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秦剛節

・米国による中国の人権状況への中傷に反対 外交部(和文、人民網)
http://j.people.com.cn/2007/04/08/jp20070408_69726.html

 火達磨になりながら、どこか楽しそうな秦剛。
 まずは元の文章の内中国に関する部分を見てみる。

・人権と民主主義の支援-米国の実績(2005~2006年)(和文、駐日米国大使館)
http://tokyo.usembassy.gov/j/p/tpj-j20060425-50.html

・一方、ビルマからベラルーシ、中国からキューバ、北朝鮮からシリア、そしてイランからジンバブエまで、世界各地で、勇敢な男女が、表現・結社・集会・移動の自由という基本的な自由を行使したために迫害されながらも、引き続き平和的変革のために困難な状況の下で活動を続けた。
・ビルマ、中国、北朝鮮などでは、人権侵害と自由の欠如が継続している。
・しかし一方で、米国は引き続き、中国や北朝鮮など他の諸国において前進がないことを懸念している。米国は、中国で人権、民主主義、および法の支配を促進するために、2国間の会合で人権と民主主義の課題を取り上げ、国連その他の多国間フォーラムで国際社会の注意を中国に集中させ、ベルン・プロセスを通じて人権に関する中国の他の対話の相手と協議をし、また中国における市民社会、法の支配、および国民の参加を奨励するための助成制度を実施するなど、複数の戦略を採用した。


 中国の反論は以下のとおり。

 米国国務院による同報告は基本的な事実を無視し、理由もなく中国の人権状況を中傷、攻撃するものであり、私たちはこれに対し断固として反対する。
  中国政府は人民本意、人民のための執政、法による行政を堅持している。中国は人権保護分野で大きな成果を挙げており、各少数民族は法によって人権と基本的な自由を得ている。この問題に対して、最も発言権を持つのは中国国民であり、国際社会からの普遍的な評価も得ている。
  米国に「人権の保護者」となる資格が無いことは、国際社会・国際世論の共通した意見だ。米国は自国のさまざまな人権問題を真剣に反省し、人権問題においてダブル・スタンダード、マルチ・スタンダードをもたず、人権問題を利用して他国の内政へ干渉することをやめ、米国と他国の間における人権対話の障害をなくすべきだ。(編集SN)


 反論するにあたって反証を挙げていない時点で、ためにする反論でしかない。そもそも米国の資格うんぬんを言い出したら、それまで自分が展開した内容も反故になってしまうのだが、そんなことはどうでもいいようだ。
 アメリカの指摘方法も、複数の国名を挙げて意図的に誤読させようとしている点、あまり関心できたものでもない。まあ中国も、第三諸国の代表を自認する以上「あんなやつらと一緒にするな」とは口が裂けても言えない立場を見透かされているのではある。
 それでもなお、中国は国連人権宣言にうたわれた人権のうち「自由権」を自国民に認めていない事実は、ここに特筆されるべきであろう。

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『辱華』

・外国映画の『辱華』調査、誰が我々の神経を逆なでするのか(中文、国際先駆導報)
http://news.xinhuanet.com/world/2007-04/06/content_5942272.htm

『パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールドエンド』(http://www.disney.co.jp/pirates/)の予告編が中国国内で流され、チョウユンファ演じる中国系の海賊(画像参照)が『辱華』だとして
「多くの人が、これは華人のイメージを辱めるものだ、としてネット上で大きな論争となりました」という記事。
 同じような例として、『ダニー・ザ・ドッグ』におけるジェット・リー、『SAYURI』におけるチャン・ツィイーが上げられている。
 記事そのものは「たかが娯楽作品にでてくる1キャラクターに目くじら立てるのも大人気ない」という方向に誘導しようとしているのがミエミエなのではあるが、徹頭徹尾、ためらい無く使用されている『辱華』なる単語のお陰でなんともいえない文章になっている。

「華を辱める」という意味であるのは直ぐ分かるが、『辱華』という単語はどうにも翻訳しにくい。
「華」とは民族、というか古代中国における文明そのもの、であり。それを辱められた臆面なく口に出来るほど、民族主義というものに慣れていない。換言すれば、そこまで民度が低くない。
 日本語で似た単語では『国辱』があるが、こちらは愛国主義である。
 私見を述べればなんとも田舎臭い単語だと思う。記事を書いた人間も気づいてはいるようだが、それを表現するのにわざわざ「大国の小民」という表現を使うあたり、まだまだ田舎臭い。

 89年以降の反日、民族主義教育で人民の水準が低下したといわれ、筆者などは80年代の中国を知っている分、ふりをしているだけでそこまで馬鹿ではなかろうと考えていたのだが、どうも素でおかしくなっているのではないか。そのようなことまで考えさせられた。


別件
先月22日の環球時報
・日本軍が秘密裏に朝鮮戦争に参加(中文)
http://news.xinhuanet.com/mil/2007-03/22/content_5879164.htm

 掃海艇だけではなく、陸上兵力も参加させ軍事顧問はいうに及ばす偵察、参謀まで参画させてていた、という内容。英マスコミによれば、2万5千人の日本軍が参加し「多くの戦場で日本兵の死体が見られた」という。
 もし警察予備隊というか日本人部隊といったものが敵にいたとして、筆者の記憶が正しければ人民解放軍も朝鮮戦争には参加していた筈だが、つい5年前まで戦争していた相手だと気がつかなかったのだろうか?
 それ以前に、警察予備隊ですらあれだけもめたのだから、日本国内で内戦にすらなっていただろうと思う。

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建前と本音

・外交部報道官記者会見(中文、外交網)
http://www.fmprc.gov.cn/chn/xwfw/fyrth/t308564.htm

 温家宝訪日を控えて、報道管制が敷かれたかのように中国国内メディアがおとなしい。
 外交部報道官たるものも、慰安婦、靖国、といった刺激的な用語を持ち出した質問にも、現代の縦横家の如く、という訳にはいかないようで。的外れの紋切り口上を述べるだけ、というのがいかにも中共らしい。

 あくまでも政治的にいいたい事を抑えているだけで、本心がミエミエなところが、90年代に偏った教育を受けた世代の浅さだろう。
 であればこそ、こちらがなにもしなくても勝手に自滅していくのだが。
 個人的には、秦剛節が聞けなかったのが残念。


 ちなみに本心
・温家宝総理日本マスコミの共同取材に答えて(中文、新華網)
http://news.xinhuanet.com/world/2007-04/04/content_5935074.htm

「日本側が二度と中国人民の感情を傷つける事のないよう希望する」(もし安倍首相が靖国神社を参拝したら、と質問されて)

 これもまた、昨年言い古したコメントではあるのだが、温家宝訪日が決まってから外交部は口にしていない。他人を批判する根拠に、「感情」という主観を持ち出す態度が独善的であることに気がついたかどうかは不明。
 本人が言ってしまうくらいだから、気づいたわけではなさそうだ。

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