あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

甘く、苦い幻想。

2010-09-15 22:16:14 | アート・文化

ポヤルさんのネコのお絵描き [DVD] ポヤルさんのネコのお絵描き [DVD]
価格:¥ 3,465(税込)
発売日:2009-03-18
今日、チェコのアニメーション映画を観てきました。

私はアート・アニメーションが昔から好きですが、DVDは結構高価ですし、近郊の映画館にかけられることもなかなかないので、せっかくの機会にほくほくと出掛けて行きました。

1日3プログラム上映されて、それぞれが75分ほどですから、欲張って3プログラムすべて観ました。

けれど、短編アニメをまとめて観るのは案外集中力を使うもので、見終わったら結構疲れました。

いや、疲れたのは内容のせいかな。上にあげた『ネコのお絵描き』のような可愛いもの、絵本のようにファンタジックで美しいものもありましたが、けっこう苦い結末のものや、風刺のきいたものもたくさん。

印象に残ったストーリーで、『迷子のカシタンカ』という飼い主とはぐれた犬の話があったのですが、解説に“悲喜入り混じる結末がチェコ的”とあり、ああ、このうっすらともの悲しい感じは社会情勢が反映されているのかな、と思ったり。

考えてみれば、私はチェコのことを全くと言っていいほど知らないのです。チェコ、と言われればいちばん最初に連想するのはチェコのビール、ピルスナー・ワークウェル(ウルケル)。なんと無知であることか!

子ネコたちののびやかな動きや、可愛い人形アニメのスイートさと、残酷だったり、皮肉だったりする幕切れのビターな味わいが、両方舌に残るような不思議な経験でした。

チェコ、という国の背景も、知りたくなった1日でした。

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2 コメント

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私も、チェコ製アニメ「もぐらのクルテク」(正式... (エラティト・シン)
2010-09-16 17:13:47
私も、チェコ製アニメ「もぐらのクルテク」(正式なタイトルではないかも…[E:coldsweats02])が好きな割には、チェコについてはほとんど知りません[E:coldsweats01]
「プラハの春」と呼ばれた独自改革路線を進めた為に、ソ連の軍事侵攻を招いた、という歴史が…ありました、よね…?[E:coldsweats01]

チャールズ・M・シュルツさんの漫画に、こんなのがありました。
ライナスが絵を描いていると、ルーシーがやって来て、彼の絵を見るや…
「こんな図柄の絵はダメ!私の言う通りの絵を描きなさい!こういう色を使いなさい!」と、高圧的に叫ぶのです。
この漫画についての解説を読むと、シュルツさんは、当時のソ連のチェコ侵攻を批判して、こういう漫画を描かれたのだそうです。

自らの価値観を信じて、追求しようとした時に、それは全体が信じる主義・思想に反すると、他者から批判・攻撃される…
まぁ、こんな単純な話では決してないでしょうが、そういった歴史が遺した傷は、様々に形を変えて現れているのかもしれませんね…
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私も、プラハの春、という言葉を漠然と聞いた程度... (雨ふり猫@管理人)
2010-09-16 23:36:32
私も、プラハの春、という言葉を漠然と聞いた程度なのです。
チェコという国に興味が無いわけではない(だからこそ映画を観に行ったのですが)、いままで調べることはなかった……反省[E:think]
侵略されたり、自国の文化を否定された経験のない自分は、どこかそういう怖ろしさに対して鈍感なのかも。
歴史を学ぶこと、芸術に触れることは必要ですね。
スヌーピーで有名な『ピーナッツ』は子どもの頃好きで読みましたけれど、その漫画は印象にありません。
読んでないのか、メッセージを感じ取れず印象に残っていないのか……[E:despair]
そういえば『ピーナッツ』の登場人物たちは移民の子どもたちが大半ですよね。
チェコの背景を知るとまた見えてくるものあるんだろうなぁ[E:bearing]
もちろん、難しいことを考えなくとも、アニメ自体もとても楽しかったですけれど……[E:confident]
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