たんぽぽの心の旅のアルバム

旅日記・観劇日記・美術館めぐり・日々の想いなどを綴るブログでしたが、最近の投稿は長引くコロナ騒動からの気づきが中心です。

星組『霧深きエルベのほとり』『エストレージャス』_二度目の観劇でした(2)

2019年02月04日 23時22分36秒 | 宝塚
 いい舞台に出会えると、大袈裟かもしれませんが「生きていてよかった」って思う。「この世に生まれきてよかった」って思える。キラキラな宝塚大劇場は丸ごとアミューズメントパーク。1月に二度もいってしまって十分すぎるぐらい贅沢。ほんとに贅沢。


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第17場 鴎の歌

貨物船、フランクフルト号。
舳先の高み、マストを背にした男がただ一人。
霧海の中に・・・。
カールが歌っている。

カール『鴎よ 翼にのせてゆけ
我が心の吐息を
遠きふるさとのエルベの流れ
霧は深く ため息のごと
岸辺によせる さざ波は
別れし人の睫毛にも似て
いつも ふるえる
鴎よ つたえてよ
我が心 いまも 君を愛す
鴎よ つたえてよ
我が心 いまも 君を愛す』

風強く、霧が流れて。

   -幕-

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 上田久美子先生がほれ込んだ脚本。今の自分にはここまで書ける力がないので再演を劇団にかけあったという脚本。カールとフロリアン、二人の男性がマルギットというお嬢様をめぐって争うのではなく、マルギットの幸せを願って譲り合う物語。哀しくて優しい物語。

 幕が下りる前、『鴎の歌』を口ずさむカールは微笑んでいました。やわらかい歌声で鴎に自分の想いを託すように、マルギットに幸福(しあわせ)になれって伝えてくれって語りかけるように歌うカールの姿がそこにはありました。感情を心の底から歌にのせるとこうなるのかと、上手い下手とは別のところにいるんだと・・・。

 今まさにフランクフルト号が出帆しようとするところ、フロリアンと共にカールをさがしにきたマルギットにカールの姿がみえたんですね。一度目ではわかっていなかったですが、マルギットは「カールだわ!」って言って迫をおりていきました。カールにはマルギットの姿が目に入ったのか、マルギットを罵ったのは自分の本心ではないことをマルギットが知ったことをカールは知らないまま出帆していったわけで、カールにとってはそれが幸せ。マルギットはその後フロリアンと人生を歩んでいったのか、余白が残るエンディング。

 脚本を読むと、「幸福(しあわせ)」って書かれています。『幸福(しあわせ)の黄色いハンカチ』という高倉健さん主演の映画を思い出しました。言葉が深い。さらにかみしめていきたいです。

 今日、宝塚大劇場千穐楽でした。早いなあ。悲しいお知らせがありませんように・・・。
東京宝塚劇場まで出向くことはできないので次は3月24日のライブビューイング。無事につとめられますように。自分、次の道筋がみえていますように・・・。


キャトルレーヴも東京宝塚劇場よりもひろくってディスプレイも素敵でした。SNSでみかける写真はこれだったのかと。ひろくってみるところがありすぎ・・・。