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フラウ・ボゥさんが屁をこいたブリブリー

2006-03-13 16:29:47 | お店情報

人はゆっくりと段階を経て成長し、「子ども」から「大人」へと変わっていくのが自然である。だが、ホワイトベースに身を寄せる若者たちは、違った。突然に戦争という異常な状況に放りこまれ、明日をも知れない日々を過ごすことを余儀なくされたのである。死と隣り合わせの生活の中で、彼らが平常を保つことができたのは幸運であった。だが、強いられた戦いによって成長しなければならなかったのは不幸といえる。フラウ・ボゥは、そうした周囲の変化に戸惑いながらも、健気に強くあろうとした少女であった。

一年戦争が始まって9ヶ月、フラウが暮らしていたサイド7は未だ戦禍を被っていない平和なコロニーであった。戦争はコロニーに連邦軍施設を設営させてはいたが、フラウ自身の危機感は薄かったようだ。忍び寄る戦火の気配に不安を感じながらも、幼馴染のアムロ・レイの世話を焼く平凡な毎日を過ごしていたのである。その日常が破られたのが、U.C.0079.09.18の公国軍によるサイド7襲撃であった。その戦闘を前に茫然自失とする彼女の背中を押したのは、他ならぬアムロの言葉であった。「君は強い女の子じゃないか」・・・それは、フラウを生き延びさせるための方便だったのかもしれない。だが、その言葉のとおり、状況は彼女に弱音を吐くことを許さなかった。ホワイトベースに収容された避難民のほとんどが老人や女子供という環境で、彼女は艦の乗務員のひとりとして働かざるを得なかったのである。彼女が家族を失った悲しみを癒す間もなく、ホワイトベースはサイド7を後にした・・・。

 

 弱虫のアムロなんて見たくもないし、

  みんなこうして 大人になっていくんでしょ?

 

ごく普通の少女だったフラウにとって、ホワイトベースでの生活は苦しいものであったに違いない。それでも、彼女は不平ひとつ洩らさずに働いた。避難民の世話から、医療班の手伝いまで、彼女は必死に戦うクルーたちを陰から支えた。彼女自身、銃を取って戦うような正確ではなかったし、戦いの中にあって日常を守る行為に意義を感じていたに違いない。それが逆に無力感となったのか、出撃を拒否するアムロにかわりMSに乗ろうとしたこともあった。戦うことができるアムロに期待し、自分の分まで力を尽くして欲しいという思いが、彼女をそのような行動に駆り立てたのだろう。ホワイトベースを脱走した彼を単身追いかけたのも、そんな思いの表れだったと言える。

しかし、ホワイトベース隊が転戦を続ける中で、アムロは成長していった。フラウが知るアムロは既になく、彼女が気遣う意味も薄れていったのである。「アムロは、違うわ・・・・・・。あの人は、私たちと違うのよ!」。これは、彼女がハヤトに洩らした言葉である。自分から離れていくアムロを受け入れようとした葛藤の欠片だったに違いない。そうした感情をしまいこみ、彼女は戦い没頭した。その末に辿りついた一年戦争の終幕は、果たして彼女が望んだものだったのだろうか。彼女がその戦いで得たものと失ったものの大きさは、彼女自身にしかわからないことである。

 

フラウ・ボゥ

階級:上等兵  年齢:15歳  性別:女  所属:地球連邦軍 第13独立部隊
出身地:不明  技能:オペレーター
U.C.0064:誕生  U.C.0079:9月18日、サイド7居住時に公国軍の襲撃に巻き込まれ、ホワイトベースに避難する。11月27日、ホワイトベースが連邦軍ジャブロー基地に到着。以後、上等兵に任官される。12月31日、ア・バオア・クー攻略戦に参加。生還し、終戦を迎える。

■隊の気風に許されたフラウの服装
サイド7脱出後、フラウは連邦軍の軍服に着替えている。しかし、セイラやミライといった他の女性クルーとは異なる軍服を選び、スラックスも着用していなかった(もとよりひと揃えではなかったという説もある)。ホワイトベース隊が民間人と訓練生によって構成された寄せ集め部隊であり、軍規については比較的穏やかであったことが、彼女のそうした服装を許していたのであろう。

■子供たちに注いだ愛情
サイド7の襲撃で親とはぐれた3人の子供たち(カツ・ハウィン、レツ・コファン、キッカ・キタモト)。フラウは彼らの母親代わりとして、甲斐甲斐しくその面倒を見た。クルーたちがそれぞれ自らの仕事に追われる中で、子供たちの世話をすることができるのが彼女くらいだった、という事情はあろう。だが、アムロとの関係にも見られるような彼女の世話好きな性格が、子供たちを放っておくのを許さなかったに違いない。戦後、彼女は子供たちを養子として引き取り、本当の母親となったのである。

■兵士になりきれなかった優しさ
ホワイトベース隊の一員となったフラウだったが、戦いでは生来の優しさが妨げとなることもあった。公国軍の兵士によってRX-78-2に爆弾を仕掛けられた際にも、アムロひとりにその解除をさせたブライトやミライを激しく非難した。万が一の時に被害を最小限に留めようとした彼らの冷徹な決断を受け入れられなかったのである。

■変わっていくアムロへの戸惑い
身の回りに無頓着で、手が離せない子供のようだったアムロ。その少年がいつの間にか一人前の戦士に成長したことに、フラウは一抹の寂しさを抱いた。それだけではない。ニュータイプとして開花していく彼に、言い知れない疎外感さえ感じていたのだろう。フラウはそんな彼を前にして、「アムロって恐ろしいくらい逞しくなったのね」と呟いた。戦いは二人を子供のままにしておかなかった。それは、フラウにとって悲しい現実だったのかもしれない。

■子供たちの未来を思って
カツ・レツ・キッカがジャブローの施設に預けられると決まったとき、フラウは不安を抱いた。「あの子たち、ここにいて本当に幸せになれるかしら?」と。同じ境遇にあった彼女だからこそ、ここまで艦に残ってきた3人の気持ちに思慮を巡らしたのである。幼い彼らを戦場に置くことが良くないとは分かっていながらも、それでも彼女は子供たちの感情を無視できなかった。それは彼女が子供たちと真摯に向き合っていた証明である。

■フラウの肉親
公国軍によるサイド7襲撃に先立って、サイド7の連邦軍はコロニー住民に避難勧告を出していた。9月18火に入港したホワイトベースが公国軍艦艇の追跡を受けており、戦闘が予想されたためであったと言われている。しかし、結果的に公国軍MSのコロニー内への侵入を許し、戦闘はコロニー内部で発生した。当初、コロニー住民は退避カプセルに避難していたが、被害の拡大によって彼らは避難場所をホワイトベースへと変えた。その集団の中にいたフラウと母ファム・ボゥ、フラウの祖父の3人は第3リフトで宇宙港へと向かった。しかしアムロを見つけてフラウが避難列から離れた瞬間、公国軍MSからの流れ弾が避難民を直撃し、彼女の母と祖父の命を奪うこととなる。ホワイトベースがサイド7を脱出する直前、フラウは生存者を探してコロニー内を見回った。そこで彼女が見たものは、瓦礫の山と化した我が家であった。

 

 


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