札幌でワインを飲もう スープカレーを食べよう

時々、ワインにまつわるお話,
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卒業 北の国から 卒業式に桜はないけれど

2011年02月28日 | 書いたもの

歌詞なんです。メロディがついたら歌です。



体育館はいつもと同じ ほこりとマットの匂いがして
今日は お母さん達の はなやかな 香りが混じる



廊下の天井には 鳥たちが揺れてる
胸につけた花が ちょっぴり照れくさい



ブラスバンドの音が ぴたりとやんで
はりつめた空気に 背筋が伸びる



テレビの中の卒業式は
桜の花が舞い散るけれど
暗幕の隙間の空には
まだ雪が舞い散っている




それぞれの制服は3年ぶん 古びて縮まり
小さかった 男子の顔 今は見上げてる 不思議
 
体育館の扉が開いて  音楽が流れ出す
1組が歩き出す 紅白の幕が揺れる



保健室の先生が Vサインをくれる
いつものように 唇が言ってる  大丈夫だよって 

テレビの中の卒業式は
桜の花が舞い散るけれど
西玄関の前の桜は
まだ雪に埋もれてる



テレビの中の卒業式は
桜の花が舞い散るけれど
この町に桜が咲くまで
あと何日かかるかな

こんな感じで問題は解決しますでしょうか?

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クマを綴る2

2010年11月10日 | 書いたもの


一人で退屈だったクマは、
森の奥から仲間を連れてきました。
二人はとても仲良しです。
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My funny Valentine 3

2009年04月08日 | 書いたもの

    My funny Valentine               
    Sweet comic Valentine             
    You make me smile with my heart   
    Your looks are laughable           
    Unphotographable                
    Yet you're my favourite work of art   
                                          
   
      Is your figure less than Greek        
        Is your mouth a little weak          
        When you open it to speak          
        Are you smart?                      
                                           
        But don't change a hair for me    
        Not if you care for me          
        Stay little Valentine stay       
      Each day is Valentine's day     
        Is your figure less than Greek    
        Is your mouth a little weak      
        When you open it to speak      
        Are you smart?                 
     
     But don't you change one hair for me     
     Not if you care for me              
     Stay little Valentine stay              
     Each day is Valentine's day  
        



 彼女の声は,マイルスのラッパに心地よくなじんだ。
歌い終わった彼女に,心の中で拍手を送っていると,
彼女がまっすぐこっちを見て言った。



「好きな音楽を聞けば,その人のことがわかるわ。音楽は,人の心を映すものだから」




  MILES DAVISは,次の一曲を吹きはじめる。
                                                                                                  

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My funny Valentine 2

2009年04月07日 | 書いたもの

そんな僕が,今まで一度だけ自分の興味に後押しされて聴いた曲がある。
スタートは「BERNARD GIRARDIN」
アーティストの名前でも曲名でもない。
お酒の名前なんだよ。そう今飲んでいるこのお酒から話は始まるんだ。
 
近所の酒屋の若旦那が,「とびっきりにうまい」といういつものせりふで,
冷蔵庫から取り出してくれたのが,これなんだ。
ラベルに楽譜が見えたから,ちょっといいなあ,とは思った。
そう,音楽の好きな人に贈ったり,とかね。
雰囲気はクラシックの楽譜のような,落ち着いた感じでね。試しに買ってみたんだよ。
 悪くなかった。上品な感じでね。ラベルのイメージ通りだった。
それで,この楽譜のことが気になったんだ。「何の曲だろう?」って。聴いてもいない曲だけれど,
初めて,その曲を調べてみようと思ったんだ。
 意気込んでパソコンに向かったけれど,本当にあっさりと分かってしまった。
「BERNARD GIRARDIN」と,打ち込んでおしまい。
この曲は, 「My funny Valentine 」という名前なんだと,すぐに決着がついた。



  かつて、音楽家を目指していたがその夢がかなわず、父のあとを継ぐ
  ことにしたというサンドリーヌ。ラベルに印刷された楽譜は、その思
  いを残したもので、楽譜の曲は「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」。
   ベルナール・ジラルダンはどういうタイプのシャンパンかという質
  問に対して、「音楽に重ねていうわけではないが」と断りながらも「ア
  ッサンブラージュは、ハーモニーをうみだすことです。私のシャンパ
  ンの個性は、あたたかみがあり、香りとフルーティーさが印象に残る
  ところ」とのこと。       なるほど。     
             




 そのあとCDも買った。MILES DAVISという人が物憂い(もちろん悪くないんだよ)ラッパを吹いていた。
 僕の調査はわずか1週間ばかりで終わってしまったのだ。
僕はその曲を何度も聴いた。その物憂いラッパを僕は少しだけ好きになったかもしれない。



 また,新しい2回目のデートが始まる。彼女が僕の車に滑り込む。  
車内に流れるMILES DAVISからいつもとは違う展開が始まる。
「MY FUNNY VALENTINEね。久しぶり。」彼女が言う。
「私はカーメンマクレエの歌も好きよ。」
 歌? 歌詞があるのか?
「そうだね。」とりあえず答えながら,「カーメン マクレエ……」と,初めての名前を呟いてみた。
「思い入れがあるのね。MY FUNNY VALENTINE」
「ねえ,今,歌える?」
彼女はちょっと迷ってから,曲の頭を出して静かに歌い出した。  

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my funny valentine 1

2009年04月06日 | 書いたもの

 「どんな音楽を聴くの?」



 2回目のデートの後半くらいに顔を出すセリフだ。
そら,来た。と思いながら,僕はかねてから,だれかに一度尋ねてみたいと思っているせりふを飲み込む。
「いったい人はどうやって,自分の好きな音楽を決めるのだろうね。」と。
もちろん,今まで一度だってそんふうに言ったことないけれどね。
なにしろまだ2回目のデートの後半だから。日が浅いんだよ。
もちろん1年付き合ったとしても,そんなこと訊かないけれど。
だってみんなは,「人には好きな音楽があるものだ」って信じきってるから。
とにかく僕はそんなとき,こういう風に逃げることに決めている。
「ねえ,君はどんな音楽を聴くの?」                                                                         
帰ってくる答えはいろいろ。
 ビートルズ,サザン,コルトレーン,ハナレグミ,モーツァルト,エンヤ,福山雅治,サイモン&ガーファンクル,フィルコリンズ,ELT,アヴリル・ラヴィーン,中島みゆき,チャクラ,などなど。
ねえ,「チャクラ」なんてグループを知ってるかい?日本人のグループだよ。僕? 僕は彼らのアルバムを2枚持っている。しかも一枚はアナログのLPだよ。どんなって?「福の種を蒔こう~」なんて歌ってるのさ。
 僕が好きなんじゃないんだ。僕は今まで一度もだれかの,特定の音楽を好きになったりしたことはない。僕が好きになったのは,「チャクラが好きだった女の子」なんだ。



 「おまえはどうしてそんなに節操がないんだ。」
高校の同級生だった長尾ちゃんの顔が浮かぶ。
「なぜ,ハマショーの次がプラスティックスなんだ。おまえには主義,主張,男の意地というものがないのか。」 
「音楽に主義主張は持ち込まないんだ」さらりとかわしたつもりだったけれど,本当はオフコース命の長尾ちゃんがうらやましくもあった。



 そんなわけで,僕は「誰かが好きな音楽」をとても丁寧に聴く。どんなアーティストだって,デモテープだって,その子のために一曲一曲真摯に聴く。小さな女の子の髪を梳くみたいにね。それに僕は,音楽のジャンルで人をジャンル分けしたりしないんだ。なにしろ好き嫌いがないからね。
 だから,僕は「その音楽」とも「その音楽を好きな誰か」ともうまくやっていくことができる。自分のお気に入りの音楽を好きになる男を,乙女は邪険に扱ったりしないものだからね。
 そうして時はうまく流れていく。ちょうど11回目のデートくらいまではね。
 12回目のデートの時,彼女は白いバスタオルで上手に体を隠しながらもう一度僕に質問する。      
「ねえ,あなたはどんな音楽を聴くの?」



 僕は嘘をつく。そうしていつも失敗する。僕はついこの間まで,心を込めて聴いていた曲の話をする。お察しの通り,それは前の彼女がとても愛していたアーティストであり,曲である。そうして僕の話は,なぜか完全に,今の彼女を怒らせることになっている。 不思議だ。
  男の意地がないからだろうか?

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旧校舎 4

2009年02月18日 | 書いたもの

                                        5
 しばらく時が経って、大学のあった場所には、
スーパーと銀行とマンションと図書館と公園と中学校が並んだ。
 一つの小さな町ができた感じだ。
大学の敷地は、実は広かったんだなあとしみじみと思った。
こわい守衛さんのいた赤い門も、今見るとどこにあったのか定かではない。

 

                                        6
 思い出は繰り返し、やってきては、去ってゆく。
この文章を打つまでにかかった20年と、これからの20年。
その時間の長さにすこし茫然とする。
あるかもしれない20年後を思いつつ生きることも、たまにはいいのかもしれない。
そう思いながら僕は、明日抜くべきワインを頭の中で3本にまで絞り込むことに成功した。
あと、もう一息だ。
(どうせ3本飲むのだから、それ以上絞り込むことにはあまり意味がない、
と人は言うかもしれない。けれど意味のないことも、また楽しい。)

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旧校舎  3

2009年02月17日 | 書いたもの

                                        4
 6月1日は藻岩山の山開きがある。
大学も開学記念日で休みなので、前夜から大騒ぎをして、山に登るという毎年の恒例行事があった。
誰も来ないかもしれないけれど、とにかく行ってみようと、僕らは約束した。
 1987年5月31日、日曜日の夕方。
 旧校舎のローンは、卒業生と大学生であふれていた。
僕らはただただ、大勢の人に圧倒され立ちつくしていた。
旧校舎が、ここを最後の場面と決めて、はりきっているようだった。
 ようやく気を取り直して、元々の計画通りに、僕らはポケットにある、
校舎からはずした窓の留め金を握りしめて校舎の中へ入ろうと試みた。
もう遅いかもしれないけれど、そうせずにはいられなかった。
もちろん扉は鍵がかかっていたが、ぼくらが一番よく使っていた西側の入り口だけが
偶然に(あるいは必然を伴って)開いていた。
中は思っていたより暖かく、清潔だった。天井の高さが懐かしかった。
 どうせすぐに取り壊されてしまうだろうと、タカをくくっていた窓は、
割れもせずそのままの姿でそこにあった。
だが、(もちろん僕らが留め金を外してしまったせいで)窓枠の下は、
雨が入り込んで濡れていた。隣の窓も同じだった。
じっと眺めていた女の子の一人は、目にいっぱいの涙を浮かべている。
僕にもじわじわと、彼女の気持ちが伝染してきた。
外からは「ペガサスの朝」を歌う酔っぱらいの声がかすかに聞こえた。
 涙につられないようにしながら、一人を土台にしてその背中に乗り、留め金を元に戻した。
カチリという、いい音がして、留め金は元に収まった。
全ての留め金を元に戻し終えたとき、外の大合唱は「北酒場」に変わっていた。

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旧校舎 2

2009年02月16日 | 書いたもの

                                        2
 新校舎を訪れたのは、87年の5月のことだった。
後輩たちをからかいながら、社会人を気取った僕らは、
整然とした、天井の低い、真新しい校舎を歩きながら、
「なんだか病院みたいだな」などと話していた。
ピカピカの校舎を歩きながら突然、本当に突然
自分が旧校舎を好きだったこと(少なくとも嫌いじゃなかったこと)を悟った。
大学時代の4年間を過ごしたそのオンボロ校舎を、
慈しむような気持ちが、初めて湧いたのだった
 「大学時代を過ごした校舎はもうないんだな」と、
遅まきながら少し哀しい気持ちになる。ぼんやり生きている僕は、
いつだって肝心なことに気づくのが遅い。
 大切なものが大切だったと気づくのは、もう決して、戻ってこないとわかった時だ。
 
                                        3
 誰が言い出したわけでもなく、新校舎からの帰り道に僕らは旧校舎を目指した。
旧校舎の跡地がどうなるのかを誰も知らなかったし、
工事のフェンスで囲われていたらどうしよう、などと騒いでいた僕らの目の前に、
旧校舎は以前のままの姿で現れた。目をぱちくりとさせながら、
僕らはローン(中庭をそう呼んでいた)の、水のない噴水のへりに腰掛けた。
なんだ、あるじゃないか。急速に拍子抜けした僕らは、そのまま大学の近所の、
今も変わらずにあるギョウザ屋で、おばちゃんのギョウザを食べたのだった。

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旧校舎

2009年02月15日 | 書いたもの

「書いたもの」を読みました。
感動はしませんでしたが、悪くない感じです。

そんなふうに励ましてくださる方がいたので、
また、「書いたもの」を載せます。
いいんですね。

 

                                        0
 さて、これから僕は、ある体験を語ろうと思う。あまりいい話ではないかもしれないし、
この話が君にどう響いていくかも、正直言って自信のないところだ。でもまあ、話を始めよう。

 

                                        1
 1987年、僕らは大学を卒業した。社会の状況や景気も良くて、
多くの仲間がすんなりと就職することができた。
(現在の学生さんたちの苦労を思うと、本当に申し訳ない気持ちになる。)
 僕らの目の前には、明るい未来が待っているはずだ、という楽観的な勘違いがあった。
実際会社に入ってみると、(当たり前のことだが)そこには社会人としての厳しい現実が待っていた。
大学時代や大学のことを振り返ったり、思いやったりする余裕はないし、
毎日の勤務が早く終わることを祈ることが精いっぱいだった。
 大学が移転になることは知っていた。
 木造の校舎はこれ以上のことを想像できないくらいに老朽化していた。
まるで校舎そのものが老いて、眠っているかのように。
 すきま風は吹いたし、雨漏りもあった。天井が高く、冬はなかなか部屋が暖まらなかった。
 ある時、最上階のコンピューターが故障して、修理の人がやってきた。
業者の人が本体を持ち上げたら、中からコーヒー二杯分の雨水が流れ出た、なんて話も聞こえてきた。
隣接する男子寮にいたっては、建物の中を新聞配達の自転車が走っているくらいに、
外部にオープンな建物だった。
 移転、新築の話は、誰の目にも不可避な、どうやっても避けられないものに映っていた。
 卒業目前、もうあと三日で校舎が使われなくなるというときに、
僕らは思い出に、窓の留め金(真鍮でできた、なかなか素敵なものだった)を一つずつ失敬した。
(つまり、力ずくではずして持ち帰った。)
校舎はすぐに取り壊されるさ、というのが、当時の僕らが用意した言い訳だ。

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Ferris wheel 6

2008年10月13日 | 書いたもの

そんなふうにして、僕は一つの思いを、
季節と一緒に、心の中に畳む。
心臓だけが、いつまでも僕に付いてきてくれる。
(もちろんそれは、不可欠なことだ)

その秋の終わり、冬の閉園期間のぎりぎり前に
僕は初めて観覧車に乗った。
心臓と二人っきりで。
「僕がもし、ターザンみたいな男だったら」僕は訊く。
「君はどうする?」
「ターザンには」心臓が俯きながらこう答えた。
「ターザンの心臓がついていることとなります。」
心臓の日本語はなんだか たどたどしくて、
僕を少しだけ救ってくれる。
「一つだけ約束する。もう、ターザンを羨ましがったりしないって」
「私はあなたがターザンでなくていて、助かっています」
観覧車は、はやくも下りに向かって、
まもなく僕達は、もとの地上に戻される。
                          〈了〉

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