◎明治初期の難読漢字(その7)
本日は、91から108までの漢字を解読していただきたい。□□は、現代かなづかいで表記したときの字数を示す。配列は、現代かなづかいで表記したときのアイウエオ順である。出典は、川上広樹輯・松本操貞校『小学仮字格』(甘泉堂、明治七年三月彫刻)。
91 鉹 □□
92 侫人 □□□□□
93 咽吭 □□□□□
94 暴風 □□□
95 鮠 □□
96 梔 □□
97 弾 □□□
98 衂 □□□
99 唐棣花 □□□
100 柊 □□□
101 鵯 □□□□
102 蘖 □□□□
103 臂 □□
104 醤 □□□
105 鹿尾菜 □□□□
106 泥 □□□□
107 枅 □□□
108 蹄 □□□
76~90の解答(「その6」の分、読みは現代かなづかいによる)
76 燈籠 とうろ
77 十 とお
78 蔑 ないがしろ
79 等閑 なおざり
80 薺 なずな
81 汝 なむじ
82 蜒蚰 なめくじ
83 活業 なりわい
84 畷 なわて
85 鳰 にお
86 膠 にかわ
87 俄 にわか
88 鶺鴒 にわたたき
89 鵺 ぬえ
90 蓴 ぬなわ
81の読み方は、原文では「なむぢ」。これを現代かなづかいに直し、「なむじ」を正答とした。なお、『大修館 全訳古語辞典』には、「なむぢ【汝】」という項があり、《「古くは『なむち』。「なんぢ」とも》とある。また、『広辞苑 第七版』には、なむち【汝】」という項があり、「な(吾)」に「むち(貴)」の付いた語、という説明がある。