大野拓史作・演出『イスパニアのサムライ-エル・ハポン』、プログラムには通常は紹介されない、女官や宮廷道化まで細かく設定が紹介されていて、ペラスケスの「ラスメーナス」を参考にしたとあるあたり、大野先生、博識でマニアックなこだわりを感じました。最後は大団円のハッピーエンド、いかにもな感じで真風さん演じる蒲田治道との結婚を星風まどかちゃん演じるエカテリナが簡単に受け入れてしまうところ、笑ってしまうぐらい宝塚ちっくといえば宝塚なのに、素直に心地よく爽快だったのは、キキちゃん(芹香斗亜さん)演じる、実はエカテリナの亡き夫の親友だったというアルハンドロの存在のなせる技かなと思いました。アルハンドロさん、治道にスペインへ残る道としてエカテリナの亡き夫の身代わりとして生きることを提案。キキちゃん、宙組にきてから何を考えているのかわからい飄々とした妖しいところがある男役の色気がマシマシ。男役の色気に溢れている真風さんとの融合が抜群だなあと今回も感じました。アルハンドロさん、自由人、くるくるのおひげは歌劇の11月号を読むとキキちゃんの発案っぽい。
劇中に登場するフェリペ三世は、スペイン・ハプスブルクの人だよね、と思い、『ハプスブルク-美の遺産』を読み返してみました。フェリペ二世の息子。フェリペ二世は、『レディベス』に登場したフェリペ皇子。「メアリ女王が死の床にある隙を縫ってエリザベス一世(レディベス)へプロポーズ、実の息子から許嫁を奪い死に追いやった他、日本からの天正遣欧使節団との会見や無敵艦隊の敗北でも知られる。人生後半には書類の山に埋もれ、フェリペのように働くという慣用句ができたほど極端な仕事中毒となった。
頂点を極めたフェリペ二世が、根腐れからゆっくりゆっくり傾く大樹のように、痛風に呻きつつ71歳でみまかると、その後のスペイン・ハプスブルクの衰退は急だった。不出来で短命な息子・三世、もっと不出来な孫四世。しかも自分たちの高貴な青い地を維持せんと代々近親婚を重ねてきたせいで異様に濃くなった血は、もはや健康な跡継ぎを残せなくなっていた。二度の結婚で多くの子が生まれたものの、次々夭逝して男児が育たない。いっときは娘であるマルガリータ(「ラスメーナス」に描かれる王女)に王位継承件を譲ることさえ検討された。
そんなころ誕生したのが、フェリペ・プロスペロ王子だった。国中の期待を一心に浴びた王子だが、宮廷画家ペラスケスの卓越した絵筆で描かれたその肖像画をみれば、誰もが暗い予感にとらわれるに違いないーこの子は現世にそう長く留まってはいないだろうと。」
ディエゴ・ペラスケス《皇太子フェリペ・プロスペロ》
(2009年『THEハプスブルク』より)
直接舞台とは関係ない背景について書いてみました。こうして繋がってくるのは楽しいです。歴史のお勉強。史実では蒲田治道は、南部藩に対して一揆を起こした和賀家と運命を共にして果てたとか。物語では、和賀家の娘藤乃と契りを交わし戻ってくると約束しながら戻らなかった過去を背負いながら生きるサムライとなっていました。回想シーンで登場する藤乃がすごく綺麗でした。どなたかと思ったら遥羽ららちゃん、さすがの美貌と着物の着こなし、所作の美しさ。姉を見殺しにしたと治道を恨み続ける弟の藤九郞は和希そらさん、青いくさい少年感が今回もよくあっていました。彼はスペインに残る道を選んだだったかな。
紅葉がのこる花のみち。
小林一三先生にお礼をいった紅ゆずるさんの大千秋楽、カーテンコールを思い出しました。初心忘るべからず。
こうして永遠にブログを書いていたいですが時間切れとなってきました。死なないためにお正月の東京公園のチケットを発券してきました。その前に月組と『スクルージ』。その前に明日の朝は降水確率90パーセント、お昼の電話当番、五日間フル勤務の始まり。どこまで無事かわかりません。確実に老いてきているので慣れない不便な暮らしと脳みそうんでくる慣れない業務、無理無理、この寒さで駅まで自転車はどうなるのでしょうか。昨日の朝はまた弟に怒られました。わたしは母親に似てがさつなのがいけないですが今さら人に怒られながら暮らしたくない、郷里だと気持ち油断した自分ほんとにあほ過ぎ、生活を大きく変えるなど具の骨頂、わかっていなさすぎました。気持ちだけでもまた旅立つ準備、郷里近郊で次の居場所をみつけていく気持ちはもう全くないのでどうしまようかね。その前に明日・・・。
劇中に登場するフェリペ三世は、スペイン・ハプスブルクの人だよね、と思い、『ハプスブルク-美の遺産』を読み返してみました。フェリペ二世の息子。フェリペ二世は、『レディベス』に登場したフェリペ皇子。「メアリ女王が死の床にある隙を縫ってエリザベス一世(レディベス)へプロポーズ、実の息子から許嫁を奪い死に追いやった他、日本からの天正遣欧使節団との会見や無敵艦隊の敗北でも知られる。人生後半には書類の山に埋もれ、フェリペのように働くという慣用句ができたほど極端な仕事中毒となった。
頂点を極めたフェリペ二世が、根腐れからゆっくりゆっくり傾く大樹のように、痛風に呻きつつ71歳でみまかると、その後のスペイン・ハプスブルクの衰退は急だった。不出来で短命な息子・三世、もっと不出来な孫四世。しかも自分たちの高貴な青い地を維持せんと代々近親婚を重ねてきたせいで異様に濃くなった血は、もはや健康な跡継ぎを残せなくなっていた。二度の結婚で多くの子が生まれたものの、次々夭逝して男児が育たない。いっときは娘であるマルガリータ(「ラスメーナス」に描かれる王女)に王位継承件を譲ることさえ検討された。
そんなころ誕生したのが、フェリペ・プロスペロ王子だった。国中の期待を一心に浴びた王子だが、宮廷画家ペラスケスの卓越した絵筆で描かれたその肖像画をみれば、誰もが暗い予感にとらわれるに違いないーこの子は現世にそう長く留まってはいないだろうと。」
ディエゴ・ペラスケス《皇太子フェリペ・プロスペロ》
(2009年『THEハプスブルク』より)
別冊家庭画報 家庭画報特別編集 ~「THEハプスブルク展」 公式MOOK~ハプスブルク家「美の遺産」を旅する | |
写真=南川三治郎 | |
世界文化社 |
直接舞台とは関係ない背景について書いてみました。こうして繋がってくるのは楽しいです。歴史のお勉強。史実では蒲田治道は、南部藩に対して一揆を起こした和賀家と運命を共にして果てたとか。物語では、和賀家の娘藤乃と契りを交わし戻ってくると約束しながら戻らなかった過去を背負いながら生きるサムライとなっていました。回想シーンで登場する藤乃がすごく綺麗でした。どなたかと思ったら遥羽ららちゃん、さすがの美貌と着物の着こなし、所作の美しさ。姉を見殺しにしたと治道を恨み続ける弟の藤九郞は和希そらさん、青いくさい少年感が今回もよくあっていました。彼はスペインに残る道を選んだだったかな。
紅葉がのこる花のみち。
小林一三先生にお礼をいった紅ゆずるさんの大千秋楽、カーテンコールを思い出しました。初心忘るべからず。
こうして永遠にブログを書いていたいですが時間切れとなってきました。死なないためにお正月の東京公園のチケットを発券してきました。その前に月組と『スクルージ』。その前に明日の朝は降水確率90パーセント、お昼の電話当番、五日間フル勤務の始まり。どこまで無事かわかりません。確実に老いてきているので慣れない不便な暮らしと脳みそうんでくる慣れない業務、無理無理、この寒さで駅まで自転車はどうなるのでしょうか。昨日の朝はまた弟に怒られました。わたしは母親に似てがさつなのがいけないですが今さら人に怒られながら暮らしたくない、郷里だと気持ち油断した自分ほんとにあほ過ぎ、生活を大きく変えるなど具の骨頂、わかっていなさすぎました。気持ちだけでもまた旅立つ準備、郷里近郊で次の居場所をみつけていく気持ちはもう全くないのでどうしまようかね。その前に明日・・・。