岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

ワルナスビという花が満開だった / 自転車で…走る(その5)

2008-08-02 06:12:21 | Weblog
(今日の写真はナス科ナス属の多年草のワルナスビ「悪茄子」である。この写真は私が写したものではない。先日はカメラを持っていなかったので撮影が出来ず、やむを得ず「石川の雑草図鑑」というページから拝借した。別名を「鬼茄子」という。
 これは学名を「Solanum carolinense」といい、 北米キャロライナ地方のSolanum(ソラナム:安静)が語源である。この属の植物に鎮痛作用を持つものがあることによるらしい。だが、これはれっきとした毒草である。
 実には、ジャガイモの芽毒で知られるソラニン、サポニン「界面活性アルカロイド」、セリンプロテアーゼなどの毒素が含まれている。
 これは長い地下茎を伸ばして繁殖する。葉は互生、縁は粗く鈍く切れこむ。茎や葉の中脈上に鋭い刺が密に着いている。
 茎の上部の節と節の間から柄を出して花序を着け、ナスに似た形の紫色から白色の花をつける。雄しべの葯が長くて黄色だ。
 果実は球形であり、初めは緑色だが熟すと黄褐色となる。花が咲くと目立つのだが、それ以外の時季にはあまり目立たない。

 学名が示すように「ワルナスビ」は北アメリカ「アメリカ合衆国湾岸州」原産の帰化植物で、牧草地やその周辺、花壇や芝生などに入り込むと、どうにもならないという大変な「雑草」である。
 もう少し詳しく書くと…日本の永年草地では、1970年代から問題になり始めた。濃厚飼料から牛糞・未熟堆肥を通して草地に広がった帰化雑草で急激に分布を広げている。
 これは「切断された根」「根茎の断片」で繁殖し増えるといわれている。これが発生した圃場では耕耘した後は、同じ作業機で他の圃場の作業を行わないことが重要だという。とにかく、数少ないうちに抜き取るか、繰り返しの刈り払いが必要であるとされている。
 牧草地にも飼料畑にも多発するそうだ。家畜にとって毒性のあるソラニンを含んでいるからさらに問題である。
 いったん、侵入すると厄介な雑草となり、「収量の減少」、棘による怪我、放牧地植生の悪化と利用率の低下をもたらす。何も、これは「放牧地」だけの問題ではない。当然、野菜畑などにも入り込む。これが生えていた道路脇には、「畑地」が広がっていた。

 このようなものが岩木山の山麓に生えていることに驚き、かつ、行政等がこの事実をどのように捉えて、どうするのかが気になったので、このブログに書くことにしたのである。
 あれこれと「気になること」を書いていると、それに対する問い合わせもあるものだ。2ヶ月も前だろうか。岩木山山麓の放置ゴミ「古タイヤ」などのことを写真掲載で書いたら、NHK青森放送局の記者から問い合わせがあった。「事実の確認と今後どのような行動をしていこうとしているのか」についてであった。

 花名の命名者は牧野富太郎博士である。博士著の「植物一日一題」には次のように記されている。少し長いが引用する。
『「ワルナスビとは「悪る茄子」の意である。………我が圃中に植えた。さあ事だ。それは見かけによらず悪草で、それからというものは、年を逐うてその強力な地下茎が土中深く四方に蔓こり始末におえないので、その後はこの草に愛想を尽かして根絶させようとしてその地下茎を引き除いても引き除いても切れて残り、それからまた盛んに芽出って来て今日でもまだ取り切れなく、隣の農家の畑へも侵入するという有様。イヤハヤ困ったもんである。それでも綺麗な花が咲くとか見事な実がなるとかすればともかくだが、花も実もなんら観るに足らないヤクザものだから仕方ない。こんな草を負いこんだら災難だ。』

   自転車で…走る(その5)つがる市森田から十腰内、高杉、弘前へ

 (承前)…『新しい「山麓を横断するような道路」が出来ていた』ということ

 …はっきり言うと「岩木山環状線」と「県道弘前-鰺ヶ沢線」の間にもう1本「すばらしい道路」が出来ているということである。これで「岩木川の右岸沿いに五所川原を結ぶ旧国道」までの間には5本もの「道路」があるということになる。
 しかも、「岩木川の右岸沿いに五所川原を結ぶ旧国道」の東側には、その「バイパス」も通っている。これで6本だ。
 「岩木山環状線」からこの「バイパス」まで、最短距離を自転車で辿ると30分もかからない。もちろん、「岩木山環状線」から「県道弘前-鰺ヶ沢線」までは、ほぼ「下り」である。そこから、「岩木川の左岸に沿った生活道路」に出るまでも一部の区間は「下り」である。だから、スピードは平地走行よりも速い。
 それを差し引いても「30分」という時間での距離は10kmそこそこだろう。その10km弱の間に6本の「立派な道路」が南から北に向かって縦列して「敷設」されているのである。この道路同士の「間隔」は2kmに満たないのである。
 道路は何も「南から北に向かって縦列してある」ものだけではない。「縦列」に「敷設」されたものには「横」とか「斜め」に繋ぐ道路が造られる。
 横に繋がる道路は必ず、十字路で交わる。ところが、「斜め」に繋がれたものも、大体以前あった道路と「直線的」に交差して「正十字路」をなしている。
 「斜め」に走っているのだから、変形十字路で交わっていいはずなのに「正十字路」で交わるのだ。これは、横切る手前で大きくカーブをして、直線的に以前からあった道を横断するようにしているからである。
 何のためか。表面上の名目は、斜め横断による見通し不備による「事故」への対応だろう。しかし、穿って考えると「道路距離」の延長であろう。何しろ1mうん百万円という費用がかかる。少しでも長くした方が「うま味」があろうというものである。土地を道路敷設のために、取られる(?)ものにとっても、それだけ確率が高くなるので、「嬉しい」だろう。
 しかし、現実は「道路」のために「耕地」がどんどん、「浸食」されていることに変わりはない。
 まさに、弘前、五所川原、鰺ヶ沢間は岩木山山麓から中山山脈の山麓まで、縦横無尽に、斜行しながら網の目のように「道路」が存在している。道路天国、津軽の地だ。
 これが、全国の色々な統計で「下」から1、2番を「誇る」青森県の実態の一部なのである。(明日に続く。)