フクロウは夕暮れに

接触場面研究の個人備忘録です

年頭の挨拶もなく

2008-01-07 23:19:30 | Weblog
備忘録です。

日曜日は、韓国で教えている今さんが自宅近くまで来てくれたので、いっしょにイタリア料理のお店でお昼ご飯を食べました。外のテーブルに座ると、真っ青な高気圧の空に太陽が熱いほど射してきます。おう、まるで北欧の冬の日向ぼっこだねと言いながらおしゃべりをしました。今さんによると、外国人に対して始まった指紋押捺で空港の税関は長蛇の列だったそうです。意味ないですよね。5年も外国にいる私みたいな日本人のほうがよっぽど怪しいと思うんですけど、と言います。そうだよね、それはゼッタイ、アルカイダだよ、なんて私も調子に乗って話しておりました。

今日は授業準備を大学でしていましたが、12月はシラバスデザインの話を学部でしていて、1月は現実の教室の話をしようと思っています。そこでまずは授業の検証をしている論文を探して読もうとしましたが、『日本語教育』1つ取ってみても、検証的な論文はほとんどないのですね。で、じつはここ30年でもっとも面白いと思ったのは、81年に蘇舛見さんが書かれたモナシュ大の特集の1論文だったのです。

78年にヴィクトリア州の高校日本語授業について、大学での教職課程を担当する教員、高校の管理職教員へのインタビュー、実際の授業の観察と録画という、大がかりな調査をしたそのごく一部をまとめています。90年頃に少し試みられていたCOLTによる「コミュニカティブ度」の授業評価などと比べて、本当にその授業のインターアクションが見えてくるホンモノの検証調査なのです。

27年前の論文がこの領域で一番良いなんてありうるのかと自問したくなりますが、良いものは良いのですね(もちろん、時代的な制約や検証の厳密さの限界などはありますが、そんな重箱の隅をつつくようなことには興味がないんです。査読委員でもないので)。
コメント
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