長年染色をやってきて、色んな素材を染めた。
綿・絹・麻・羊毛・レーヨン・ポリエステル
その他、木・和紙・プラスチックまで染めた。
染色で難しいのは、それらの素材によって使う染料が違うことだ。
染料が違えば、助剤も染色工程も違ってくる。
その上、布の織り方や厚さでも、染めは違ってくるし、
最近は、綿とポリエステル、麻とレーヨン、毛とアクリル等、混紡が多くなり
ますます染め方もややこしくなってきた。
最近はポリエステルを染める機会は多くないが、
ポリエステルのブラウスの染め替えを頼まれ、
久しぶりにポリエステルを染める事になった。
ポリエステルのように水を吸わない繊維は、水溶性の染料では染まらないので、
ポリエステル用の染料と助剤で、100度以上の高温で染める。
染色工程
1 ポリエステルの布は水をはじくので、タナウエットALを加えた水に
浸け、布をよく揉みこみ水を吸わす。
2 浸染用キャリーEを熱湯で薄め、ポリエステル染料と一緒に、
湯の中に入れる。
3 1で準備した布を湯の中に入れ、100度まで加熱し、染ムラに
ならないよう
60分、ひたすらかき混ぜて染める。
4 十分水洗いをする。
5 染色後、布の表面に付着している余分な染料を分解除去する
ため、
80度の湯に、ネオソーダー・タナクリンAN・ハイドロを加え、
布を入れ、10分還元洗浄する。
6 水洗いをして、乾燥後ドライアイロンで仕上げる。
以上、ポリエステルの染色工程を簡単に紹介しましたが、
高温で60分染めるため、冬場に染めるのは良いのですが、
夏場は大変な作業になる。
今回、白のクロップト丈のパンツ(もう歳だから白いパンツは似合わなくなって)を茶に、
ユニクロの白のヒートテックをブルーに染め替えました。
染め替えの時、気を付けなければならないのは、
汗染みや気付かない汚れや布の擦れなどが有ると、
染め替えると、余計に目立って来ることがあります。
余り古い物を染め替えても、決して新品同様にはならないです。
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