goo

核汚染日本の再生-福島の原発事故に関する海外の報道(1)

5日かけて、何とかフィリピンまで避難しました。通常は直行便で4時間程度の行程なのにどうしてこんなに時間がかかったのか?関東からの移動を決意したのは今月15日(火)の夕方ですが、ネットで直行便の予約を始めているその最中に次々と空席が埋まり始め、結局は直行便での移動が不可能となってしまったからです。仕方がないので、16日の昼に自動車で西方への移動を開始してから、乗り継ぎを繰り返して何とかフィリピンの首都マニラにたどり着いたのが、20日の早朝のことでした。


目的地へ移動してすぐに取り掛かったのが、身体の洗浄と着衣の取替え、そしてこのブログで紹介させていただいた被曝治療です。治療結果については詳細を改めて報告させていただきますが、まずはフィリピンで福島の原発事故がどのように報道されているか簡単に報告させていただきます。現地語に不案内のため、現地通訳に聞いたままを報告します。

(1)放射能汚染された日本の食品

フィリピン政府は日本からの輸入食品について放射線の測定を開始。検査の結果、乳製品や加工食品(カップ麺など)から基準を超えた線量を検出した。日本の牛乳はもう飲めない。

(2)高騰する日本から航空チケット

フィリピン航空のチケットについて、成田から通常6万円のチケットが32万円にまで高騰している。5月の帰国便についても、現在(21日)は8万円台で推移。

(3)日本のメディアに対する批判

日本のメディアは1年間に受ける放射線量と1秒に受ける放射線量を同列に比較して安全だと言っているようだ。彼らには放射線に関する知識がないのだろうか?

(4)日本に関するブラックジョーク

日本は第2次戦争中に原爆を落とされた被爆国。だから、日本人は放射線に対して特別に強靭な肉体を持つに至ったのであろう。


以上、海外での報道である以上、何事も大きく取り扱われてしまう点は差し引く必要があるのかもしれません。しかし、自国にも被害が及ぶ恐れを抱く他国民の感情を思えば、それも当然と言えるでしょう。とはいえ、(3)の指摘については、日本政府もメディアも反論できないのではないでしょうか?何故ならば前回の記事でご紹介したように、NHKのTVニュースですら、放射線量の時間単位を正確に伝えていないのですから。

「0.05マイクロシーベルトだから安心」と言われても、毎時なのか毎秒なのかでは大きな違いです。シーベルトとはそもそも放射線総量を示す時に使う単位であり、放射線の強度とは一定の時間にどれくらいの線量が放出されているのかを示す、
 毎時マイクロシーベルト (μSv/h)
 毎分マイクロシーベルト (μSv/m)
 毎秒マイクロシーベルト (μSv/s)
 ・・・・・
など、時間単位で示されるのが普通です。仮に0.05マイクロシーベルトという数値が毎秒の線量を現す数字ならば、これを毎時に変換すると

 0.05 × 60 × 60 = 180(μSv/h)

となり、自然放射線(0.12μSv/h)の1500倍以上の危険値を示すことになります。このように時間単位を付けない放射線量同士の比較には全く意味はなく、(3)の批評が示すように、毎年1,000 マイクロシーベルト(μSv/y)と毎時10マイクロシーベルト(μSv/h)を比較して、「1000に較べて10は十分小さいから大丈夫」などとは絶対に言えないのです。世界が日本の動向に注目する中、こんなことを平気でTVカメラの前で語るキャスターや専門家たちは、正直なところ、小学校の勉強からやり直していただくしかありません。


* * *


長い避難経路の途中で立ち寄った、韓国の料理屋の店主に言われた次の言葉が今でも忘れられません。
「日本が大変だったら家族を連れてここに逃げてこい」
そして、靴も履かず玄関から身を乗り出して私たちを最後まで見送ってくださったのです。日本に対し複雑な感情を抱くだろうかの国で、こんなに暖かい言葉をかけられ、私は涙が出るほど嬉しかった。それを一言ここに書き加えておきます。


主よ、私はもう何も恐れません。私には信仰がありますから。


管理者 日月土
コメント ( 9 ) | Trackback ( )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする