たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

宙組『アナスタシア』-東京宝塚劇場千穐楽ライブ配信(2)

2021年02月24日 21時43分34秒 | 宝塚
宙組『アナスタシア』-東京宝塚劇場千穐楽ライブ配信
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/9ee8c07289fda392d4bcc53263579e4c

 オンデマンド配信の視聴期限がせまってきた『アナスタシア』のナウオンステージ、「ミュージカルやってる、やってる」とまかキキがすごく楽しそう。宝塚大劇場広いですよねっというキキちゃんの話から、(グレブの執務室でのアーニャとグレブの場面)二人がやっているところが遠いなあって思ってみてると腕組みしながら話す真風さん、すごく楽しそう。そこ好き、そこ好きよ、終盤に向けてね、って話しているのはアーニャとグレブが対峙する場面のことだと思いますが真風さん、楽しそう。

 1月の下旬ぐらいに劇場スタッフが陽性というお知らせをみたときはもしかしたら中止になるかも、それでもそこから千穐楽まで2週間以上あるから最悪千穐楽だけでも上演できるよねとかひとり妄想していましたが全公演無事に上演し、千穐楽までたどり着きました。ほんとによかった。終わった時幸せな気持ちになることができる舞台。史実は17歳で神に召されたアナスタシアのもとにも届いているといいなと思います。せめて末娘のアナスタシアだけでも生き延びて幸せな人生を歩んでほしかったという人々の願いが込められたおとぎ話。わたしが全く勝手に思ったことですが、ロマノフの青い瞳をもつアーニャをアナスタシアとわかりながら撃てなかったグレブの姿もまた、こんな人がいてほしかった、こんな人にアナスタシアは助けられていてほしかったという夢なのかもしれません。私的な妄想です。

 まあ様の退団公演『神々の土地』、宝塚大劇場千穐楽と東京宝塚劇場の千穐楽ライブビューイングのみでしたが、まどかちゃん演じるオリガが物語の中で成長して精神的に強くなっていく姿が素敵だと思いました。そのまどかちゃんが演じたアーニャは、強くなにものをも恐れないという、パリに旅立つマリア皇太后が少女アナスタシアに贈ったことばどおり、自分の意志をもって強くたくましく生きる女性でした。掃除婦として堅実に働きながら、パリで誰かが待っている、自分が誰なのか確かめたくてパリを目指そうとする、ロシアの半分を自分の足で歩きぬいてきた女性、ユスポフ宮殿でディミトリとウラドにレッスンを受け自信をつけて、キラキラと輝く女性に成長していく姿がまどかちゃんそのものでした。「やればできるさ~♪」とスカートの裾をドレスのようにもって歩く姿、東京公演中に進化していきました。可愛くも強いアーニャは、トップ娘役になったとき真風さんの相手役にはもう少し大人っぽい方の方が、という声があったのをふきとばして成長しファンを納得させたまどかちゃんそのものに思えます。ネヴァ河の湖畔で紫藤りゅうくんたち4人が演じる酔っ払いにからまれたとき、棒切れをもってやっつけるたくましさも可愛いかっこいいでした。「強いな」と驚く真風さんディミトリの言い方が可愛かったのがツボ。

「白鳥の湖」の場面、ライブ配信でそれぞれの思いが踊りと歌と共に交錯する舞台全体と優希しおんくんロットバルトのすごい跳躍とを同時に伝えることはむずかしかったですねが、ボックス席の一人一人の表情をアップで映してくれたの嬉しかったです。こんな表情しているんだって、オペラグラスでは追い切れないところ。まかキキが唯一からむ場面、舞台と客席とで音楽と踊りが重なりない思いが交錯するところはなんかいみても見ごたえがあります。

 グレブの「アーニャ~♪」「アーニャ~♪」、どんどん壮大になっていき、千穐楽は東京宝塚劇場の壁が震えていたのではないかと思うぐらいでした。星組から花組へと組替えになった時には稽古のあとでまあ様とだいもんに歌の特訓をうけたというキキちゃんがここまで歌えるようになったんですね。男性の筋肉で歌う前提でつくられた歌、最初はもたなかったとカフェブレイクで話しています。ミュージカルの歌って不思議、ただものすごくうまいだけではちょっと違う、歌い上げるだけでは違う、その人物として歌うということ。少ない出番、少ない台詞、歌による見事な表現をみせてもらいました。稲葉先生の日本語訳がわかりやすいのもよかったです。

 こうして振り返っていると『アナスタシア』から生きることをあきらめてはいけないというメッセージをうけとったようにも思います。現実にはこのすさまじい寒暖差の中を5日間フルに出勤して脳みそばっかり疲れる業務をやっているだけで十分すぎるほどに十分なのに足りない、家賃あるからとうてい足りない。いろいろ考えているとやさぐれて生きることをあきらめたくもなりますが、生きれていればこそ楽しい時間もあります、生きれいればこそ。冷たい風が吹く中明日も出勤ですができなくても病欠で有給休暇あるそうなのでOK。それぐらいの気持ちでOK、実際には行くのでしょうがそれぐらいの気持ちを自分に許す・・・。

2021年1月22日(金)の東京宝塚劇場









2021年2月14日(日)のシアタークリエ

東京宝塚劇場のお向かいで、大地真央主演の舞台、無事に上演中でした。