あめふり猫のつん読書日記

本と、猫と、ときどき料理。日々の楽しみ、のほほん日記

忘れられない、子どもの頃の本。

2010-07-28 22:49:11 | 本(児童書・絵本)

こちら本の探偵です (ちくま文庫) こちら本の探偵です (ちくま文庫)
価格:¥ 735(税込)
発売日:2005-09-07
こういうことって結構あると思います。

子どもの頃読んだ本で、今も懐かしく再読したいけど、タイトルも作者も思い出せないってことが。

私も折にふれふと心にひっかかるそういう本が何冊かありますが、そのうちの一つを、先日友達と話していて思い出しました。

きっかけは、子どもの頃の交通事故の話をしたことだったのです。

偶然、別の友達にそれぞれ1回ずつ、話のなりゆきからそんな話をしました。

小6のときで、たいして怪我もしなかったのですが、そのことを思い出すと、いつも決まって連想する物語があるのでした。

『二畳間の三人』という話です。

なんだ、タイトルは分かってるんじゃないかと思われるでしょうが、これは短編集に入っていた1編なのです。

小学校の図書館で借りた、ちょっと変わった短編集でした。何巻か、少なくとも2巻は、あったと思います。

そうして、私の記憶だと、それはプロの作家の書いたものではなく、小学校の先生たちが描いた物語を集めたものだったかと思います。

いや、プロもいたのかな?何巻目にか、灰谷健次郎氏が書いてらしたように思うので。

(でも、たしか灰谷氏も教職に就かれていたことがあったような……)

閑話休題(それはさておき)。『二畳間の三人』は、私の記憶によるとこんな話でした。

突然の事故でお父さんを失った親子三人が、それまで住んでいたところにいられなくなって、知り合いの好意で茶室に住まわせてもらうことになるのです。

お母さんと、お姉ちゃんと、弟。お姉ちゃんが、“わたし”。主人公です。

二畳間に三人が寝るのですから、それはもう大変。ハンモックを吊って、弟はそこで眠るのです。ギリギリの暮し。

でも、お母さんはとっても前向きで、不自由も面白がって、それが子どもたちにも伝染してそんな中でも楽しく暮らせるようになってきた頃、もう一つの不幸が襲います。

主人公の女の子が歩けなくなったのです。事故の後遺症でした。

お父さんが亡くなった事故は、二人で遭ったのでした。お父さんは娘をかばって亡くなり、女の子はそのときはかすり傷程度と思われていました。

ところが彼女も傷を負っており、半年もたって、後遺症が出てきたのでした。

私は事故の後、やはりかすり傷程度だったけど、その話のように後遺症がずっと後になって出たらどうしよう、と怖くなったのを覚えています。

でも、それから何十年も過ぎているので記憶もあいまいになり、探し当てるのは難しくなりました。もしかすると、記憶が全然違っているかもしれないのです。

上にあげた本の著者、赤木かん子氏は、本の探偵、と自称しており実際依頼者の記憶の断片から過去に読んだ本を探し当てる名人です。

こんな方に相談出来ればな……と思いながらそう出来るはずもなく、子どもの頃の気になる本は、いまだ幻のままなのでした。

コメント (12)
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