人生論:「生涯発展途上」を目指して

消化器内科医になった起業家・弁護士・会計士、岡本武士による人生論や新たな視点の提供、身の回りの出来事に対するコメント等。

褒め方

2009-03-17 14:45:18 | 出来事
褒めることはとてもいいことなので、悪い褒め方があるとは思っていませんでした。しかし考えてみると、褒めすぎは良くないですし、褒めるときに他の弊害が生じることもあります。

数年前の経験ですが、なぜか非常に印象に残った褒め方がありました。

匿名性を確保するために漠然とした説明となってしまいますが、出会ったばかりの人たちがチームを組んで目的を達成する会でした。その中に、人を褒めることに躊躇がない人がいました。とても素敵なことですし、関心しながら作業を進めていました。

そのチームの中で、作業の担当部分を素晴らしくこなした人がいました。当然みんな褒めますが、上記の人はこのように、みんなが聞こえるように褒めました。

「すごい!○○さんはこの中の誰よりも能力が高くて才能があると思います。」

周りは空気を読んで頷いていましたが、その発想に違和感を感じている人がいたのも明らかでした。

比較すると具体性が出ます。原則として具体的な褒め言葉の方が、リップサービスではないように感じるためとてもうれしいものです。しかし甲乙を付け、比較の対象を乙とするなら、少なくてもその対象が聞こえないように言うべきですよね。しかも、このケースでは協力関係が重要なときに競争の要素が導入されてしまいます。

薬の副作用のように、行動に意図しない悪い結果が伴わないように気をつけたいと感じました。

思うに、何事にもいくつかの視点、いくつかの「次元」があります。他人との比較はそのひとつであり、他に次元の褒め方を選べばより良かったのではないかと思います。

同じ次元:「すごい!テレビでやってた人より上手ですよ!」
(より無難で、よりうれしい褒め言葉ですが、やはり他人との比較。)
違う次元:「すごい!この文章の言い回しはすごくスムーズでしっくりきます!」
(作った人ではなく、その結果に着目している。具体性もある。)

このような言葉の入れ替えが実践できれば色んな場面で役立つのではないでしょうか。

最後に、上記のような微妙な褒め言葉はアメリカでなんどか聞いたのですが、日本ではこれが初めてだったと思います。それで印象に残ったのでは、と。

その理由を考えてみたのですが、日本人は気遣い上手であることが一つ挙げられます。その反面、人を喜ばせるより怒らせないことを優先する文化であるようにも思えます。

上記のように多少気をつけるべきことがあるにしろ、やはり積極的に人を褒めることができるのは非常に魅力的なことだと思うので、今までより一日一称賛増やせるように努めたいと思います。

1 コメント

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Unknown (N)
2009-03-18 08:07:25
褒める行為は心に感動が生まれて出てくると思います。比較するつもりがなくてもそういう褒め方をしてしまった人は素直すぎるくらい素直だと思います。褒められた人はうれしい反面余計な自信もついてしまう可能性があります。周りに誤解を生まないためにもスマートに褒めることがお互いにとって、そして周りの人にとってもいいのではないでしょうか。

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