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歴史は夜作られる ’37 アメリカ

2007-06-03 | クラシック
清廉潔白な妻に不倫疑惑を募らせる海運王の夫。
妻に対する信頼度はゼロに近い。
嫉妬心の強すぎる夫のもとから、妻アイリーンはパリへと逃れる。

パリのホテルで妻を張っていた、夫ブルースと雇い人たち。
自分が仕組んだ罠により、皮肉にもアイリーンは、運命の人ポールと出会うことにある。

ジーン・アーサーとシャルル・ボワイエの二大スターの共演。
控えめな華やかさと、落ち着いた大人の美しさで、二人の魅力が存分に浮き立っている。

ジュード・ロウを年取らせたような(笑)、シャルル。
こぶしに顔を描いて、腹話術なんかやっちゃう。
これぞと思う女性を落とす、彼なりのニクイやり方。
とてもシャレていた。
パリでも有名な給仕長であるポール。
その颯爽として、しなやかな仕事ぶりに、女性客が増えるのも店側としては嬉しいもの。
高級レストランともなれば、このぐらいの徹底ぶりは当たり前なんでしょう。
ずさんなサービスをしているところも結構多いし。

ブルースの強行により、プリンセス・アイリーン号は悪天候の中、船路を進める。
何故なら、妻とその恋人ポールが乗船していたから。
限りなくこの夫は愚かであった。
タイタニックのような大惨事を予感する乗客たち。
しかし、アイリーンは救助を拒む。
死よりも、ふたりが離れてしまうことのほうが辛かったのだ。

クラシックの醍醐味といえる、しっとりと酔えるような珠玉の名作。 


2 コメント

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abricotさん、こんにちは。 (アスカパパ)
2007-06-03 11:58:26
abricotさんのご感想文、拝読しました。特に最後の一行が素晴らしいです。この映画の内容をスバリと言い表しているように思います。
後半は、ほんとうに「タイタニック」でしたね。
ジーン・アーサーは好きな女優です。「シェーン」の母親姿が、私の脳裏に何時も現れて来ます。
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コメントありがとうございます。 (abricot)
2007-06-04 20:52:32
>アスカパパさん

おっしゃるとおり、『シェ―ン』での彼女のおさえた演技は素晴らしかったです。
若い頃の、明朗活発なキャラもジーンらしくていいですが、年を重ねた彼女の演技もいいですよね。
声がイマイチなのが残念ですけど、トーキーへの懸念も当時あったようです。 でも、演技力でその欠点もカバーされたと本で読みました。
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