久しぶりの火坂作品。
火坂作品は今まで歴史小説・実在の人物を主人公にした作品のみを読んでいましたが、この作品は、時代小説・骨董屋の連作短編集。
幕末動乱の京都で小さな骨董屋を営む征次郎には二つの裏の顔があった。世間に出せないいわくつきの品物を取引する“六道闇ノ市”の一員であること。長尾流体術、鞍馬楊心流剣術を修めた武士の身分を捨てたこと。闇の骨董鑑定人・征次郎が、魔道に巣くう贋作師に立ち向かい、時代を揺るがす難事件に挑む。
時代は幕末、尊王攘夷・倒幕、過激志士・幕府側は、治安維持の為、京都守護職を新設し新選組等が出来た世の中。
暗殺・惨殺・粛清等殺伐とした時代ですが、本は、内容的にあまり干渉してませんので私的には、物足りませんが、ミステリー小説としては、読みやすいと思います。
骨董好きな方々にもそれなりに専門的なところもあり、楽しめると思います。
文中
「骨董の魅力に取り憑かれた揚げ句、父祖の代から築き上げてきた身代を潰し、落ちぶれれ果てて一家離散、悲惨な末路をたどった者の噂は一度ならず耳にした。
骨董には、人の心を狂わせずにはおかぬ、ある種の魔性の力がある。
冷静に美しさを賞でているうちはいいが、いったん深みにはまると、どこまでも際限なく堕ちていってしまう、その物しか見えなくなり、まわりのことなどどうでもよくなってしまうのだ。」
とあります。
少々大袈裟ですが、だんじり好き、祭り好きには、合い通じることではないでしょうか?
私の場合は彫物好きも加わりますのでなおさらです。(笑)
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