ACC-J [Alpine Climbing Club of Japan]

東京の山岳会『ACC-J』のページです。

高妻山敗退と雪中熊

2007年12月25日 13時10分20秒 | クライミング
12月21日前橋ガストン奥様生家にてガストン氏と合流、戸隠牧場入り口にて仮眠、
 22日、11月偵察山行時一不動避難小屋まで2時間30分弱、だったので本日は一不動周辺にテンパリ予定、ゆっくりで間に合うと思い8時50分ぐらいに戸隠牧場入り口発、早速ワカンラッセル、牧場を出はずれまで1時間以上かかる、沢沿いの夏道に沿って登る、沢の石に大きなキノコ雪が出来て、この、キノコ雪とキノコ雪の間にはいると、胸まで雪に埋まる、ここから這い出すのは大変な労力を消耗する、何度か繰り返すうちに、沢沿いのルートを避け、少し山側を通るようになる、。
 その時大きな動物がラッセルしながら走ったトレースに出会う、はっきりと残った足跡は熊であった太い前爪本がはっきりしている、自分の手のひらと同じ位の大きさだ、ルート沿いに今逃げ去ったものだ、こわごわ少し行くと右の尾根に抜けてわれわれのルートから外れてくれた、ほっとする。
 全身汗びっしょりになりながら、交代を繰り返しすすむ、見覚えのある広い緩斜面に出る、ここは11月の偵察山行で、1時間30分弱で、歩き始めてから初めて一息ついた所だ、ここを通り越して傾斜が急になり、なおも頑張って、最初の20メートルぐらいの鎖のついた滝下に出る。
 なんとここまで5時間10分経過している、夏時間ではここが半分の場所である、14時30分、もう今日中の一不動稜線は望めない、明日も一日ラッセルしても、五地蔵がいいとこ、とても高妻山は到着できそうも無い、残念だが此処で敗退とする、二人とももう、へろへろで疲労困憊、いまのぼってきた自分たちでつけたトレースをたどる、よくも此処まで登ってきたものだ、と、われながら感心する二人合わせて123歳にしては上出来、この雪のコンディションでは後2~3人いてもやっと高妻につくかどうか、夕方車に帰り激しいラッセルに帽子、ひじ、膝からパンツのすそ、手袋までびしょびしょ、ぬれたものをトイレに入れて乾燥させる、トイレは暖房が入っていて、まるで乾燥室だ、助かる。
 その後はガストン車の中でビール、焼酎、ウイスキー、つまみはシシャモ、塩辛、めんたい、でお互いの敢闘を祝して乾杯、20時前に二人とも意識不明と成ってシュラフの中に倒れ込んだのでした。
  12月20日以降に雪の中で熊が活動しているとは夢にも思わなかった、此処戸隠特有の現象か、温暖化の影響か不明ですが、確かにこの時期に熊が活動し、その範囲は牧場までに及んでいることは、事実です。
 以上高妻山敗退と雪中熊の報告でした。