きのねの本音

染色や木彫り そして気の合う仲間たち
大好きなものに囲まれ シニアライフを楽しんでいます
時には 愚痴や本音もポロリ

サボテンの花

2013-07-29 09:00:49 | 日記

田舎から帰って来た、1週間前の話である。
我が家の西側に小さな三角の出窓がある。
出窓の外側のガラス窓と内側のガラス窓に挟まれ、温室のようになっている。
そこに、一緒に引っ越ししてきたサボテンと、後から買ったサボテンが、
小さな小人のオブジェと一緒に並んでいる。

田舎から帰って家に入ると、何より先にすることは、
ベランダの花や木に水をあげる事だ。
2週間家を空ける為の水やり対策は、色々やっていても2週間は持たなくて、
瀕死の状態で、私の帰りを待っている。
たっぷり水やりをして、そのあとサボテンにも水やりをする。
こちらは少々水が無くても元気だ。

その中に、10年位育っている(勝手に育っている)サボテンがいる。
水やりを忘れるズボラな私の性格と、西向きの日当たりの良さが幸いしたのか、
グングン大きくなり、鉢から零れ落ちそうな位、子孫を頭にくっ付けている。
その日、その頭から、角がでているのを見つけた。
「へぇ~~ 変なの!」と思っただけで、大した興味も持たぬまま居たが、
その角は5cmになり、10cmになり、日に日に長く伸びて来た。
ますます「変なの!」と思っていたら、20cmまで窓の光の方に伸びて来た。

それから数日後の朝
何気なく出窓を見ると、いつもと違うものを見つけた。
角の先に可憐な白い花が咲いている。
夜中にひっそりと咲いたのだろう。
 
予期も期待もしていない出来事に、私の気分は舞い上がった。
「わぁ~~ 花が咲いてるよ!」
こんな時、一人は淋しい
一人で喜びの声を上げ、鉢を持ってウロウロ。
そうだ!息子に写真を送ろう。
どの角度で撮れば一番きれいか、何度も撮り直しLINEで送った。
数秒後、息子からの返事が、
「何!」
写真は届いたが、私の感動は届かなかったようだ。
10年育てていて、初めて私に見せてくれた白い花。
その花も昼前には萎んで、角と一緒に悲しく項垂れ、2度と花は開かなかった。

有名な“月下美人”も、夜中に一夜限りの白い花を咲かせ、良い香りを放ちながら、朝には萎んでしまう。
私のサボテンは、園芸店で200円ぐらいで売っている普通の丸いサボテンだが、同じように白い花を咲かせた。

何も特別でなくても、普通は普通なりの幸せが有るんだ・・・・・と、
自分に言い聞かせた。

コメント
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