ウロコインコ次郎と生活と。

イラストレーター野田節美の徒然日記。
たまに、仕事も載っけております!!!

ハームリダクション。

2020-10-21 08:55:05 | Weblog
昨夜もEテレを見た。

「ハートネット」
薬物依存を考える 
安心して支援につながるために~“ハームリダクション”の現場から



日本は厳しい取り締まりによって薬物の乱用を防いできた一方、
いったん薬物依存に陥った人たちの存在が見えにくく、
回復支援はあまり進んでいないのが現状。
そうした中、いま世界各国で成果を上げているのが、
“ハームリダクション”(Harm Reduction=被害の低減)と呼ばれる
薬物問題への新しいアプローチを紹介。

カナダのトロントにある施設では、
利用者が薬物を使うためのブースがあり、
利用者はまずこちらでハームリダクション用品
(すべて清潔で消毒済みの止血帯、蒸留水、アルコール綿、注射器など)を受け取る。
自分で持ってきた薬物をそこのブースで飲んだり吸ったり打ったり。
この部屋で薬物を使用している場合、警察は逮捕できない。
そして、専門のトレーニングを受けた看護師などが見守り、
利用者が危険な状態に陥ったら、すぐに対応してくれる。

今まで隠れて薬物をやってきたけど、
ここなら死なないと安心できる。
誰かが助けてくれる。
ここは安全なんだ。
ここの人たちが力になってくれ、
食べ物もあるから。
さまざまな困難や痛みもスタッフに相談出来るし、
住居支援はもちろん、泣きたくなったら肩を貸してくれる。
非難されない、僕を認めてくれる。
薬欲しさに盗みもしなくなったよ。

と。
想像だにしなかったハームリダクションという仕組み。
これで本当に薬物による犯罪や薬物依存などは減っているそうだ。
この仕組みを政策に取り入れてくれるカナダは凄いな。
日本の薬物依存に対する偏見は、
非難から始まりそれで止まってしまっているのかもしれないなぁ、と。

医師のアレクサンダーさんの言葉

すぐに薬物がやめられそうにないのであれば、まずは健康を優先します。
長年、薬物を使っている患者もいて、彼らはひどい仕打ちを受けてきました。
パートナーからの虐待や家族からの拒絶。
かつてはそんな彼らを刑務所に収容していました。
でも我々は『あなたは大切だ』と患者に伝えます。そして尋ねます。
『人生を良くするために何がしたいか』『私たちに手伝えることがあるのか』。
皆、薬物がダメな理由はさんざん聞かされてきました。彼らも頭ではわかっています。
よく、私にこうも言います。
『安心して生活したい』『人生に意味を見いだしたい』。
なので、サポートすると答えます。
『あなたの尊厳を大切にします』『あなたの人生を良くするためお手伝いをします』と

心強い言葉だな。

薬物依存を考えていた夜だった。