岩木山を考える会 事務局日誌 

事務局長三浦章男の事務局日誌やイベントの案内、意見・記録の投稿

春の雪か、冬の再来か

2007-03-07 07:51:28 | Weblog
 今朝は、5~7cmほどの雪が積もっていた。しかも外気温はマイナス4℃であった。何故かほっとした。しかも結構細かく、乾いた感じで、しまった雪である。今も降り続いている。
 これは西東三鬼(さいとうさんき)が「垂れ髪に雪をちりばめ卒業す」と詠んだ、髪に付着するような淡い春の雪ではない。もちろん、岡山県津山生まれの三鬼が見た雪は、北国弘前に降る雪と違うだろうと想像する。「ああ、まともな冬がやって来た。」という待ち望んでいたものに会えた感慨から、何だか嬉しくなった。
 それはともかくとして、私はこの俳句「垂れ髪に雪をちりばめ卒業す」が好きである。3月の卒業期になると毎年、髪に付着するような湿っていながらも、大きめでふわふわと舞い落ちてくる、風のない雪景色を期待したものである。
 「垂れ髪」の主である女子学生たちが、この穏やかな雪景色の中を巣立って行くのである。舞い落ちてくる雪のひとひらひとひらが、天から女学生たちの前途への祝福であるかのように思えるのだ。「紙吹雪の中を」という風景を時々見るが、「舞い落ちる淡雪の中を」という風景に比べたら何と俗なことか。前者は人工的な淺知恵の所産、後者には天の配剤と自然の神の慈しみが感じられてならない。