礫川全次のコラムと名言

礫川全次〈コイシカワ・ゼンジ〉のコラムと名言。コラムは、その時々に思いついたことなど。名言は、その日に見つけた名言など。

警戒警報が発令されると入場券の発売は停止

2016-01-25 06:18:40 | コラムと名言

◎警戒警報が発令されると入場券の発売は停止 

 昨日の続きである。情報局編輯集『週報』401・402合併号(印刷局、一九四四年七月五日)から、「空襲時の非常対策」という記事のうちの、「鉄道」の項目を紹介している。本日は、その二回目。

二、旅客の取扱
 警戒警報発令間においては、旅客の取扱は原則として平常通り行はれるが、入場券だけほ発売を停止される。
 空襲警報が発令された場合も、危険が切迫しない限り旅客の取扱は一応平常通り行はれるが、左の処置が講ぜられる。
一、特殊乗車券類の発売停止――即ち定期乗車券、回数乗車券、団体乗車券、貸切乗車券または急行券は原則として発売停止となる(たゞ当日分の急行券と前記の乗車券のうち、駅長において特に必要ありと認めたものは、例外として発売される)。
二、特殊割引乗車券の発売停止――即ち学生割引、移住者割引、就職者割引等の特殊割引乗車券は発売停止となる。
(しかし公務割引、下士官割引、入営割引、応徴者割引による各割引乗車券は、軍公務に支障を生ずる場合も予想されるので取扱停止はされない)。
三、異級乗車券の発売停止――単一等級の乗車券を売ることが、原則とされ、異級乗車券は発売停止となる。
四、船便指定の取扱停止――船便指定は原則として数日前に、取扱ふこととなつてゐる関係上、汽船出発の当日分を除き、取扱停止となる。
五、旅客運賃払戻しの取扱停止――旅客運賃の払戻しは、空襲警報解除後にその処理に応ずるのが建前となつてゐる。
 これがため通用期間の関係等で、空襲警報解除後における払戻しの処理に支障を来さないやう、必要により乗車券面に証明がなされることになつてゐる。
六、携帯品一時預けの受付停止
 なほ、空襲警報発令後、情勢緊迫した場合には、右に拘はらず一切の乗車券の発売が停止され、しかも乗車が禁止されることがある。
 たゞし非常線通行証または官公衙〈カンコウガ〉発行の相当旅行証明書を所持する緊急重要旅客については、列車の運転が続けられる限り、特に乗車が認められる場合がある。敵機来襲の場合には、一切の旅客の取扱が停止されることはいふまでもない。【以下、次回】

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