たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

『東北歴史紀行』より-「萩盛り<津軽の野辺>」

2021年12月26日 20時02分37秒 | 本あれこれ


『東北歴史紀行』より-「いざたどらまし<会津嶺の国>」
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/6bc2cf60eff49f4a242bee48e9a6cdca

「-亀岡遺跡-

 青森から秋田に向かうのは、奥羽線です。弘前までは特急でおよそ30分なのですが、その二つ手前が、川部(かわべ)というところです。ここから西の方、日本海沿岸をまわって、秋田県の東能代(ひがしのしろ)というところに出る五能(ごのう)線という支線があります。この沿線に木造(きづくり)町というところがあって、こここそは、津軽文化発祥の地だったのです。亀岡遺跡は、この地にあるのです。亀岡は、日本における土器文化のいたりついた頂上を示す縄文晩期の遺跡です。(略)

 亀岡出土土器は、その精巧な点において、単なる実用品の域を超えて、芸術の域に達したのです。津軽地方の文化の祖になったばかりでなく、東北地方全体、さらには東日本全域にわたっても、縄文土器の最高の文化的表現とみなされているものです。その文化の影響は、近畿地方まで及んだとされておりります。縄文文化は東日本型文化でした。西日本は、縄文文化に関するかぎり、後進地域でした。西日本が先進となるのは、弥生以降です。亀岡土器は中心とする津軽はそのようにして、縄文日本文化を代表していたことになります。」

「-弥三郎節の哀調-

 この木造というところは、藩政時代、津軽藩の新田開発の中心をなしたところでした。津軽民謡の中でも名高い「弥三郎節(やさぶろうぶし)」というのは、この木造新田の相野村(あいのむら)にあった嫁いびりのうたです。日本民謡のなかでは、九州熊本の「五木の子守唄」と、この東北津軽の「弥三郎節」以上に、非情で悲しいものはありません。「五木の子守唄」では、自分が死んでも、だれ一人泣いてくれる人もなく、松山で鳴いてくれる蝉に送られて、道ばたに埋められていく非人(かんじん)の無情が、切々とうたわれています。「弥三郎節」では、夜草・朝草刈りに、朝暗いうちから夕方暗くなるまで、指から血を流して働いても、舅(しゅうと)・姑(しゅうとめ)に気に入られないで、三度の口(三度の食事)さえつもられて、血の涙を流す悲しみをうたっています。「ここの親たちァ みな鬼だ こだと(こうだと)さとったら、誰ァ来べな」。いたましい限りです。あの栄光の縄文王国の末裔たちは、コメつくりの民としては、このような地獄の責め苦に堪えねばならなかったのです。人々はこれを哀切なメロディにうたって、なぐさめあって、はたらいていたのです。困難なコメつくりとのたたかいが、一つ屋根の下、強いものと弱いものとの力関係に屈折していった、いたましいたたかいの記録と言わなければならないのです。」

2000年宙組『砂漠の黒薔薇』-「君の名を呼べば」

2021年12月26日 00時35分41秒 | 宝塚
宝塚歌劇の殿堂より_宙組展(1)
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/910d59773d505637420b922ca66773f6


 『砂漠の黒薔薇』2000年3月24日から5月7日まで、Takarazuka1000daysにて上演されました。宙組初代トップスター、ずんこさんの退団公演。どうやってチケットを入手したのかもはや遠い記憶の彼方で思い出すことができませんが、2回は観劇したかな、一回だったかもしれません。

 作・演出は、酒井澄夫先生。ショー『GLORIOUSH』は、藤井大介先生の大劇場デビュー作。このあと5月から6月にかけて上演された月組、真琴つばささんの『BLUE・MOON・BLUE』で齋藤吉正先生も大劇場デビュー。座付き作家として中核をなすお二人、時は流れました。宙組の守護神、すっしーさんがいらっしゃることに感動しかありません。花ちゃん、永遠にプリンセス、わたるさん、永遠にタカラジェンヌ、陵あきのちゃんはどうしているのかなと時々ふと思います。すっしーさんの同期のじゅりぴょんも新専科制度のできる前で、宙組生でした。

 2021年末特別番組でキキちゃんが『砂漠の黒薔薇』から「君の名を呼べば」を歌ったのが、なんだか胸あつでした。どんな歌だったかとなつかしく振り返り。

「作詞/酒井澄夫 作曲/吉田優子

 君の名を呼べば
 
 過ぎた日の夢 心に甘く

 春風にゆれて 今もやさしく

 ほほえみ歌う

 時の流れも夢見るように
 
 君が面影 かげろう燃える

 
 君の名を呼べば

 胸にせつなく 心に熱く

 若き日の夢 今よみがえる

 思い出歌う

 花の香りに想いをよせて

 君がおもかげ ゆれる花びら

 時の流れも夢見るように

 君が面影 かげろう燃える」




 アリシャール王子/黒薔薇:姿月あさと

 マリヤーナ姫:花總まり

 ヤワン:和央ようか

 バハルル:大峯麻友

 ジャミラ妃:出雲綾

 ゼリム:湖月わたる

 ミスカー:陵あきの

 シャイザ:樹里咲穂

 ハルン王子:夢輝のあ

 マルシナー姫:南城ひかり