昨夜お風呂を出たあと就寝の準備をしながら12時ぐらいから1時半までNHKBS放送をみました。コンタクトレンズを外すと極度に弱い眼鏡をかけるしかないのでテレビの目の前にいかないと画面がぼやけてみえず、ほとんとみえていなかったのですがカールとマルギットが出会い二人きりで過ごす幸せな場面、カールが愛想をつかしてふりをしてシュラック家を出ていく場面、カールがマルギットの幸せを願いながら「鴎の歌」を歌う最後の場面などなど、断片的に目の前でみました。1月と2月に宝塚大劇場で観劇したこと、そして3月の東京宝塚劇場千穐楽ライブビューイングが心の中に蘇ってきました。NHKさんの映像すごくきれい。灯台と街の灯りがともるブルーの背景を鮮やかに写し出しながら、カールとマルギットのアップをとらえるアングルが素敵でした。足元の階段も映っていてこうなっているのかと。そして紅ゆずるさんカールの端正なこと、端正なこと。男役の色気と素の大人の女性の色気が同時に成立していながら、マルギットを誘う眼差しと表情はリアル男子以上という不思議さ、でも実際には女性だから生々しさはなく安心してみることができる世界観。不格好なジーンズの着こなしぶり、あらためてさすがだと想いました。対する綺崎愛里さんマルギットの可愛いこと可愛いこと。お嬢様のマルギットにはききなれない荒っぽいカールの言葉に必死に耳を傾ける、ちょっときょとんとしたようなひたむきな表情の愛らしいこと愛らしいこと。素がお人形さん以上にかわいいのはわかっていますが、金髪がよく似合うくりんとした頭のかたちと表情、カールに戸惑いつつ魅かれていくのが手にとるように伝わってきました。娘役としての可愛らしさは技術なんだと思いました。プログラムやル・サンクに掲載された舞台写真ではほとんど掲載されていないマルギットの髪の右側にだけつけている飾りがよく似合っていてマルギットの愛らしさをひきたてていると思いました。観客になんだこの女!!って思わせない説得力が半端ない。半世紀前に初演された作品、特にカールの語る言葉はやはり古いと思いました。でもシェイクスピアを現代英語にすると少しも面白くないときくように、今の言葉にしていたらエルベの世界観は成立しなかったと思います。古きを訪ねて新しきを知る。この作品を平成最後の年に上演するというのはかなりの冒険だったと思います。数ある過去の名作といわれるものの中から、紅さん率いる星組を信じてこの作品をあててくれた上田久美子先生の手腕に感謝、現代のことばにかえることなくそのまま上演してくれたことに感謝。「鴎の歌」を技術的にもっと上手く歌い上げることができる人はたくさんいるのだろうと思いますが、今この歌は紅さん以外の人が歌ってはいけない。役の魂が役者に乗り移った奇跡の大千秋楽を忘れることはない。想定外に苦しみ抜くこととなった一年のなかでこの作品を宝塚大劇場で二度も観劇できたのが今年いちばんの幸せ。東京宝塚劇場のチケット、抽選に申し込んだらもしかしたら当選できていたかもしれませんがわかりません。帰省していなければありなかったことなのでわたしの人生、これでよしとしましょう。これをきっかけに気持ち紅さんにもっていかれました。余裕があれば永遠とエルベ語りしたいし、DVDほしい。紅さんの舞台は人の弱さをさらけだし肯定してくれる、生きるのも悪くないよって思わせてくれる。出会えたことは心の宝物、あの世へ旅立つときのお土産。『AnotherWorld』のDVDもほしいけど荷物減らしがさらに進んでからだなあ。
昨日までの書類が昨日の間にほとんどチェックできていたので、今朝は目覚まし時計をいつもより40分おそくセットして一時間の時間給とりました。弟いましたけどね、外は冷たい風が吹いているので正解でした。足腰へとへとでもう動かない。強い向かい風のなか駅までの道のりは大型車が時間帯とわずガンガン走っているし曲がってくるしでいつも以上こわくてきびしかったです。雨に降られなかったのは幸い。なんとか無事に生き延びました。就労場所で嘱託の人に次はここでさがさない、首都圏に戻りたい理由を話したら豊かな人生ですねって言われました。お金を基準に考えたらこんなに非合理でマヌケな人生ないと思いますが舞台や美術館を楽しむことができる心がある自分は幸せなんですかね。今日清史郎君主演の舞台を上演している上野にいたい人生。関西と関東、両方はなかなかきびしい、ぜいたくいっちゃいかんですね、都心にそのままいたらあれもこれも観劇できたのにと思う舞台がいくつもありますが大劇場は遠い。エルベに出会えたことに感謝の一年、よくがんばったよ、自分・・・。





