たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

2019年『タカラヅカスペシャル』ライブビューイング

2019年12月22日 23時09分53秒 | 宝塚
 なんとか無事に現実逃避してきました。まだTMP音楽祭と名付けられていた頃、フォーサムの舞台写真をみながら一度でいいいから観てみたいと憧れ続けた年末の宝塚のお祭り。こうして映画館で観ることができるようになったなんて夢のようです。3年前コンビニにポスターが掲示されているをみたのがきっかけで宝塚愛復活。再びやめられなくなりました。電車に乗る前コンビニでチケットを引き換えようとしてまだぴあの引き取り登録をしていなかったことに気づいてあせりましたが間に合いました。外は暗くてさびしいですが映画館が入っているショッピングモールの中は街で、子どもちゃんがいっぱいでにぎやかでした。なかなかにびっくり。駅までの道のりで今日も車がきつかったのですが、前方から曲がってきたダンプカーがこわくてゆっくりになったら後ろから走ってきた車にクラクション鳴らされて、すごいスピードですれすれにところを走られたのですが、人に向かって「じゃまだ、どけー!」って言って許されるのはたまきちだけなんだよ、BODDYだけなんだよ、っていうことで今日だけ笑うことにします。ほんとに危険なのだから笑いにかえることではなく、またここで生きていくことはできない思い知らされたことになるのだけど今日だけ、ということで備忘録。

「Beautiful Harmomy」、令和を英訳するとこう表記されることがあるそうな。トップさんたちのトークで今さらですがようやく知りました。紅ゆずるさんと綺咲愛里さんは客席に、なんと明日海りおさんは都内のライブビューイング会場にいたそうな。一年前と大きく様変わりしました。一幕最後の二番手さん4人が率いた男役さんたちによる「クンバンチェロ」がものすごく熱かった。いつトップになってもおかしくない力があったまっている人ばかりで安定感抜群だと思いました。濃かったですね、愛月ひかるさん、彩風咲奈さん、ききちゃん(芹香斗亜さん)の同期3人にダンディな瀬戸かずやさん。3番手以下の男役さんたちも力のある方ばかりで力強い一幕のフィナーレ。水美舞斗さんにみるたびに力をつけてきたことがわかるせおっち(瀬尾ゆりあさん)、和希そらさん、飛龍つかささん・・・。

昨日のSNSでネタバレしてましたが、各組コーナーでトップバッターの宙組だけパロディ、お笑い担当? いや至って真面目にやろうとしていたけど結果的に唯一笑いをとって楽しませてくれました。キキちゃんの可愛いスカーレットから、ドレス姿のまま法被きてどすきかせた男役へとスイッチきりかわり、まさかのスカーレットで「ソーラン宙組」デビューしたという流れは話題をかっさらいおいしいところを持っていったなあ感。新聞記事にも取り上げられているほど話題。各組の思い出をたどるという設定で、スタートは和希そらさんによるベルばらの小公子、これ可愛かったです、少年感が今回もすごく生きていました。続けて
星風まどかちゃんと桜木みなとさんで、わたしはみていないですが「王家に捧ぐ歌」でシリアス、しんみり、じわじわ。直後に幕が上がると「風と共に去りぬ」のバトラーがスカーレットの頭をうちくだいてアシュレイの幻を追い出してやるっていう階段の場面。おひげにネクタイほどけた色気にあふれた真風涼帆さんのバトラーと男役化粧のままなので色黒かつでかい。けど声も仕草も女役になり切っていて小顔で可愛いキキちゃんスカーレット。バトラーに今夜は俺と一緒に眠るんだって無理やり連れていかれそうになるところを拒否るときの手が華奢で女役さんでした。それから可愛く高い声で「きゃあー」と階段落ち、したかと思うと白いドレスに法被姿で「どっこいしょ、どっこいしょ、ソーラン宙組!」とスカーレットでは振り回されていた輪っかドレスを振り回しながら長い手足を生かしてどすきかせいました。「スカーレット?」とぽかんとしていたバトラーも法被を着るとセンターをうばって賑やかに「ソーラン宙組!」。演出は上田久美子先生とか。さすがの着眼点、上手くツボを抑えてみるものを満足させる手腕、さすがでございます。演者の持ち味を最大限に引き出すのがうまい。キキちゃんの笑いは人を幸せにする。客席を楽しませるという腕にかけてはキキちゃんが紅イズムの継承者かな、ジョンソン先生はもうみんな知っているのでこうきた。違和感なく、誰もがわかりやすく楽しめる。真琴つばささんだってスカーレットやったのだから本公演でもありありでは。キキちゃんスカーレット、ドレス姿も似合っていました。さすがの美人度、デコルテも綺麗でした。デコルテ綺麗は必須。それにしても宙組のトライアングル、安定度抜群。星風まどかちゃん、落ち着いてきて貫禄すら感じるこの頃。しょっぱなのアクアヴィーテでは、キキちゃんとまどかちゃんのデュエットに真風さんが「俺の女に手をだすんじゃねえ」っていう感じで割って入ってくるとか最高、宙組がもっていきました。お正月の東京宝塚劇場公演も楽しみ。その前にまだ今年あります、苦しい。楽しみを糧に無事生き延びる。

 今年を振り返るトップさんたちのトークで、望海風斗さん、年明けの宝塚大劇場公演に向けて絶賛稽古中、タカラヅカスペシャルに集中しづらいという話で去年紅ゆずるさんがこんなことしている場合ちゃうねん、って言っていた気持ちがわかると。公言にそうなんだあってきいていたけど一年後はあなたの番やで一年後の今気持ちがわかると。同期のみりおさんの名前も出ていましたね、Wさゆみさんが卒業したことを実感した時。

 断片的に、専科コーナーで、凪七瑠美さんの蘭陵王、そして退団を発表した華形ひかるさんの貧ちゃんが登場したの嬉しかったです。「みんなで楽しい老後♪」、久しぶりに聴きました。星組コーナーでは、愛月ひかるさんのルドルフ、舞空瞳ちゃんのマリーで「うたかたの恋」、わたしはみていませんがせおっちで「眠らない男ナポレオン」かな、インパクトありました。天寿光希さんの語りで星組は時代を見つめてきたみたいな内容もあり、よかったです。北翔海莉さんの退団公演「桜華に舞え」もよかった、わたしはみていませんが歌詞でそうかなと。琴さんの歌は残念ながらわからなかった。演出は上田久美子先生、無駄がない。雪組はルパン三世かな。彩風咲奈さんのスーツ姿がとてつもなく足長くてかっこよかった。彩凪翔さんの石川五右衛門も素敵でした。男役を極めている人のカッコよさ。望海風斗さんと真彩希帆ちゃんで「ひかりふる路-ロベスピエール」。締めはミュージックレボリューションで、雪組は歌うまトップコンビに牽引されて歌のスキルが高いことをまた実感。実力の雪組感でした。花組は新トップコンビのお披露目として、「ミー&マイガール」をチョイスしたのがよかったかな。華優希ちゃんサリー、すごく可愛くてよく似合っていました。柚香光さんビルのサリーは僕の女の子感もよく出ていました。それにしてもマイティは衣装の上からでもしっかり筋肉ついていることがわかってやっぱりすごい、すごいダンス力、歌、芝居。聖乃あすかさんの虞美人、男役化粧でしたがよく似合っていて綺麗でした。

 二幕で7月19日に亡くなった柴田侑宏先生をじっくりと偲ぶコーナー。ほんの一部しか知らないのですが宝塚の財産となっている作品ばかり。轟悠さんの「凱旋門」でスタートし、「熱きバレンシアの花」「小さな花がひらいた」「もう涙とはおさらばさ」、繰り返しうたわれているものはわかりました。「あかねさす紫の花」が桜木みなとさんとせおっち、「仮面のロマネスク」が愛月ひかるさんと真彩希帆ちゃんで、真彩ちゃんの歌は別格でした。二人の色気のある芝居と歌、キャーっていう感じでした。キキちゃんが華優希ちゃんの肩を抱いて「愛している」って歌うの、作品わからなかったですがこれもキャー。再演されていない、再演してほしくない名作、杜けあきさんの退団公演「忠臣蔵」、太鼓の音と共に登場したのは望海風斗さんでした。討ち入りを果たしたあとの紙吹雪の雪が舞い散る場面が今も蘇ります。聴けてよかった。デジタル配信で視聴できる柴田作品、あらためてみていかなければと思いました。やることまだまだあって死ねないですね。

 お正月の日比谷にむけてぶらっとこだまのチケット、届きました。長く、想定をはるかに上回る苦しい一年、もう少しあります。ここで暮らしていくことはできない、どこへ旅立ち家賃払いながら暮らしていくのか、今はわかりませんがまた旅立っていかなければなりません。その前にまだあるんですよね来年も。その前にまだあるんですよね5日も。電話当番2回、通勤つらいしもういいんだけどそんなわけにはいきません。眠剤のみ続けるのもつらいけどのみないと眠れない。なんとか生き延びる、日比谷に向けて生き延びる・・・。

デビュー50周年『萩尾望都ポーの一族展』

2019年12月22日 13時04分14秒 | 美術館めぐり
11月19日記事:デビュー50周年記念『萩尾望都ポーの一族展』
https://blog.goo.ne.jp/ahanben1339/e/a3d9c11293859692d49446b0372d6747

「日本の漫画表現に革新をもたらした萩尾望都さん。

 バンパネラ(吸血鬼)の一族に加えられ、少年の姿のまま永遠の旅を続ける主人公・エドガーの哀しみを描いた「ポーの一族」は、1972年に発表された第1作から多くの読者を魅了してきました。2016年、40年ぶりの連載再開が大きな反響を呼び、2018年には宝塚歌劇団が満を持して舞台化するなど、今なお世代を超えて読み継がれています。

 本展ではデビュー50周年を記念し、代表作「ポーの一族」を中心に「トーマの心臓」をはじめとする名作の数々を紹介します。「ポーの一族」新シリーズや本展のための描き下ろしを含む原画、予告カットなど300点以上を出品、さらに宝塚歌劇公演の衣装・小道具も展示し、夢のステージを再現します。少女漫画にとどまらず他分野にも多大な影響を及ぼした「萩尾望都の世界」の魅力に迫ります。」


 1980年代だったかな、出版社が読者プレゼントで送った原画を、ネットでよびかけて受け取った人から預かり展示されていました。貴重なものが保存されていることに感動。宝塚の衣装その後行われた梅田の会場ではがエドガーとアラン以外にも展示されて華やかだったようなのでスペースの都合だったのかな、こちらの会場はちとさみしすぎたかな。萩尾望都さんがヨーロッパで購入した人形たちや劇画の人形たちも展示されていて雰囲気を高めていました。

 冷房が効きすぎていたのでお腹が冷えてきてしまい限界がきましたが原画を目の前でみるとその力に圧倒され、足腰つらくても台詞を読みながらひとつひとつじっくりとみたくなりました。「ベルサイユのばら」の原画展をみたときにも思いましたが、こんなに細やかな作業を続けている漫画家はすごいなと。こうして貴重な原画を保存・管理するのもご自身なのかな。今は出版社? いずれにしても日本の財産ともいうべき原画たち、これからも大切に保存・管理されていってほしいです。

 40年の連載開始のエドガー・アランと1972年の連載開始の頃描かれたエドガー・アランとの違いが面白かったです。漫画家の年齢の移りかわりと共に登場人物の表情も服装も変化していく、作品も年をとっていくのだなあとしみじみ。

 それにしても宝塚のビジュアルを含めた登場人物たちの再現度の高さはすごかった。萩尾望都さんの作品、「半神」しか読んだことがないので、この世にいる間に漫画喫茶などでじっくり読んでみたいものです。まだこの世でやり残していることがたくさんあるのだよ、自分・・・。

「メリーベルはどこ?

「知ってる? きみは人が生まれるまえにどこからくるか」

「知らない・・・」「

「ぼくも知らない、だからメリーベルがどこへいったかわからない」

「・・・生まれるまえに・・・?!」