アブリコのCinema散策

のんびり映画でも観ませんか

Mr.&Mrs.スミス 2005年 アメリカ

2008-07-25 | アクション
ここまでどうでもいいようなアクション映画も珍しい。
他にもどうでもいい作品もあるにはあるが、一応中身があるものだ。
しかし本作品は、中身がまるっきりスカスカなんである。
ハラハラ、ドキドキもしないアクション映画があっていいものか。
「はいはい、勝手にやっててちょうだい」とあきれるばかりである(苦笑)

これは、ブラピとアンジーのキューピット的な作品となったもので、「共演をきっかけにふたりは恋におちました、チャンチャン♪」といった、ごくごくありふれた話題作であります。
先に述べたように中身がカラッポなぶん、やたらに二人の演技だけが浮いているんです。
これは一体どうしたものか(笑)

お互いがプロの殺し屋でありながら、ずっと相手の素性に気づかないってのは変ではないか。
“恋は盲目”といえども、出会った頃は別として、5,6年も盲目の夫婦はいないと思う(笑)
いや、ここまで勘を鈍らせていたら、もうプロではないだろう。

夫婦が〈敵〉となれば生きた心地がしないだろうが、夫婦バトルだったら’89の『ローズ家の戦争』のほうがリアルだったし、ラストは誰もが期待したであろう’67の『俺たちに明日はない』のような美しい死に様を拝めることもなく、ただ「もういい加減にせえよ」と言いたくなるほどでした(苦笑)

『トゥームレイダー』の延長のようなアンジー。
双子ちゃんも誕生し、ブラピとの生活もますます順調なようで何よりですが、スクリーン上で放った「最低の結婚だったわ」の台詞が現実のものとならないよう、お祈り申し上げます。

ミニミニ大作戦 2003年 アメリカ

2008-07-16 | アクション
『ミニミニ大作戦』と題名だけを聞くと、どうもコメディっぽい。
この「ミニミニ」って響きが、マジメなアクション映画らしかぬ形容だ。
’69のオリジナル版は観ていないので、なぜこういう邦題がついたのか分からないでいた。
ともかく、あの『スパイ大作戦』みたいに、何か大きな作戦をやらかすのだろうという期待を込めて観てみた(笑)

ド迫力のカー・アクション。
こういうのは観ていて、スカッとしますね。
強引気味な見せ方も悪い気はしないし、特撮を使わなかったというのは褒め称えたい。
仲間の裏切りから始まる展開はありがちだが、テンポもよくて無駄がない。

窃盗団のリーダー格であるチャーリーを演じたマーク・ウォールバーグが、観ているうちに、マット・デイモンとダブって見えてきた(笑)
もしマットが演じてたら、『ボーン』シリーズのおまけみたくなってしまっただろう。
ドナルド・サザーランドを起用したあたり、なかなかハイ・クラスなキャスティングであった。

さて、「ミニミニ」とした理由。
紅一点のステラの愛車が、赤のミニ クーパーだった。
大作戦をおっ始める際、これに加え、青と白のミニ クーパーも大活躍するのである。
ならば、『ミニミニミニ大作戦』とするのが正しいのではないだろうか。
余計にコメディっぽいか(笑)

ハッピー・フライト 2003年 アメリカ

2008-07-09 | コメディ
主人公であるドナ役が、グウィネス・パルトロウではたしてよかったのであろうかと、観終わってからも疑問が残った。
本作品の監督ブルーノ・バレットは、貧乏が似合わない彼女にこそ演じてもらいたかったと言っていた。
らしくない女優を起用して、それが成功するかどうかは観る側にもよるだろうけど、彼女にとって、これがチャレンジングな仕事とは個人的には思えないのである。

お嬢育ちのグウィネスは、ファッション・センスにも定評がある。
やはりどうしたって、ブランドイメージがついてまわっているだけに、前半の田舎娘役はどうにもハマっていないのだ。
演技というより真似って感じ。
だったら同年齢のキャメロン・ディアスのほうが、合っていたんじゃないかと思うのだが。

「こんな田舎町でくすぶっていてはいけない」と一念発起し、フライトアテンダントを目指すドナ。
一流になると決心し、日々努力する姿は立派であるが、女性がトップを狙う話によくある媚を売ったり、男性を踏み台にしたりと、ありがちな展開はナシ。
ここもやはりグウィネスだからだろうか。
ただただイイ子チャンなんである。(実際の彼女は、かなりしたたかだが、いろいろと。・笑)
こういってはなんだが、面白くない。
’01の『愛しのローズ・マリー』でもそうであったが、彼女のコメディエンヌぶりは、はっきり言って笑えない。
コメディを侮るなかれ。

イカとクジラ 2005年 アメリカ

2008-07-01 | ドラマ
離婚原因はたいていの国で“性格の不一致”がトップらしいが、細かくいえば、やはりどちらかに非がある場合が多いようである。

主婦で作家のジョーンは、4年前から浮気をしていた。
それを理由に、夫から三行半を押し付けられる。
新進気鋭の彼女は立派に自立している。
同業者の夫よりも、はるかに名が売れている。
それもあってか、彼女はちっとも悪びれた様子がない。
二人の息子にも謝ることをしない。
だが子どもたちには、母親としての愛情を十分に注いできた。
だから彼らも、彼女を咎めることをしない。

家族愛を非常に重んじるアメリカも、そこに亀裂が生じれば、親であっても個人としての生活を尊重したりする。
「子どもたちのために別れない」という母親は、ここでは圧倒的に少数だろう。

長男のウォルトは、自分は父親似だと言う。
両親が別れても、父親と過ごす方が多い。(弟のフランクは、“まだ”母親寄り。)
しかし、彼が訳あってセラピーを受けた際、思い出として出てくるのは母親と一緒に出掛けたことだった。
そこに父親はいないのである。

『イカとクジラの格闘』は母との思い出。
それを見上げるウォルトの心境やいかに。
それにしてもこの構図、インパクトでかっ!(笑)