パスポートを取る時から・・その３

　古くて趣のあるホテルは、当然設備も古いということだった。
　わたしと友人の部屋のエアコンは冬なのに冷房だった。

　フロントに言うと音が「ブーン」となるヒーターが運ばれて
　きた。

　わたしは疲れていたので眠れると思ったが、友人は音が
　気になると言う。

　しかしこれ以上もうどうしようもない。
　JALの機内の音のほうがもっとうるさかったような気がした。
　お願いだから、何とか眠ってよ・・(ーー;)

　それよりわたしは明朝からの観光をどうするかが気になっていた。
　兄たちが見たいバッキンガム宮殿の衛兵交代式は隔日で
　催行されるようで、明後日でないと観られないことが判った。

　間接照明の部屋は超暗いし友人もベッドに入っている。
　しかたなくバスルームに行って地下鉄マップと格闘した。

　翌朝、部屋を変えてもらえたが、フロントのオネーサンは
　東洋人蔑視なのか、わたし達がこれから出かけるのを承知で
　今すぐ移ってくれなんてことを言う。

　後方から別なオネーサンが出てきて、夕方でいいですよと
　言ってくれた。

　お天気もまずまずなので、前夜わたしが下調べした地下鉄で
　一日乗車券を利用してあちこち見て廻ろうということになった。

　

　今年、悲惨なテロが起きて残念でしかたがないが、ロンドンの
　地下鉄は旅行者にとっても非常に便利なものだった。

　窓口でバスと共用できる１・２ゾーンのワン・デイ・トラベル
　カードを四枚購入し皆に手渡す。

　方向音痴のわたしがまたもやプチ添乗員をしなければならない。
　実は前日着いたヒースーロー空港がダサ～ッ！でがっかりした。
　ホテルに向うマイクロバスからみた街並みもパッとしなかった。

　これで観光名所が期待はずれだったら、友人はどう思うか心配に
　なっていた。ホテルもあんなことだったし・・。
　とりあえず、東へ向かいタワーヒル駅で降りた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　さらに　つ・づ・く
　　　　　
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

パスポートを取る時から・・その２

　もともと皆で食事したとき軽いノリで決めたことだった。
　
　友人のＮ子さんとは、かってシンガポールとパリ・ローマ
　のツアーに一緒に行った仲だ。わたしの６才上の姉よりも
　年上だが、おしゃれで明るく話題も豊富、旅行の相棒には
　うってつけのはず・・だったのだが。

　自由行動の日、社交的な彼女はツアーの人達と親しく
　なり、観光・食事・買い物に誘い、わたしは必死こいて
　にわかガイド役（未知の土地の）をやったものだった。

　それでも当然、当時はまだ二人とも十歳以上若かったわけで
　あちこち飛び回ってきた感があった。
　
　その後も彼女は別な友人やご主人と海外へ行ってるので
　もうそんなに手がかからないはずとわたしは勝手に思って
　しまった。

　彼女の第一希望はスペインだったが、兄たちが前年行って
　きたばかりでロンドンにしたのだが、念押ししたときも
　「いいの、海外ならどこでも行きたいの！、香港だっていいん
　だから」と言っていたのだ。

　やっとこさ、彼女のパスポートもでき、ホテルもデパート
　“セルフリッジ”に隣設の４星“セルフリッジ・シスル”が
　とれた、これで１０万以下の旅行代金なのだ。



　もう行かなきゃ損ソン・・となかばヤケ気味で、忙しい年の
　瀬に彼女のスーツケースのレンタル等、準備に駈けずりまわり
　何とか無事に年明け７日に関空で兄たちと落ち合った。

　しかし、立地が良くてクラシカルなこのホテルがまた・・・
　　　　
　つ・づ・く　^_^;

パスポートを取る時から・・その１

　 ５年間有効のパスポートが来月で切れる。
　１０年にしておけばよかった。
　でも、またしばらく行けそうにないから切れたままで
　いいかも・・・。

　バブル崩壊後、海外旅行などとんでもね～状態が
　続いていたのだが、ひょんなことからおよそ１０年
　ぶりに行けることになって、慌てて作ったものだ。

　昔、欧州なんて「ふん」と言っていた兄は、わたしが
　貧苦にあえいでいた間に、ほとんど廻って来ていて
　結局、皆（兄夫婦と年上の友人）が行ったことのない
　ロンドンに決まった。

　札幌では「地図の読めない女」のわたしだが、海外
　旅行は別人になる。ガイドブックの地図を見てここなら
　安いフリープランで充分行けると提案した。

　ほとんどの観光名所に地下鉄の最寄り駅があるからだ。
　正月明けの４泊６日、ＪＡＬでの往復（マイレージたまる
　(^^♪）あとはホテルを手配してもらうだけでよい。

　旅行代理店に出向いたわたしは、まずパスポートが無いと
　何もしてもらえないことに１０年以上のブランクを感じた。
　殆どのツアーはもう決まっていて、飛行機の座席だけは
　何とか確保できた。

　代理店のおねえさん曰く、「ＰＣにまずパスポートに記載
　された内容を一字一句、正確に打ち込まないと航空券も
　発券されません！」

　わたしは申請中だが、やはり切れている友人はのんびり
　かまえている。
　
　パスポートがすでにある兄たちからは、ホテルをデパートの
　隣で便利なほうに何とか変えて取ってくれと言ってくる。

　代理店のおねえさん「空きがないので・・・時間をください
　それよりお友達のパスポートまだですか？」

　年上の友人「ずいぶんいそがせる旅行社ね！、他の旅行社に
　変える！って言いなさい、バリ島に行った時の旅行社なんて
　当日飛行機のタラップの下まで走ってパスポート届けに
　来たのよ！」

　私「・・・（何年も前の田舎の旅行社のこと言うな・・・
　　ホテルだって無理言って何とか頼んでるのに・・）」
　
　数日後友人から電話「Ｋちゃん（私のこと）、今日ね、パス
　ポート取りにね・・・」
　
　私「あっ、行ってくれた？」
　友人「行ったんだけど、途中でＭ子さんの家に寄っておしゃべり
　して、遅くなってしまってめんどうになったから来週にしたの♪」

　思い出しただけで、疲れてきた（笑。
　続きは明日にしよう・・。

ハーモニカなら違反じゃない

　晴れた日には、家の近くで必ずネズミ捕りをやっている。
　
　かなり手前から青い服着た人が座っているのが見えるので、
　今日もやってるう・・と、いつも通る人には見慣れた光景だ。
　
　しかし橋の手前の登り坂になるところなので、つい加速しやすく
　捕まってる人もたまに見かける。

　４０キロ制限なので、手前で減速して行くと登り坂でかなり
　しんどい、チェッ、まったく・・といつも舌打ちして通る。

　運転中の携帯電話もダメなので、夫は普段イヤーホーンを使っているが
　さっき同乗していたときに直接耳にあてたので、「見つかったら
　ヤバイよ～」と言ったら、夫は携帯を・・

　「こうやって口にくわえて♪ハーモニカ吹いているふりをする！」

　箸が転んでも可笑しい年頃から、はるか遠くに来てしまったが
　しばらく笑いが止まらなかった。

採算度外視のからくりとは？

　通信ベンチャーの平成電電が民事再生法の適用を
　申請した。

　ここ十年余りの各通信会社の目まぐるしい戦略に
　ついて行かなければならない利用者も大変である。

　つい、この間まではさかんに“メタルプラス”って　
　なに？とＫＤＤＩを利用している知人に聞かれた。

　ＫＤＤＩは使っていないので、詳しいことは判らない、
　ただ、今は電話だけではなく、ネットも絡んでくるので
　よく調べたほうがいいと言うしかない。

　たぶん日本テレコムのおとくラインと同じようなシステム
　なんだろうけど、おとくラインにするとネットのプロバイダーは
　ＹahooBBしか使えなくなる。

　日本テレコムなのだからＯＤＮでもよさそうなものだが、そうは
　いかないようだ。利用者も単純に変えれば得するものでもないと
　わかってきているから、おとくラインも開通数はいまいちらしい。

　事業所ではまだまだ固定電話は必要だろうが、個人宅ではどうなの
　だろうか？　うちの場合はもう営業の電話しか掛かってこない
　状態である。

　平成電電の開通数は採算ラインの百万件を大きく下回って十四万
　五千件だったそうだ。設備投資に九百億円！　よく集められた
　ものだ・・と思ったらどうやらいろいろ問題ありそうだ。

　莫大な経費が掛かる航空事業のベンチャーにしてもエァ・ドゥしかり。
　今、不思議なのはエアトランセである。凡庸な人間が考える“採算”
　とは別物なのか？　
　
　集めるだけ集めて・・・幾度か見聞きした同じようなニュースがまた
　繰り返えされるだけなのだろうか・・。

区分「１」の悲劇

　３年前　の１０月１日、○○信金の○○支店の窓口で
　わたしの（正確には夫のだがわたしが管理）定期積立の
　更新手続をした　あなた！

　物的証拠はないが(＠_＠;)、動機も不明だが・・
　何かでドジって預金証書用紙を汚してしまい、もう一枚何くわぬ顔で（？
　再発行したのを渡した　あなた！
　
　そんな事実を善意（？の顧客のわたくしが、なして（北海道弁）
　知ろうか！！

　３年後の今日、１０分もあれば済む～♪と出かけたわたしに
　こんな悲劇が待っていようとは！！

　窓口で「再発行されました？」、とんでもねぇ～
　普通口座から毎月引き落としだから、証書など３年間しまい放っし、
　盗まれたり失くした覚えはまったくない！
　ＰＣ画面を見据えたまま「再発行されたことになってるんです」

　ありえない、「入力ミスじゃないんですか」と抵抗するも「ＰＣサマの
　ご宣託」が絶対！てな表情。
　もしかしたらアルツなお客の記憶より、ＰＣのデータを信頼するわけだ。

　ほんじゃ、この３年間のいつ、誰が再発行手続きに来たのか、教えて
　チョーダイ。(-"-)

　「書類調べてみます・・」
　「判りました～」と後の席から対応していた男の人。
　
　ＰＣから出力した用紙を持って来て説明した。
　右端の「入力欄」に再発行を示す「１」の数字に○印、でも
　ほかの欄を見れば更新の手続きをした同日、再発行されている！
　と判るでないの～。
　早く気づいてよ～　

　「恐らく・・ですね、」と、一番最初に書いた内容のミスを認めて
　くれた。

　ＰＣ画面の入力欄のひとつの「１」＝お客さま、あなたは大事な証書を
　無くされて再発行されてるんですよ、従いまして今日お持ちになった
　証書はもう何の効力もありません、お宅に戻られて、もう一度よ～く
　お探しの上いらしてください・・なのだ。

　ＰＣに精通（笑　したわたしが「入力ミス（そっちのミス）」だと
　一刀両断にしても何故か立場が弱い(泣　無実を立証するまで
　１時間弱もかかった～　<`ヘ´>

　１＝自分のミスで再発行
　２＝顧客の紛失等で再発行
　みたいに　　プログラムかえてよね～！！　　　　　
　
　あと、あなた

　早く余罪を確認してよ！　　

ＯＳが違うようなもの

　もう５年も前にベストセラーになった本
　『話を聞かない男、地図が読めない女』は３年前に
　文庫本になり、わたしが買って読み始めたのは、昨年
　だっただろうか？（記憶があいまい）

　この本を読むまでわたしは、夫が運転して道に迷っても
　人に尋ねないのは、夫が頑固な性格だからと思っていた。

　わたしが夜の運転が苦手なのは、わたしが鳥目だからだと
　思っていた。

　女友達が助手席で「左に曲がって」と言いながら右方向を
　指差すのは、彼女が何かとあてにならないときがある人
　だからと思っていた。

　男と女は脳の配線がまったく違う・・のネ・・
　ＰＣで言ったらＯＳが違うようなもの？（もっとも
　わたしはＷｉｎＸＰしか知らないんですが・・）
　
　知らずに悩んだり腹を立てたりしたのはかなり無駄なこと
　だったのだ　^_^;

　お風呂で本を読む癖のあるわたしは、この本を脱衣所に
　置いておいたら、わたしが知らない間に夫も読んだらしい。

　以来、「女はこういうふうに考えるの！」と言うと以前
　より納得してくれるようになった気がする。

　で、こんなに違う生き物がよく一緒に生活していられる
　もんだね～と言い合っている。