ACC-J [Alpine Climbing Club of Japan]

東京の山岳会『ACC-J』のページです。

谷川岳 一ノ倉沢 烏帽子沢奥壁 南陵 谷川デビュー!

2007年09月08日 15時51分00秒 | クライミング
10月に予定していた谷川岳一ノ倉沢南陵を急遽N雪艦長にお願いし、
ひと月以上早めの9月8日に決行という事で登って来ました。

この日の山行写真は→こちら



*メンバー*
N雪隊長、荒井(I)、K村、荒井(S)の4名

前日の7日午後9時N雪邸にてN雪さんをピックアップ予定を、
時間がモッタイナイので8時半頃に迎えに行き、お孫さん2人にうしろがみひかれる思いで出発。
K村氏とは現地近くのみなかみ道の駅にて待ち合わせ。11時半頃合流。
その足ですぐ、一ノ倉沢出合近くの駐車場へ向かう。
途中、谷川岳登山指導センター登山届を提出。
駐車場到着後軽く一杯ののち就寝。

翌朝4時半に起床、準備を整え5時~半頃一ノ倉沢出合出発、今年は雪渓がほとんど無く、巻き道をアプローチ。

5時45分頃テールリッジ末端へ降りる下降点に到着。
ここは50mはあるんじゃないかと思われる急斜面、ほとんど奈落って感じ。
それに前々日までの台風の影響で泥ン泥ン。


早くも降りるのにビビる。 が、すぐ下降開始!


6時ちょいテールリッジ下部取り付き_沢筋から登攀開始。
僕はフィックスロープを頼りに登って行くがN雪艦長、K村氏は全然平気な様子で登って行く、
異常だ!
昔ここにはフィックスロープが無かったらしく、それが当たり前の時代だったのだそうだ、
かんべんしてくれ~。
と言いつつ今日の目的は『南陵だ!』とテールリッジを4人ガンガン登る!
『南陵をやっつけるんだ!』といわんばかりに。

6時50分頃テールリッジクリア(撃破)『中央稜』取り付き部到着。

正直テールリッジを越えるここまでのアプローチがいちばんの核心じゃないのかぁ~と思うくらい過酷であった。

ひと息ついたのち南陵テラスへ向け出発、烏帽子沢奥壁基部スラブ帯?のバンドを
トラバースして行く。
ここも歩き辛くちょっちこわい。ここらで僕の時計のバッテリーが無くなり時間が分からなくなる

たぶん7時ちょい過ぎに南陵テラス到着、ほかパーティーを追い越し一番乗り。
ここでやっとひと休みを入れ、周りを見渡し、一ノ倉沢のスケールにまた圧倒される。
とにかくデカイ。

しばらく休んだのちロープを出しアンザイレン、登攀準備。
今回は、N雪、荒井(I)ペア、K村、荒井(S)ペアで、N雪ペアは荒井(I)トップ、
僕らはK村氏トップでN雪ペアからクライミング開始。

1P目(Ⅳ) 右側凹角状(?)を陵にそって登りバンド状を右にトラバースしチムニーに突入。
        チムニーの中は台風の影響でかなりビシャビシャでスベリ気味、
        体がすっぽり入る感じだがチムニーの登り方をせず、
        ステミングやキョンを使いクリアした。

2P目(Ⅳ) すなおなフェースって感じ。
        はじめバンド状に沿ってやや右上し、上部で左上気味に登る。

3P目(Ⅱ) 草付き、ロープをまとめ持ち40mほど4P目取り付きまで歩く。

4P目(Ⅲ) やや急めのフェース。
        名雪艦長ペアはここを左側にトラバースしつつ6ルンゼ側へ回って行ったが、
        僕らはここを上部ハング帯に向け直上しハング下を6ルンゼ側へ回り込み
        テラスへ。

5P目(Ⅲ) 6ルンゼ側の階段状を登り、馬の背リッジ手前に出る。

6P目(Ⅳ) 馬の背リッジ。
        カンテ状からクラックをいきおいよく登るが、
        この5P、6P辺りになり浮石が目立ったので慎重さも増す。

7P目(Ⅴ) 南陵の核心部。垂直のフェース。
        ここはフリーで越えようと思っていたが、
        やはり台風のせいで全体がビッタンビッタンで、
        なんとか乾いている所を見つけようと右へ左へとトラバースしながら探ったが、
        全然無く右へ体を振る時レイバック気味に使った岩がゴゴっと動き、
        危うくK村さんめがけ落とすんじゃないかと一瞬ヒヤッとした。
        結局ルートを直登するしかなく、
        どうしようもなく最後の方でハーケンを使うことに・・・
        ちょっとくやしいキモチ。
        いつの日かフリーで越える事を誓いつつ一気に乗っこしクリア。

クライミング終了後、終了点から左側に少し登りつつトラバースし、6ルンゼ側に回り、懸垂下降で降りる。
6ルンゼ側には、かなり細かく、それにしっかりした懸垂支点が打ってあり下降しやすい感じだったが、
浮石が多く落石を起こしやすくもあったので、慎重に降りる。

数回の懸垂で4P目の取り付きテラスまで降り(ここは烏帽子沢奥壁側へ回り込むということ)
3P目の草付きを歩いて下降し、取り付き辺りでまた懸垂下降のセットをし南陵テラスまでラペル。

南陵テラスを若干烏帽子スラブ側に降りてまた懸垂の用意、烏帽子スラブの中間部辺りまでラペルし、
『中央稜』取り付き方面へN雪艦長、K村氏、荒井(I)、荒井(S)の順番で歩き始める。
ここで問題発生!
『中央カンテ』『凹状岩壁』上部で「ラーク!」のコール、途端にガラガラと落石の音!
頭上にバラバラと岩が落ちてくる。
思わずうわ~と声を上げ、全員ヒヤッとするが、何事も無く無事だったので、しばらく様子を見てまた慎重に歩き出す。

その時『衝立岩ダイレクトカンテ』に取り付いているパーティーに気付いたN雪艦長が、
「が~んば~れよ~~ぉ!!」と大きく声を掛けた瞬間!また叫ぶようにの”ラーク!”コール!!!

と同時に今度はドガンドガン!ボゴン!!と落石の音!と人の頭くらいの物体のシルエットがいくつも過ぎ、

Iが「キャー!」と悲鳴をあげたので、当たった!!と思い
「大丈夫かぁ!」とすぐに声を掛けて近づくと、
頭を抱えて動かなかったので一瞬あせる。

すぐごそっと動き「大丈夫」と立ち上がって来たのでホッとする。

つづいてK村さんも「大丈夫」と近づいて来たので良かったと思おうとしたが、

一人だけコーナーを曲がっていたN雪さんが居ない!

3人一瞬にして凍りつき、3人同時に「N雪さんっ!!!」と叫ぶ!

全然出て来ない!

死んだ!?!?と思いまた呼びかける!

そしたら、「いや~ぁ」と言いながらのんきに出て来てまた衝立の方を見上げながら、
「が~んば~れよ~~ぉ!!」と声掛け始めるので、
「大丈夫だったんですかぁ?・・・」と聞くと、

「当たった」とぼそっと言いニコリとするので、
「ヘッ!?!?」となる。

「当たったんですか?」と聞き返すと、
頭くらいのがここに当たったと腰の辺りのザック部分を指して、
「ザックで良かったよ~」、「当たんなくて良かったよ~」とヒョーヒョーと言うので見てみると、

ザックにバックリと岩が当たった跡が付いていて、
あと数センチずれてたら身体に直撃の位置・・・

              
あたってんじゃんっ!!

その後ここに居続けては危険だと、すぐに移動、
『中央稜』取り付きもダッシュで通り過ぎ、テールリッジも降り始める。
すごい勢いでとにかく降りる。
ブッシュ帯を抜け中間部辺りのスラブ帯に来た辺りで、
クライミングシューズからアプローチシューズに履き替えるのをきっかけに
やっとこさ休憩&食事(行動食)&水分補給
ここに来てやっと、ホッとひと息入れられた。

落ち着いたあとまた下降開始、一気にテールリッジを降り、
沢口から一気に懸垂ポイントを登り切り、
巻き道を出合まで一気に降り『南陵』登攀終了。

出合で興味本位の観光客に名雪さんがとっつかまりネホリハホリ聞きまくられる。
その後、湯テルメにてひとっ風呂浴び、みなかみ道の駅隣のスーパーで夜食と酒を買い、駐車場にて大宴会。



本日終了。


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