ゼウスと雨男

天の神ゼウスは、雷を操り、自由に雨を降らすことができるのでしょう。雨男・雨女にも、そんな力があるのでしょうか。

あるわけありませんね。

ではなんで、「雨男」などという発想が現れたのでしょう。この理由、実は「ゼウス」という発想が現れたのと同じ理由なのではないかと思います。

その理由とは、「何かを説明する」ということ。人は論理的でなくとも筋が通った根拠付けがほしいと思うわけですね。安定性・予測可能性は人が常に望んできた贅沢の極み。

神が雷を落としているわけはないとわかっても、人類は４０００年たっても同じようなレベルの発想で動いているのです。知識は増えても、根本的な欲求は変わっていない部分が多い。ポリグラフやＤＮＡ鑑定が行われる今日とはいえ、実はこんな不変な不安に安定性すら感じられるのではないでしょうか。

人が変わって得る安定性と、人が変わらぬという安定性。どちらが好ましいのか・・・。