲り受けた3人。Horcruxes(分霊箱)を探す手助けになるかもと考えた3人だが、謎は深まるばかり。
こんな状況の中でもRonの兄BillとFleurの結婚式が行われようとしていた。結婚式が始まると、またもやDeath Eaterが攻撃を仕掛けてきた。魔法省が敵の手に落ちたのだ。なんとかその場を逃げ出したHarryたちだが・・・。
感想
映画『死の秘宝パート2』を見に行く前になんとか読み終わった本書。ようやく読み終えて大満足。
今までのモヤモヤした謎がすっきり解けます。Harryにそんな秘密があったとはねぇ・・・。そりゃ、Dumbledoreもはっきりとは言えないはずです。思いもかけないピュアで悲しいエピソードもあり・・・ああ~、ネタばれ厳禁!
前作#6よりはずいぶん読みやすいような気がしました。ただ、白いキングスクロス駅のシーンは英語力不足のためか、ベンチの下の物体(生き物?)が何なのか本を読んだ時点ではさっぱり分からなくて(にぶい?)、映画を見てようやく理解できたのでした。あと、杖の持ち主が誰かという話は映画を見ても良く分からず・・・。このあたりは分からなくても特に気にはなりませんでしたが。
その他はまあまあ理解できたと思います。
やはり子どもにだけ読ませるにはもったいないシリーズです。ぜひ!
気になる表現1
To Miss Hermione Jean Granger, I leave my copy of The Tales of Beedle the Bard, in the hope that she will find it entertaining and instructive.(143ページ)
'Well,'said Lupin. He hesitated, then pulled out a folded copy of the Daily Prophet.(231ページ)
copy=(同一書籍・新聞・雑誌の)部、冊(同一CD,レコードなどの)枚。(『アンカーコズミカ英和辞典』より)
やはりcopyというとコピー機で複写するイメージが強くて、もしかしたら今まで上記のようなものを"コピーしたもの"というイメージで読んでいたかも。いつもコピペばっかりしているというのも原因かもしれません・・・。(copyにはもちろんコピー、複写という意味もあります。)
Dumbledoreの遺言でThe Tales of Beedle the Bardをコピーしたやつをあげるなんて、いくらなんでもありえないよね。
気になる表現2
'We know your scar hurt downstairs, and you're white as a sheet.(259ページ)
ものすごく顔色が悪いことを"シーツのように白い"って言うんですね。こんな表現どこかで何度かお目にかかったのですが、どこに出てきたかは忘れました。
Harry Potter and the Half-Blood Prince (Harry Potter 6) (UK) Adult edition
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Bloomsbury Publishing PLC |
スト―リ―
いつものようにDursley家。Harryは1通の手紙を受け取っていた。驚いたことにDumbledore校長直々にDursley家にHarryを迎えに来るという知らせだった。
さらに、Harryに手伝ってほしいことがあるという。その手伝いというのがDumbledoreの元同僚Horace Slughornに再び教壇に立ってもらえるように説得するというものだった。才能ある若者が大好きなSlughorn。Harryの存在で彼はHogwartsに戻ることを了承した。どうやらDumbledoreはSlughornから何か重要な情報を引き出したいらしい。
その後、Diagon AlleyでDoraco Malfoyに出会ったHarryとRon、Harmioneは彼の不審な行動を目撃する。Borgin and Burksという店で店主を脅していたのだ。何かを修理したがっている様子。Hogwartsに戻ってからもMalfoyの行動はますますあやしくなるばかり。何か企んでいるのではと疑うHarryだが、Malfoyのことなどを気にしているのはHarry一人だけなのだった。
感想
最初の2章はHarryらは出て来ません。わたし的には面白く読みましたが、後々何かつながりがあるだろうと考えて我慢我慢。第1章は魔法界に振り回される英国首相の苦悩。第2章はBellatrixとNarcissa(Draco Malfoyの母)姉妹とSnapeとのやり取り。う~ん、何かありそう。
今回、Pensieveを使って過去の記憶を見学するシーンがかなり多いです。映画にもあった孤児院でのTom RiddleとDumbledoreのやりとりとか。Voldemortが悪の道に走ったのには何かそれなりの理由があるのではと思っていましたが、なんだか最初から悪っ!子供のころからあくどい事を考えて何かを企んでいたのね・・・。彼の生い立ちなど、それほど興味があったわけではないけど、知らされると結構気になるものです。彼が若いころ何の職業に就いていたとか、就きたがっていたとか、そんな話もあって、職業とは無縁の存在のように思えたVoldemortの生身の部分が見え隠れ。へぇ~Voldemortそんなところで働いてたんだ~。
特にVoldemortの祖父、両親の時代にさかのぼってのエピソードが興味深く、面白かったです。Voldemortの意外な(?)家族構成というか、出自というか・・・。#4冒頭のTom Riddleの家にまつわるつじつまの合わなかったエピソードがようやく理解できました。なるほどそういうことだったのか~という感じです。
とにかくここに来てVoldemortの過去に関する情報が満載。彼の過去が予言と関係していて、とても重要だというDumbledore・・・。何が?どういう風に?・・・まぁ、戦う前にまずよく敵を知ることは大事なことでしょうけど。前回の事もあってかDumbledoreはHarryにできるだけ情報公開しているようです。ここまで来たらHarry頼みだから当然ですが、今思えばHarryにできるだけのことを託さなければ・・・という思いがあったのかも、と思いました。
単語がかなり難しいような気がしました。ここまで読んだら少し慣れてもよさそうですが、単語の難しさはお手上げ。5月の頭に読み始めて一ヶ月くらいで読めるとたかをくくっていたら、全然終わらないでやんの~。ハリポタなめんなよ、って感じですよね。6月は#7を読んで、7月半ばに映画の最終章Part2を見る、というプランだったのですが、なんだか雲行きがあやしい。映画に追い付け追い越せで読んできたわけではないのですが、ここに来て多少でも映画より原作を先に読めるかも~と思っていたのがちょっと甘かったですね。でも読んでます。#7。
The Last Battle (rack) (Narnia)
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Pauline Baynes | |||
HarperCollins |
ストーリー
池の底から死んだライオンの皮を見つけたサルのShift。ずるがしこいShiftはお人よしのロバPuzzleにその皮を着せて、彼をAslanと偽って皆を従わせることを思いついた。
Aslanがあらわれたという知らせはNarniaの王Tirianのもとにも届いた。それとともに森で木を切り倒してい者がいると聞いたTirian王はユニコーンのJewlとともに急いで調べに走った。しかし、そこで見たのはAslanの命令だと言って、物言う動物たちに鞭打ち、木を切り倒しているCalormenの人間たちだった。彼らに捕まってしまったTirianとJewelはShiftのもとに連れて行かれ、木に縛り付けられてしまう。
一方、Pevensie兄妹らと食事をしていたEustaceとJill。そこに突然、亡霊のようにあらわれたNarnia風の人物(Tirian)に驚く一同。何も言わずに消え去ったその人物に、これはNarniaに何か重大なことが起こったのではないか、Narniaに行って確かめなければ、と思う一同だがどうやってNarniaに行くかが問題だ・・・。
感想
Caspianの息子Rilian王の時代から200年以上は経っているとのこと。
最初にサルとロバが出て来て一体何の話かと思いますが、この一匹のサルの悪知恵から破滅が始まります。この悪巧みにCalormen人が乗っかり攻め込んできます。Tirian王は立派な王ですが、なにせ味方が少ない。王様なんだからもっとお供を付けなされ、という感じです。
The Silver Chair(11/3/31)で活躍したEustaceとJillがTirianを助けにNarniaへ行きます。どうやって行ったかはネタばれになるので言えませんが、どうにかして行きます。前回Narniaで旅をした経験がかなり役に立っていて、Jillなどはサバイバルはお手の物という感じですごく頼もしい。しかし、サルに裏をかかれてどうにもならず。The Last Battleというタイトルから大軍勢対大軍勢という派手な戦いのイメージを勝手に持っていたのですが、そうじゃないんですね。本当になすすべもなく、虚しい抵抗といった感じです。前回Magician's Nephew(11/5/12)でNarniaの誕生の話を読んだばかりだというのに、なんだか不思議な気がします。
この長い年代記が、Aslanの衝撃的な一言で終了するとは・・・。そんな事実を突きつけられるとは思わず、あら?ぬか喜び?
でも最後は自分もふわふわと飛んでいるような気分を味わいましたよ。
こういうラストをこちらの世界では悲劇というのは間違いないと思うのですが、最後に作者の数十行の感動的なフォローがあるおかげで、なんだかハッピーエンドっぽい雰囲気。エンドというよりフォーエバー?この話を読み終えたのは実は一カ月も前なんですけど、このラストは未だに余韻がありますねぇ。意外な余韻を残す終わり方です。最後まで読んで初めて、これはやはり今後も長く後世に残るファンタジーの名作なのだなと思いました。
Kira-Kira
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Cynthia Kadohata | |||
Atheneum |
ストーリー
Katieはアイオワ州に生まれた日系人。4歳年上の姉のLynnが最初に教えてくれた言葉は日本語のkira-kira。優しくて頭のいい姉とは大の仲良し。家は貧しかったが、将来両親に家を7つ買ってあげるというのが姉妹の夢だった。
やがてジョージア州に移り住み父親は養鶏場の仕事へ、母親は鶏肉加工の工場で働くことになった。小さなアパートでの暮らし。弟が生まれ、両親は毎日長時間働いたけれど、それでも暮らしは貧しかった。そのうち姉のLynnは体調不良から横になることが多くなった。
感想
時代は1950年~60年代。両親の過酷な労働状況や貧困、日系人に対する差別や偏見、当時の日系人の苦労がうかがえます。細かな日常のエピソードが盛り込まれていて、家族との絆や周囲の人たちとの繋がりが印象的。
でも一番光っていて印象に残るのはKtieの個性。真面目に偏見に耐えて差別と闘っています、という感じじゃないところがいい。確かに最後はしんみりとしてしまいますが、子供らしいあっけらかんとした所があって、不思議と重くない。Joe-John Abondondalaramaという不思議な名前の未来の王子様との妄想とか、弟が大けがをしたのに助けてくれたイケメンの若い白人男性に気を取られているところとか、女の子らしくて、なんだか笑いを誘います。
終盤、父親の怒りにまかせた行動の後始末の際、間違った行動を間違いと認め、親としてのプライドを捨てて大切なことを伝える父親の姿にハッとさせられるとともに、とても感心しました。
聞き読みで読んだのですが、早い朗読でもないのに置いてきぼりをくらうことが度々・・・。結局、最後の2章くらいは音なしで丁寧に読むことにしました。ニューベリー賞を受賞した作品は数えるほどしか読んでませんが、読みやすかったという印象のものはなくて・・・。それでも作品は比較的読みやすい部類かもしれません。
The Magician's Nephew (Narnia)
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Pauline Baynes | |||
HarperCollins |
ちょっとネタばれあり。
ストーリー
Londonに住む少女Polly Plumnerはある日、裏庭でDigoryという少年と出会う。Digoryは母親が病気で、あじおばであるKetterley家に厄介になっているのだという。それがいやで悲嘆にくれているのだった。特にAndrewおじさんは変わり者で、絶対に入ってはいけないといわれている屋根裏部屋で何をしているのか分からないという。
すっかり仲良くなったPollyとDigory。ある日、棟続きになっているPollyとKetterleyの家の屋根裏を探検していた二人は空き家と思ってある屋根裏部屋に入り込んだ。テーブルの上には黄色と緑の美しい指輪・・・。空き家じゃないかも、と思った瞬間あらわれたのはAndrewおじさんだった。この部屋でである実験をしているというAndrew。不気味・・・。もう帰らなくてはというPollyに黄色い指輪をあげるという。しかしPollyがその指輪に触れた途端、PollyはDigoryの前から姿を消してしまったのだ。
感想
時代はThe Lion,The Witch and the Wardrobeより何十年も前、おもにNarnia誕生についての話です。Narniaの話が好きな人にとってはとても楽しいです。The Silver Chair(過去記事'11/3/31)とThe Horse and His Boy(過去記事'11/4/24)は人によって好き嫌いがあるかもしれませんが、ここではいろんな事実がが明らかになるのでとても興味深く読めると思います。今まで謎だったとこと、特に不思議とも思ってなかった事についても意外な事実が・・・。へぇ~そうだったのか~~が満載です。
その謎の一つがあのwardrobe。原作のイラストだと何の変哲もないシンプルなwardrobeですが、映画のやつは結構凝った外見だったのを思い出して、読み終わった後、もしやと思い映画のを見てみたら(私は所持しているDVDコレクターズエディションのパッケージを見たよ。見やすい。)前面に施されている彫刻の意味が今になって分かってテンションあがりまくりおお、Narniaだ!この本を通過して初めてあの彫刻の意味が分かるわけね。初めから知っている人はほほっ~と思ったに違いない。にくい演出。
ここまで読むと、物語の味わいも増して奥深さを感じます。The Last Battleも勢いに乗って読みます!
The Horse and His Boy (rack) (Narnia)
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Pauline Baynes | |||
HarperCollins |
ストーリー
少年ShastaはCalormenの南に住んでいた。漁師をしている父親Arsheeshの手伝いに追われる毎日。にもかかわらず、ArsheeshはShastaに何かと辛く当たる。
ある日、通りかかった貴族に、父親がShastaを奴隷として売る相談をしているのを偶然聞いてしまう。Arsheeshが実の父親ではない上、奴隷として売られそうだと知ったShasta。どうしたものかと独り言を言っていると、驚いたことにそばにいた貴族の馬が急にしゃべりだしたのだ。Narniaからさらわれて来たという馬のBree。今こそ逃げる時だと思ったShastaとしゃべる馬Breeは、一緒に北のNarniaを目指して逃亡。
途中、思いがけず出あったのは同じNarniaの馬に乗る女の子だった。Aravis Tarkheenaというその女の子は、両親にAhoshtaという権力者と結婚させられそうになり、逃げてきたのだという。
旅のお供が増え、Tashbaanという都へ。この街を無事通り抜けなければならないというのに、ShastaはTashbaanを訪れていた数人のNarnia人に捕まってしまったのだ。どうやらShastaをArchenlandの王の息子Corlin王子と勘違いしているようなのだが・・・。BreeやAravisたちともはぐれてしまい、なすすべもないShasta・・・。
感想
これまでは、子供達がこちらの世界から、あちらの世界(Narnia)へと行き活躍するパターンだったのですが、今回は初めからあちらの世界の話。時代はPevensie兄妹たちがNarniaを統治していた頃。それもNarniaでなく、それよりずっと南に住んでいる少年がNarniaめざして旅に出ます。これまでのように、どんなふうにどのタイミングであちらの世界へと入り込むのかという楽しみはないし、独特の不思議が繰り出すわけでもありませんが、子供たちの成長物語には変わりなく、ShastaとAravisの行く末にも注目。これはこれで面白い。
ShastaもAravisもいいキャラクター。未熟なShastaを誇り高いNarniaの馬Breeが導く形、なんといってもタイトルがHis Horseじゃなく、His Boyですからね。Shastaは控え目で、一人でいることが多いせいか、独り言が多いような気がしましたが、気のせい?はじめAravisはShastaと距離を置きます。気位が高いのね・・・という感じですが、堅苦しさを嫌い自由を求める女の子。私的には二人とも好感度高かったです。
Tashbaanという都での一件から物語が展開し始めます。ここでPevensie兄妹の何人かが登場します。ちょっと懐かしくなりつつある名前が何人か出て来て、テンションアップ。でも英語はすこぶる難しい。もちろんAslanも出て来ますが、長い間ちらちらと気配を感じさせるだけ、堂々とAslanだよ~という風には出てこず。一体何がしたいのじゃ、もったいぶっちゃって~という感じです。Narniaの土地じゃないから大きな顔もできなかったのでしょうか?
ラストにその後どうなったか、というちょっとした話があるのもうれしいですね。The Silver Chairよりは多少読みやすく、話の内容も好きかな。
A Wallflower Christmas 情報 作者:Lisa Kleypas ジャンル:恋愛 種類:ペーパーバック、一般書 YL:6.8 ページ数:214ページ 語数:約49000語 お気に入り度:☆☆☆☆ |
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Lisa Kleypas | |
St Martins Mass Market Paper |
ストーリー
Bowman家の長男Rafeがアメリカからイギリスへやってくる。娘たちの結婚で調子づいた父親が長男のRafeにも貴族の娘をと考えたのだ。相手はLady Natalie。20歳の明るくて美人と評判の女性。父親の事業を継ぐには彼女との結婚が絶対条件なのだ。
問題は礼儀知らずで、放蕩者というRafeに関する噂。この縁組に不安を覚えた妹Lillianと元WallflowerメンバーのAnnabelleとEvieはNatalieのいとこで彼女のコンパニオンをしているHannah Appletonをお茶に誘うことにした。縁組がうまく運ぶようLady Natalieの好みなどについて、あらかじめいろいろと聞き出せればと考えたのだ。
しかし、Hannahを迎えたRafeは彼女に妙に興味をそそられつつも、無礼な態度全開。Natalieの話などそっちのけに内心お互い激しく対立するのだった。
感想
Wallflowerシリーズの続編。石鹸製造業で莫大な財をなしたBowman家の長男Rafeとコンパニオンをしている控え目なHannah Appletonの恋愛。
コンパニオンという立場から、いつもNatalieの陰になって地味で目立たない存在のHannah。Natalieを立てて気を使っている様子、やきもきします。ちょっと雑な扱いをされても、文句も言わず、控え目だけどかなりのしっかり者のHannah。好感が持てます。NatalieがRafeとの縁組に常にノリノリなので最後のほうはどうなるんだろうと(わかっていても)ちょっとドキドキしました。Rafeはおおざっぱで乱暴な感じなんですけど、意外と繊細で情熱的なところがありそう。
短い話ですが、思いのほか丁寧な流れのような気がしました。派手さはないけれど、盛りだくさんで元Wallflowerメンバーの事、特にLillianとEvieのその後の話も各1章くらいずつ使ってしっかり盛り込まれています。このあたりはサービス満点。
Hannahがやっているコンパニオンというのは日本人のイメージするコンパニオンではないというのは明らかですが、じゃ、具体的にどんな?と言えば、最初のほうでRafeの質問に答える形でHannahが直接説明しているので心配無用なんですけど、話し相手をしたり、付添役をしたり、裁縫やちょっとした身の周りの雑務もするようです。以前読んだ『不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」』(平凡社新書)という本にもコンパニオンについて説明している章があります。引用しますと、“裕福な未亡人や独身女性の身の周りの世話をして、話し相手を務めるために雇われる女性であり、使用人とは違う”ということです。Hannahの主張によると、コンパニオンをすることによってallowance(手当、小遣い)はいただくが、それはwages(賃金)ではないとのこと。で、どう違うの?というRafeの疑問ももっとも。wagesは使用人を思わせるから、あくまでallowance、コンパニオンは使用人ではないのよ!ということのようです。
不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」 (平凡社新書) | |
新井 潤美 | |
平凡社 |
The Silver Chair (rack) (Narnia)
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Pauline Baynes | |||
HarperCollins |
ストーリー
いじめられっ子のJill Poleが体育館の裏で泣いているのに出くわしたEustace Clarence Scrubb。追いかけてくるいじめっ子から逃げようと2人は塀のドアから学校の敷地外へ。
ところが、ドアの外はNarniaの世界・・・。静かな森を抜けて、いつの間にかとてつもなく高い断崖絶壁に立っていると気がついたScrubbとJill。しかし強がったJillは引き戻そうとしたScrubbから離れようとした。その拍子にScrubbは崖から転落してしまったのだ!直後にJillの前にあらわれたのはAslan。Aslanは落ちたScrubbをどこかへ吹き飛ばした後、Jillにある重要な任務を命じたのだ。それはと年老いたKing Caspianの息子で何年も前に行方不明になったPrince Rillianを4つの手掛かりを頼りに探しに行けというものだった。
感想
今回はEustace Scrubbと友達の女の子、Jill PoleがNarniaに呼ばれます。EustaceがCaspianと航海をしたときから、何十年もたっている様子。Caspianもかなりのご老人。その息子のRillian王子を探しに行きます。寒くて食べ物も少なく、限界ギリギリの北への冒険。EustaceとJillに加え,頼れるPuddleglumがお供をします。彼はMarsh-Wiggleという手足に水かきがある手足の長いひょろっとした種族。彼がいなかったらこの旅はどうなっていたのでしょう。Eustaceは前回の事もあって多少は頼れる少年になっているかも。Jillは心に隙があるようです。Aslanに言われたことをことごとくしくじってしまい、この先どうなるのかというところもけっこうあります。いろいろと試される旅なのです。
Narniaの物語は毎回毎回違った雰囲気を持っていて面白い。前回のThe Voyage of the Dawn Treaderは大海原が舞台で、この世の果てまで行っていましたが、今回はこの世の奥底・・・(まで行くのか?)でちょっと暗めの印象。
前半は比較的読みやすいと思いましたが、後半は徐々に手ごわい。タイトルのThe Silver Chairが何なのかは後半になってから分かります。
『ナルニア国物語 第3章 アスラン王と魔法の島』の試写会が吹き替えだったため、結局後で字幕版を見に行ってしまいました。
手抜き手抜かり一切無しといった感じの3D。今後もぜひ頑張って7作最終章まで作ってもらいたいです。
7つの剣云々ということだったので、原作とはちょっと違うのかなと思っていたのですが、思っていたよりも原作通りだったような気がします。原作だと7卿を探しに行くだけなのですが、映画ではそれプラス、邪悪な魔法を解くため、7卿が所持しているという7本の剣を集めるというもの。単に見ず知らずのおじさんたちを探すよりはナルニアを救うためという目的もあったほうがモチベーションもアップするというものですね。映画的な派手さもあってよかったです。
The Shadow of the Wind
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Lucia Graves | |||
Penguin (Non-Classics) |
ストーリー
1945年 バルセロナ。
夏の初めの早朝、もうすぐ11歳になるDanielは、古本屋を営む父親に誰にも言わないと約束させられて、ある場所へと連れて行かれた。そこはthe Cemetery of Forgotten Booksと呼ばれる限られた人しか知らない秘密の場所。大量の忘れられた本が眠る場所だ。
この場所に初めて来た人間はここから一冊だけ本を選べるという。その本がこの世からなくならないように一生守るのだ。
そしてDanielは一冊の本を選んだ。なぜかDanielが生まれる前から彼を待っていたと感じられたその本は、Julian Caraxという作家が書いたThe Shadow of the Windという小説。
その本を夢中で読みふけるDaniel。すっかりThe Shadow of the Windの虜になったDanielは、Julian Caraxのほかの作品も読んでみたいと思うのだが、古本に詳しい父も聞いたことがないという。そこで、父の友人でやはり書店を営む博識のGustavo Barceloに聞いてみた。Danielは彼から、The Shadow of the WindがJulian Caraxの最後の小説であるということ、そして彼の本は、ある理由から市場には一冊も出回っていないということを知らされる。Danielが持っている本以外一冊も・・・。
一体、Julian Caraxは何者なのか?彼に何があったのか?
その後、Danielは長い年月をかけてJulian Caraxという若い作家の謎の人生を解き明かしていくことになる。
感想
ずっと日本語で読もうと思っていた本なのですが、頑張って英語で読みました。駄目だったら、日本語一本に絞ればいいやという考え。相当難解だろうと思って取りかかったので、想像していたほど読めなくはありませんでしたが、比喩を駆使した高度な文学的表現は私にはお手挙げ。日本語だと感動的な表現も英語だとちんぷんかんぷん。原書がスペイン語なのでスペイン語の固有名詞の読みにはちょっとてこずりました。でも会話部分は比較的読みやすいような気がしました(話す人によりますが)。一つの章が短めなのも助かりました。
複雑で見事な筋立て。時代のせいもあり、暗めで重めの雰囲気で話は進んでいきます。Daniel少年が運命の本、The Shadow of the Windを手にしてから謎が完全に解き明かされるまでおよそ10年、テンポがよいわけではありませんが、とにかく見事というほかありません。ストーリーから、表現から、人物像の掘り下げようから、何から何まで。
主人公Danielの恋愛を軸にした彼の成長物語なのですが、一方ではJulian Caraxを中心とした愛と憎しみの物語でもあります。この二つの物語が話が進むにつれ絶妙な交錯を見せるのです。でもあまり詳しくは言えません。
父親が前面に出ていることもこの話の特徴かなと思います。温かく優しく息子を見守るDanielの父親はともかく、誰も彼も到底手本にはならない父親たちですが、父と子という関係は作者が描きたかったことの一つかなという気がします。ちなみにDanielを虜にしたJulian CaraxのThe Shadow of the Windも主人公が実の父親を追い求める話です。
読んでいくと現在のDanielと過去のJulian Caraxの人生がどんどん近付いて、奇妙に符合してくるのに気が付きます。そしてJulian Caraxの過去に何があったのか、知りたくて仕方がなくなってくるのです。終盤はさらに重苦しく、なんだか居たたまれなくて耐えがたいシーンもあるのも事実です。Julian Caraxの謎が解き明かされるところでは、なんだか胸が張り裂けそうで、思わず目を閉じて頭を抱えてしまいましたけど、最後まで読めばまず後悔することはないと思います。この本をlabyrinthと形容している文章がいくつかあったと思うのですが、本当にそんな感じです。もう一度読んだら今度は違う道を通って、違う景色を見れるかもしれないという気にさせてくれます。
☆10個あげても惜しくはないですね。限界超えです。ネタばれせずにこの物語のすごさを説明できる言葉を持ち合わせておらず、こちらも限界超え。もちろん難易度も限界を超えていましたけど。魂にまで響いてくるような一冊です。
気になる表現・・・長くなったので、続きはまた明日!(11/2/22)
心に残る表現
The Voyage of the Dawn Treader (rack) (Narnia)
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Pauline Baynes | |||
HarperCollins |
ストーリー
PeterとSusanが両親とともにアメリカに行っている間、EdmundとLucyは不運にもいとこのEustace Clarenceの家にあずけられることになった。Eustaceは意地悪で変わり者。ふたりは彼の家で過ごさなければならない事がいやでたまらなかった。
ある時、EdmundとLucyは部屋である絵を見ていた。その絵は海にうかぶ船の絵で、船首がドラゴンの頭の形になっている。まるでNarniaの船のようなので、二人はこの船の絵が大好きだった。そんな2人をからかって馬鹿にするEustace。
しかし、絵に描いてある波が急に動いたかと思ったら、風が吹き、絵から波があふれ出て来て3人ともNarniaの海へ投げ出されてしまった!
3人を助けてくれたのはKing Caspianだった。Pevensie兄弟姉妹の4人が前回Narniaを離れてから3年がたっているとのことだった。王としてうまくNarniaを治めているCaspianだったが、おじのMiraz時代に行方知れずになったCaspianの父の友人7人の安否と居所をつきとめるべく、航海をしているという。そしてさらに東の果てのAslan’s countryを目指すというのだが・・・。
感想
前回Prince Cspianに別れを告げてNarniaを離れてからさらに1年後の話ですが、Narniaでは3年が経過しているようです。2度目のNarnia訪問のときは最初の時から千年以上たっていたから、今回はまだまし。知り合いも多いし、話が通じやすいってもんです。行方不明の7人はCaspian派だったのでしょうか?おじのMirazにはめられて東の海へ行かされ、半ば追放されたという感じです。そんな7人を追って不思議な冒険を繰り広げます。
たまたま付いてきちゃったという感じのNarnia素人のEustaceは初めはかなり問題児ですが、重要な経験をして成長。今後も重要な役割を担うのかな?
今回は不思議度がアップしていて読んでいてNarniaの世界にどんどんのめり込んでいくのが自分でも分かりました。世界の果てって本当にこんな感じかもって・・・。
ちょっと読みにくいです。Prince Caspianの時も最初は余裕と思ったのですが、途中から急に読みにくく感じるようになりました。今回も難しい単語が出てくるわけでもないのですが、なかなかサラッとは読めませんでした。でも面白し!
『第3章アスラン王と魔法の島』の試写会に当たっちゃいました。やったぁ~行ってきま~す!
Dewey: The Small-town Library-cat Who Touched the World
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Hodder Paperback |
ストーリー
冷え込み厳しい1988年1月18日、アメリカ、アイオワ州のスペンサーという小さな町の公共図書館。出勤してきた当時副館長のVicki Myronは返却ボックスに一匹の子猫が捨てられているのを発見する。彼女はこの茶トラの猫を図書館で飼うことにした。名前はDewey Readmore Books。Deweyは元気に成長し、図書館に来る人に愛され、図書館ネコとして町の人気者になっていく。
感想
ヒツジ読みで読んだ本です。Deweyは比較的おとなしくてお行儀のよい猫。特に何か芸ができるわけではないんです。毎日職員を迎え、来館者を迎え、頭をなでてもらい、可愛がってくれる人の膝の上で寝る。猫として特に変わったことはしないけれども、不思議と人に癒しを与えてくれる猫のような気がしました。人の気分を感じられるのか、はたまた猫なりの気遣いなのか、それともDeweyにとっては普通の事なのか。それは分からないけれども、作者と周囲の人々との心の交流が感動的です。
とてもいい子ちゃんだから、つい甘やかしてしまうというのも分かります。幸せな猫Dewey。
この本にはDeweyの事ばかりではなく、作者自身や家族の事、地元スペンサーの町の実状などについてもちょくちょく書かれてあって、そういった部分は結構読みにくかったです。でも作者自身や家族にふりかかる度重なる不幸や病気を乗り越え、離婚や子育てで苦労しつつも、働きながら資格を取り、20年間も館長として勤務するというのは並大抵のことではないなと思いました。勤めている間にもかなりの大病を患っているんですから。何事にも負けない強い女性なんですね。でもおそらくこういう人だからこそ、Deweyの存在がより大きな癒しとなったのではないかと思いました。
故郷や図書館、家族に対する愛情、なによりDeweyに対する愛情があらゆるところにあふれている本でした。
audible.comでDeweyの音源を入手たのですが、なんだか本文と違う・・・と思ったらDewey: The Small-town Library-cat Who Touched the Worldのじゃなくて、Dewey the Library Cat:A True Story(9~12歳向けの簡約版?)の音源なのでした。児童書のaudiobookしかないみたいです。
子供版があるのには全く気が付きませんでした。上記原作はそれほど読みやすくはなかったので、もしかしたらこちらのほうが私にはよかったのかも、なんて思いました。タイトルは確かに違うけど、ちょっとややこしい。今後買われる方はご注意。
↓9~12歳向け
Dewey the Library Cat: A True Story | |
Vicki Myron,Bret Witter | |
Little, Brown Books for Young Readers |
絵本もあるよ
Dewey: There's a Cat in the Library! (Picture Book Edition) | |
Vicki Myron,Brett Witter | |
Simon & Schuster Children's |
Dewey's Christmas at the Library | |
Steve James | |
Little, Brown Books for Young Readers |
Prince Caspian (rack): The Return to Narnia
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Pauline Baynes | |||
HarperCollins |
感想にThe Lion,the Witch and the Wardrobeのネタばれあり。
ストーリー
Peter、Susan、 Edmund、 Lucyの4人の兄弟姉妹がNarniaから戻ってきておよそ1年。
ある日、駅で電車を待っていた4人は、突如として、再びNarniaに戻っていた・・・。見知らぬ島にいると思っていたが、そこにあった廃墟が、つい1年前まで4人が住んでいたCair Paravel城だということが判明。まるで何百年もたっているかのような有様。事情が全く分からない4人だったが、彼らがKingとQueenだったころの大切な所有物がtreasure chamberにちゃんと残っていた。それらを再び身につけた4人。
島を出ようとしたところ、ボートから何かを川へ投げこもうとしている2人組の人間を目撃。投げ込もうとしているのが生きたDwarfだと気付いたPeter。Susanが矢を放って何とかDwarfを川から助け出した。
そのDwarfが言うには彼はKing Caspianの使いだという。4人は彼からテルマール人のこと、Caspianのこと、そして現在のNarniaが置かれている状況について話を聞くことになる。
感想
4人の兄弟姉妹は結構長い間、王と女王としてNarniaを治めていたんですよね。この子たちが年齢がいくつなのか、どこかに書いてあったか忘れてしまいましたが、りっぱな大人に一度成長しているわけです。末っ子のLucyなんかは人生の1/3を普通の女の子として、2/3を女王として過ごしています。でもこちらの世界に戻って見ればまた子もどもとしてやり直しっていうのはどんな気分なんでしょう。得した気分?それとも王と女王としての扱いから単なる子供としての扱いになってしまうわけだから、過ごしにくい?
The Lion~の最後で、なんだか急に思いだいたようにこちらの世界に帰ってきてましたけど、こちらの世界で1年過ごしてNarniaに戻ってみれば、とんでもなく時間が経っていて(確か千年以上)、自分たちが住んでいた城も、知り合いもいなくなっていたらすごく悲しいでしょうね。実際はそんなに悲しんでいる様子もないのですが・・・。しかも自分たちがいなくなったすぐ後にテルマール人が攻め込んできているし。途中で国をほったらかしにしていなくなってしまったという重大な責任がこの兄弟姉妹にはあるのだ、と思いました。それは古代の王と女王としてもNarniaのためにプライドと命をかけなくちゃしょうがないね。
The Chronicles of Narniaの7シリーズを読んだ方は、どこからどういう順番で読んだらいいか迷ったりはしなかったのでしょうか?(特に子供のころ日本語で読んだことがある人は、英語で読むときに順番が違うと思うに違いありません。私は日本語でも読んだことがないので今まで気がつかなかったのですが。)
というのも、私は何も考えずにThe Lion,the Witch,and the Wardrobe(過去記事08/5/30)を映画の公開前に読んだ後、次にどの巻を読んだらいいのか分からず、ずいぶん長い間ほったらかしでした。映画は次にPrince Caspianが公開になりましたが、The Lion~は#2だし、Prince Caspianは#4だし・・・#1The Magicians Nephewはどの時点で読めば?・・・#3は?・・・。最近そろそろ続きを読まねばと思って調べたら、出版順と時系列順では全く順番が違うということが分かって、なんだそういうことかと思いました
時系列順では
The Magicians Nephew
The Lion,the Witch and the Wardrobe
The Horse and His Boy
Prince Caspian
The Voyage of the Dawn Treader
The Silver Chair
The Last Battleの順ですが、
出版順で並べると、 *( )内は時系列順
The Lion,the Witch and the Wardrobe(2)
Prince Caspian(4)
The Voyage of the Dawn Treader(5)
The Silver Chair (6)
The Horse and His Boy(3)
The Magicians Nephew(1)
The Last Battle(7)なのです。てんでバラバラー。
私が購入したこのHarperCollinsの本では番号はついてませんが、裏表紙には時系列順に7冊書かれてあって、作者C.S.Lewis氏も時系列順に読むことを勧めているようです。一方、翻訳版の岩波少年文庫を見たら出版順に1~7まで番号がふってありました。『英語多読完全ブックガイド』(コスモピア出版)にはThe Lion~を最初に読まないと、The Magicians Nephewでの種明かし的な面白さを味わえないので注意、と書いてあります。
さぁ、どう読む?
ただ単にThe Lion~とThe Magicians Nephewだけをひっくり返して後は時系列順に読めばいいのかもしれませんが、来月の映画の公開(The Voyage of the Dawn Treader/『アスラン王と魔法の島』2011年2月25日公開)に合わせて読もうと思ったら、時系列順だと、あと4冊も読まなければならないのに対し、出版順だったら2冊読めば追いつく・・・。そう考えた私は作者の意に反してしまい大変申し訳ないと思いつつも、楽して出版順に読むことに決めました。ネットでいろいろ調べたら、どちらかといえば出版順に読んだほうが面白いという意見に軍配が上がっているような気もしたので・・・。
でも時系列順に読むにしろ、出版順に読むにしろ、結末はThe Last Battleなので時代さえごっちゃにしなければ、目指すところが違ってくるというスターウォーズ的な問題は生じなさそうです。
Sisters 情報 作者:Danielle Steel ジャンル:ヒューマン 種類:ペーパーバック、一般書 YL:6.5 ページ数:289ページ 語数:約110000語 お気に入り度:☆☆☆ |
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Danielle Steel | |
Dell |
ストーリー
Adams家の4姉妹の長女Sabrina(34歳)はニューヨークに住む優秀な弁護士。ロサンゼルスに住む次女のTammy(29歳)は人気TV番組のプロデューサー。三女Annie(26歳)はフランスに住む芸術家。そして四女Candy(21歳)は世界を飛び回る超人気スーパーモデル。みな美人で優秀なのだ。普段はそれぞれ別々のところで活躍している4人だが、独立記念日の週末には毎年必ずConnecticutの両親のもとへ集まるというのが決まりだった。母親が知り合いを呼んでパーティーを開くのだ。
ところが、集まった地元で、彼女たちの人生を一変させる思ってもみない不幸がAdams家を襲ったのだ。
感想
誰にでも降りかかりうるとても身近な悲劇。それを乗り越えるために、4姉妹がどう結束していくのか・・・。4人ともそれぞれに辛い立場に立たされます。誰に感情移入してもきついでしょうね。今まで大切に築いてきたものを守っていくのが困難になった時、どんな選択をすべきかというのは難しい問題です。何を取り、何を捨てるか・・・。自分だったらどうかな~。あ~考えられない・・・と思いながら読みましたが、実際追いつめられないと、その時に自分がどう行動するかなんてわからないですね。
前半はともかく、中盤は何となくグダグダな感じがして、なかなか読み進められませんでした。終盤は結構出来事が展開していって面白いです。でもこれだけの語数があって、テーマはとてもいいのにいまいち心にしみるところが少なかったような気がしました。ホロリとさせられるところは確かにあるんですが。私の英語力不足だったらゴメンねなんですが、一つ一つが浅いような気がしてしまって。この辺は掘り下げるのかな、と思いきやかなりあっさり通過してしまっているような気がしました。恋愛より、姉妹愛でまとめるほうが私的にはよかったかなぁ。