鳩山間の田天体観測所

趣味の天体写真を中心に、遠征の記録や望遠鏡関係の工作などを載せていく予定です。

光害カットフィルター

2019-12-04 17:10:44 | 天体写真
先日の撮影行の処理がようやく終わりました。
といっても、すごい処理をするわけではなく、普通に処理するだけです。

ダーク、フラットの下処理をしたら、コンポジットをして、
ヒストグラムを見てレンジを調整し、
トーンカーブをいじってコントラストをつけ、
周辺減光を補正して、
崩れたカラーバランスを整える。
ざっとこんなことをしています。
あと必要があったらスターシャープで星をちょっぴり小さくします。

今回の天体は、ぎょしゃ座のなかの散光星雲、通称「まが玉星雲」です。
コントラストよく写ってくれたので、ちょっぴりうれしい。

有名な観測地のわりには、空の暗さはそれほどでもない場所ですが、
よく写ったのは新たに導入した光害カットフィルターによるものが大きいように思います。

新しいフィルターは、以前から使っていたものに比べ、透過域がぐっと狭くなっています。
加えて、短波長側のカットも強力で、
今までは光害カットフィルターとともに弱い黄色フィルターを重ねて使っていたのですが、
その必要もありません。
(使っているレンズが30年前の銀塩時代のレンズなので、青にじみが激しいのです。)

昔撮影した写真と比べると、違いが一目瞭然です。


まが玉星雲(LPSP2フィルター+Y44)
栃木県日光市


まが玉星雲(NB1フィルター)
400ミリF2.8開放
3分露光×10枚
群馬県下仁田町

新しいフィルターのほうが、星の写りが少なく、赤い散光星雲が強調されています。
それだけ連続光がカットされているということでしょう。
(もっとも、画像処理で星を消す方法もあるようですが、自分はしたことがありません。)

欠点がないわけではありません。
まず、露光時間が伸びます。2倍以上といったところでしょう。
ですから、明るい望遠レンズを絞り開放で使わざるを得ません。
望遠鏡の直焦点ではどれくらい露光時間がかかるでしょうか。

また、サチっている(飽和している)ような明るい星はよいのですが、
暗い微光星は、青のカットが強力なために色が赤っぽくなってしまいます。

新しく導入した光害カットフィルターですが、赤い散光星雲を、特にクローズアップで狙う時には効果的です。
いっぽう散開星団や、散開星団と散光星雲を同時に撮ろうとするときには、今までのフィルターのほうがよいかもしれません。

当たり前のことですが、すべて万能なものはありませんので、撮影対象や空の暗さを考えながら使い分けていくのがよさそうです。
光害地でも効果がありそうですので、自宅の庭先でも使ってみようと思います。





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