人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

本当の「プリンシパル」の醍醐味

2005-02-04 00:12:42 | 出来事
段々「自分の仕事」をするようになってきました。説明しましょう。

大学でビジネスを学んだときは、ケーススタディがメインでした。大学最初のケーススタディはメリルリンチの優秀だが協調性に欠ける社員の話だった・・・今でも覚えています。(当時、メリルリンチという名前からして法律事務所だと思っていましたが。お恥ずかしい。)

とにかく、ケーススタディでは、この会社はこんな状況です、あなたが経営者だったらどうしますか、みたいなことを考えたり、実際こうなって成功したんですよ、めでたしめでたし、という話だったりします。かなり客観的に、理論的に、冷静に、そして学問的に事業を接します。「ほおー」と思うことはあっても、あまり実感が湧きません。

卒業して社会人になり、M&Aのアドバイザリーを始めました。会社の代表・代理人である経営者・社員のために、代理して考える、「復代理」のような感じでしょうか。確かに面白いし、自分がプリンシパル(当事者)になったように考えますが、2段階も離れているのです。当事者は実質的にはお客の会社の株主なわけですから・・・。

その後メーカーに転職したことで一般的に「プリンシパル」といわれる組織を味わうことができました。なるほど、チームの決断によって金が動き、売上が立ったり広告ができたりする。これは楽しい。そして主体性という意味ではアドバイザリー業務をやっているときより遥かにあり、責任だけでなく自分の欲であったりリスクに対する姿勢であったり、個性が決断の客観性に影響を与えていたような気がします。

しかし、客観的に見ればやはり自分のお金ではない。失敗しても給料は入るわけです。

今は自分で、本当の意味で「プリンシパル」をやっています。自分のお金でリスクテイクするし、ちょっとした判断違いで訴訟の被告になってしまう可能性すらあります。儲かっても儲からなくても直接跳ね返ってくるので、契約・値段交渉だけでなく、細かな事務手続きでさえ多少の緊張感が伴います。

前にも書きましたが、ミクロが見えてきたからこそ逆にマクロがより鮮明に見えてきたのだと感じます。

こんな気持ちを味わえて本当に良かったと、今更ながら思います。ある程度の成功や、不必要なリスクの回避が大前提ですが・・・。

人は40年以上現役で働くことができます。このような心地よい危機感を、一度味わってみてはいかがでしょうか。

コメントを投稿