アブリコのCinema散策

のんびり映画でも観ませんか

ミリオンズ 2004年 イギリス・アメリカ

2010-03-29 | ドラマ
庶民が突然大金を手にしたら、喜びよりも、「どうしようか・・・」と困惑が先にくるものかもしれない。
資産がどれほどあるかわからないほどの元々のお金持ちの人は、“大金”と聞いても小銭くらいの感覚しかないのかもしれないが。

英国は、経済通貨同盟(EMU)に参加する日が近づいていた。
ユーロ変換後は、今までのお札は全て紙くず同然。
当然のことながら、国民は換金、あるいは預金へと銀行へなだれ込む。
最終日ともなれば、どこの銀行も長蛇の列だ。
その中にダミアンたちもいた。

小学生の兄弟が、正確にいえば弟のダミアンが、突如空から降ってきたカバンに驚き、大量のポンド札の入った中身に更に驚く。
信仰心の強い弟は、これは神様がくれたお金だと信じ込む。
そしてこれは、恵まれない貧しい人たちに分け与えるべきなのだと考えるのであった。

欲と純真さを子どもの目線からよく映し出していた。
金は人を狂わすともいうが、使い方はよおく計画を立ててからでないと(某CMみたいだ)、恐ろしい事態にだってなりうるわけで、パァーッと派手に使ってしまおうというのも、やや勇気のいることだろう。

よく手にしたものの一部は、幾らかなりでも寄付や何かに貢献するといったかたちで、有難みのおすそ分けをしたほうが良いと聞く。
全額そうする自信はなくとも(汗)、そうしたことで、見えない運命的な循環がよくなるのではなかろうか。
それを偽善だとか美談ととるかは自由だが。

グリフターズ 詐欺師たち ’90 アメリカ

2010-03-17 | ミステリー&サスペンス
我が道を行く、いや、貫くと言ったほうがいいか。
自分の子よりも、己の人生を最優先させる。
何がなんでもそれだけは譲れない。
そんな母親役が似合ってしまう、アンジェリカ・ヒューストン。

『ダージリン急行』で演じたときも、息子を思いやる一面を覗かせてはいながらも、さっさと姿を消してしまう身勝手なおっかさん役であった。
この『グリフターズ』で扮した詐欺師である母親も、息子を誤って死なせてしまっても、自分の身が危ういとばかり、血まみれで倒れている息子を放って、しかも彼が(イカサマで)稼いだ大金をそっくり持ち逃げしてしまうというとんでもなさ。

色気を武器に詐欺を続けてきた性悪な息子の恋人を、アネット・ベニングが好演。
こういったすれっからし役も、シリアスなドラマも見事にこなす実力派の彼女だが、年齢不詳に見えるアンジェリカを前にすると、どうしても判定が(なんの?)ついてしまうのでありました。

このとき、アンジェリカは39才。
とても老けて見えたけど、映画の中では「お若い!」と言われてたわねぇ。
14才で息子を産んだという設定であったから、役柄では年相応ではあったのだけど、ちょっと貫禄がありすぎて、とてもアラフォーには見えなかったなぁ(苦笑)。

サイドウェイ 2004年 アメリカ

2010-03-11 | ドラマ
〈人生の寄り道〉
ややくたびれかかってきた頃、ちょっと寄り道をしたくなってくる。
今まで一所懸命に走ってきたんだから、ここらでちょっとね、息抜きもしたくなってくるってもんでしょう。
「いやあ、寄り道どころか、回り道ばっかりでねぇ」なんて言ってる人もいるようないないような・・・

あちらでは独身最後を締めくくるってんで、友人どもとハメを外す、“バチェラーパーティ”なるものがある。
何やってもいいという、後日談は決して聞かぬ、そういった暗黙の了解のもと成り立っているとはいえ、奥様になられる方々の心の広さには驚きます。
’00の『ベリー・バッド・ウェディング』のそれは、題名どおりベリー・バッドだったっけ(笑)。

人生の折り返し地点にさしかかり、ようやく身を固めることとなったジャック。
大学以来の友人マイルスは、彼のために一週間の日程を組んでやった。
ワイン好きもあって、マイルスは主にカリフォルニアのワイナリーを巡る予定を立てていた。
だがジャックはといえば、「俺はナンパをしたいんだ」

何事にも一途なマイルスと、あっちフラフラこっちフラフラのジャック。
性格も全く異なる二人だが、友情は深かった。
こんな奴でも友だちなんだよな。
お互いを解り合ってるからこその友情。
しかしだねぇ、ジャックの行いは、やっぱり目に余るよねぇ。

昨年、日本でリメイクされた作品でもある。
やはり日本人からみると、日本版『サイドウェイズ』のほうが面白いのかなぁ。
どうでしょう?